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記即是感

日々の雑感を適当に

九州電力やらせメール事件

2011年08月06日 | ひとりごと

山崎元さんの『九州電力の「やらせメール」をどう考えるか』というブログ記事を見ての雑感など。

九州電力のやらせメール事件で何よりも一番気になるのは、所謂、知識人と言われる人々がきちんと取り上げていないこと。要するに、小泉時代の如何様タウンミーティングと同じで、今回の事態はこれまで日常的に横行してきた非常に根の深い問題だということなのだろう。みんなやってるじゃないか、何が悪いんだ。という意見まである。

山崎さんもかなり取り上げづらいようで、“この事件を経営側の問題として見ると、コンプライアンスとリスク管理の両方の認識を欠いたマネジメントの極端な能力不足と整理することができる” というエコノミストらしい会社としてのあり方の部分から入って、九電社員のやらせをほかの一般的なものと比べてどうなのかという法的な微妙さを、実名だったら良いのか?などといった部分を上げたりして解説して、最後に“より本質的な問題として、説明会なりTV番組なりといった、意見を募っている場で、議論が成立していないということが実は問題なのではないか”“賛否何れの立場からでも、アリバイ工作に利用されるだけだ” と最後に触れる程度の少し歯切れの悪いものになっている。

山崎さんが「議論が成立していない」と指摘するように、きちんと公正中立な立場で議論されるべき場において偏った意見を形成するのはけしからんという人は、当然、非常に多いのではないかと思う。では、なぜ、良くないのか。

これまでの様々なやらせの問題にしても、今回の問題にしても、一番の問題は、公正公平中立であるべき会議が歪められているということだろう。

今回の件にしても、あれが原発を推進する知事や東電による推進側の意見を多く提示するための番組だったなら、誰も文句は言わないだろう。同様に、過去のタウンミーティングでのやらせも、それがある事柄を推進する側の意見を述べる場だったなら、何の問題もないことになる。

だが、当然のことながら、今回の番組にしても、以前のタウンミーティングにしても、こういった会議は公正中立の立場を前提として開かれ、様々な意見を出していろいろな人に議題となっているテーマについて真剣に考えてもらうという趣旨の元で開かれている。

ところが、やらせを行って議事を誘導したため、その会議は偏った意見の多い無意味な会議となってしまった。いや、無意味なだけならまだ良いが、その会議は、小泉政権時のタウンミーティングのように、政府や行政が市民の合意形成を行った結果としてアリバイ的に使われ、結果的に市民の生活へ波及する。そういった類いの有害な代物となってしまった。

であるなら、本来なら今回のような事態に対しては、その会議を主催した公正中立な会議を行う立場である政府や県、テレビ局などが、九州電力を偽計業務妨害で訴えるべきなのではないかと、そう思えてならない。

法律には詳しくないので偽計業務妨害はおかしいのかも知れないが、少なくとも主催者はそういった事態に対して強い警告を行うだけでなく、出来る範囲の法律を適用してこれを訴えなければおかしいのではないだろうか。

ところが、実際にはその後ニュースで明らかになったように、県知事が世論誘導を行うように要請していた。ではテレビ局はどうなのか。公平中立な立場の報道を行わなければいけないテレビ局は何か対処を行ったかと言えば、何もしていない。

政府や官僚や行政が要請し、該当する企業やテレビ局を巻き込んで当然のようにやらせは行われ続けている。ここまで根深く腐った談合体質がある以上、これは該当する事項を明確に違法として適当な罰則を設けるしか、ほかに方法がないような気がする。

そういった法律ができるのは、一体いつになるだろうか。そんな法律が出来る気配は全くない。まだまだずっとずっと先のことになるのだろうが、それは100年先だろうか、それとも500年先だろうか。

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