まだ作るべき猫の顔の形を把握しきれていない感じで、「あ~でもない、こ~でもない」と一体作るのにとても時間がかかります。
そこで、今回はいつもと少し違う作り方をしてみる事にしました。
それは、「復顔方式」です。
復顔とは、刑事ドラマなんかにたまに出てくる、白骨化した身元不明の遺体から生前の顔を復元する方法で、
それを真似て、まず頭蓋骨状態を作って、その上に肉付けを行って顔を作っていこうという訳です。
子猫の頭蓋骨の画像は探しても無かったので、成猫の画像を参考に下のような状態を作り、
そこに登場するのが、ハマナカさんのシート羊毛「フェルケット」です。
「木箱に収まる茶トラ白」から使い始めたので、もう残り少ないです。
均一な厚さのフェルケットで、骨格の上に肉付けをしていきます。
頭全体を覆い、まぶたを付ければこんな感じです。
まだまだ気持ち悪いですね。
でも、大体いつもこんな感じです。
可愛くなってくるのは、かなり作業が進んでからです。
ヒゲを植えて、やっと可愛くなる時もあります。
耳も付けてみました。
少し猫っぽくはなりましたが、まだカワイイというレベルには程遠いです。
この復顔方式のメリットは、下に骨格がある事で形状にリアリティーが出てくるのですが、
欠点は最初の骨格の形状が不正確であった場合、全く意味がなくなってしまう事です。
僕的には既に効果があったと思っていて、マズルや下あご、フェイスラインが良くわからなかったのですが、
骨格から作ることで今までの疑問が解決したように思います。
以前も骨格の画像は見ていたのですが、やはり漠然と眺めていただけで、実際に作る時のような真剣さで理解しようとはしていなかったのです。
骨格を作ってみると、「なるほど、骨がこういう形だから、その上の生身がこうなのか」と思う所がいっぱいあります。
決してオススメの方法ではありませんが、猫の顔作りでお悩みの方にはチャレンジしてみる価値があるかもしれません。
試してみるかどうかは、今回の子猫が今までよりも可愛くできるか、失敗するか、その結果を見て判断して下さい。
キッチリ収まるシリーズ第2弾です。
アンティーク風な木箱に収まる茶トラ白の子猫を作ってみました。
今回も、箱の中に収まる部分の造形は省略してあります。
箱の下側からネジ止めします。
木箱は猫本体に合わせて手作りしました。
ホームセンターで買ってきた工作用の木材を使用し、100均で見つけたニスで着色しました。
底だけは白木のままなので、色の違いがわかりやすいと思います。
カゴに入った「キッチリ収まる三毛猫」と一緒に記念撮影です。
同サイズと思いきや、本当はこんなに大きさが違うんです。
三毛猫は10mmスワロアイ、茶トラ白は8mmスワロアイです。
実は、「キッチリ収まる三毛猫」を納品したところ、
「大きすぎるから、もう少し小さくて値段を安く」と言われ、ワンサイズ落として再度製作する事になりました。
製作前の打ち合わせで、「キジトラの母」を見て「このくらいの大きさで」と言われていたので、
僕はその全高と同じくらいの15cmクラスで製作したのですが、お客様は頭部の大きさで「同じくらい」と仰っていたようです。
こちらのコミニュケーション不足が原因で、オーダーを受ける事の難しさを学びました。
里子に行きそびれた「キッチリ収まる三毛猫」は、ハンドメイド販売サイトかオークションに出そうと思っています。
手乗り写真