[2013年追記(本文末)]
まだ7月だけど秋の話をちょっと。
一昨年の晩秋に、軽井沢にいる友人を拾ってそのまま新潟の赤倉温泉に泊まりに行きました。
国道144号大笹街道を北西に進んで行く途中、右手には四阿山(2333m)などの背の高い山々から流れるように続く低い山並みがずっと並んでいます。
そこに針葉樹の紅葉した姿を見ました。

もっと山一面染まる様に生えていました
車を運転しながら撮影したので、残念ながらもっとすごい景色は撮り逃がしてしまいました。
朝日を浴びて一層輝いた眩しいやまぶき色の紅葉を最初に見た時は、あまりの美しさと初めての景色にとても驚きました。
針葉樹、と言ったら真っ先に思い出すのは花粉症のもと、スギ。
あんな風に一年中緑色なのが針葉樹で、紅葉・落葉はしないと思い込んでいたんです。
どうやらこれらの紅葉する時期は広葉樹より少し遅れてやってくるようです。(甲信越で11月頃)
今まで広葉樹の紅葉の見頃(10月中旬前)にばかり山に行っていたために、気付かなかったのかもしれません。
いや…でも多分、見たことはあったかなー あらためて思い返すと、うっすらと記憶が。
時期を逃した紅葉見物だった時、すっかり落葉した広葉樹の間に、時々まばらに生えている紅葉した針葉樹。何の魅力も感じずスルーしていたような…。
ちょっと調べてみましたよー。
他になかなかこれといった確かな画像付情報がなかったので多分、ですけど。
わたしは木の名前に詳しくないのですが、この写真の木は「カラマツ」だと思われます。
カラマツはマツ科の落葉高木で、日本に自生している唯一の落葉針葉樹。 自然林は本州中部の山岳地帯にみられるのみで、八ヶ岳や富士山のような溶岩性の砂礫地などの痩せ地、シラビソ-オオシラビソ林の中の崩壊地、梓川河床のような河川の氾濫地などに生育している。 カラマツ林は先駆的な植生のため、立地が安定し土壌が発達すると、遷移が進んで、ほかの群落へと移り変わってゆく。 カラマツは、山地帯や亜高山帯など比較的寒冷な土地や、火山灰の痩せ地などスギの植林が困難な地域でも十分に育つため、本州中北部から北海道の各地では大規模な植林が行われ、人工のカラマツ林が広く分布している。 (ECIネット“環境用語集”より) |
これを読んで納得したんですが、東京の山間部や千葉・茨城・埼玉・神奈川など関東圏内の山々が、なんで一年中緑色したスギのような針葉樹が多いのか。
それはスギにとって冬も暖かくて育ちやすい環境だからなんですねぇ…。
本当はスギの方が植林としては役に立つから植えたい、でも寒い地域ではしっかり育ってくれない…
だからカラマツを植えているというわけか。ほほ~!
千葉県は雪も年に一度位しか降らない暖かい土地だし、山と言ったら標高100m~300mのなだらかなモノが続くだけですから、植林にはうってつけなんだろうなぁ。
ちょっと千葉を南下して田舎の方へ行くと、暗くて重い感じのスギの山林がたくさんあります。だから秋は面白くありません…
日本には今4種類ぐらいの紅葉する針葉樹があるんですって。
カラマツが「唯一日本で自生している落葉針葉樹」と上記にも書いてありますが、他の数種は海外からやって来たんだそうです。
下↓の写真は長野県と新潟県の県境に近い黒姫高原辺りの紅葉した針葉樹ですが、カラマツより色味が暗いし(寒い地域だから既に枯れてるのかな?)種類が違うように見えます。これは何ていうのかなー。
すごいぞなんか。きれいな紅葉を見たことをきっかけにお勉強したらいろいろわかってきた。
秋になって、赤や黄色やオレンジで色鮮やかな広葉樹の木々が落葉し、訪れる人も少なくなってきた頃に、残り火のようにパッと山を染めて散っていく落葉針葉樹があるんですね。
そういう姿を知らないのは「シーズン中にしか行かない」観光客。
わたしは所詮、まだ観光客に過ぎないと言うわけです。
針葉樹以外の木々は落葉し尽くして裸んぼう…
種類が違うんでしょうか?色味がぐっと渋く茶系の紅葉です。
[ここから2013年追記]
その後、登山をはじめていろんな山を訪れるようになって、カラマツの黄葉をたくさん見る機会がありました。
種類の違いはよくわかりませんけど、写真を載せてみます。
2006年10月下旬 長野県 四阿山の山腹で
2006年11月初旬 山梨県 瑞牆山のふもと
以下すべて2008年11月下旬 長野県 御座山のふもと
登山レポート⇒ 御座山(おぐらやま) 晩秋 - 山と葉っぱと猫が好き
下山後、太陽は西に傾き、黄葉に黄金色のフィルターをかけたように輝いていました。

「あ ぽちっとな」