F log
職場での昼休み。
休憩室のテーブルを何気なく見て驚いた。
貴志祐介 「 天使の囀り 」 の文庫本が置いてあったからだ。
個人的には大好きなこの作品。
持ち主はと聞けば、同僚のなんと女性であった。
彼女も貴志祐介のファンだという。
この「天使の囀り」も大好きで何度も読んだという。
性差を論じるつもりはないが、女性としては珍しいだろう。
( F 嫁は苦手系。もっともな話である )
F もすかさずカミングアウト(笑)して、食事の前後も関係なくきわどい 囀り話 で盛り上がった。
貴志作品をかなり読んでいる彼女に対し「黒い家」、本作、そして「硝子のハンマー」のみの F 。
「硝子のハンマー」はトホホ作ということで意見が一致してよかった。
囀り仲間の彼女は、貴志氏の別作品を貸してくれるという。
そちらもかなりオススメとのこと。楽しみだ。
天使は何を囀るのか。
人間誰しも本能的な恐怖の対象がある。
高所恐怖症、閉所恐怖症、先鋭恐怖症、不潔恐怖症・・・物事の数だけ恐怖はあるといってもよい。
動物、昆虫なども枚挙に暇がない。
アラクノフォビア ( 蜘蛛恐怖症 ) は映画にもなった。
本書の恐怖は対象の人物が感ずるものではない。むしろ逆。
周辺の人間がそれと分かったときに戦慄するのだ。
もちろん未読の方の為に内容には立ち入らないが、数々の謎が○○の専門家である依田の推論によって
収束していく様は、知的なカタルシスと同時に心底怖気を震わされる。
そうそう、ストーリーに関係のないところで・・・
依田が主人公とともに物語のクライマックスともいうべきセミナーハウスに向かう場面。
依田が駆る愛車は、パンダ 4 × 4 なのだ。
初代のパンダは F の憧れでもあった。
依田は道すがら、待ち受ける恐怖を忘れようと、パンダについて熱く語る。
シュタイアー・プフ ( 懐かしすぎる )、ジウジアーロ、リーフサス・・・etc
本筋に関係のないそんなディテールもまた F を惹きつけるのだ。
主人公が“青”と描写した依田のパンダ。
F が好きなブルーグレイだと勝手に思っている。
肝心な箇所に触れずして語る術を持たないので余計な脱線をした。
トップ写真左側は単行本。右は文庫版の装丁である。( どちらも所持している )
捕食者をさりげなく描いた酒井和男氏の単行本イラストもいいが・・・
文庫の表紙を飾るフランスの画家ウィリアム・アドルフ・ブグローの作品が秀逸。
William-Adolphe Bouguereau (1825-1905) - Youth (1893)
まさに「天使の囀り」にふさわしい。
生理的な嫌悪感に苛まれながら、この本を読み返してしまう自分。
もしかしたら既に天使が囀っているのかもしれない。
さて、貴方は何フォビアだろうか・・・ ?
先代のパンダは良かったです。
それも初期型であればあるほど・・・
デザインに超がつくほど合理的な理由があるというのは、
やはり説得力があります。
エロとホラーは紙一重。
いや、時々入れ替わっているかもしれません(笑)
kpfwさんもパンダ好きと聞いて嬉しいです
しかし2台並べたら、10人中9.5人はポロを選ぶでしょう(笑)
私も結局パンダには縁がありませんでした。
でも街で見かけると、つい目で追ってしまうのです。
私もパンダに反応しました。
初代の軽い車体が、懐かしいです。
でも、ブグローでコメントします。
ホラー文庫にブグローの絵ですか。
ブグローの描く女性や天使、女神は、
とにかく肌が美しい。
(ほとんどエロいです。)
そうか、それ故ホラーと接点か・・・。
意味不明なコメントで済みません。
結婚前の車の買い替え時、パンダにほぼ決めていたのですが次に行ったフォルクスワーゲンの店でお買い得のポロを見ちゃたもので・・・
数年たってパンダにしとけばよかったとずいぶん後悔したものです。
ポロ自体もすぐにノアに変わっちゃいましたしね・・・(遠い目