経済なんでも研究会

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主役に躍り出た 金利と原油 (上)

2018-05-24 06:35:56 | 世界経済
◇ マイナス効果が増大してきた = 金利高と原油高が、世界経済を動かす主役になりつつある。初めはそのプラス効果が株高をもたらしたが、最近ではマイナス効果の方が強く意識され始めた。現状からみる限り、金利も原油もまだ上昇する可能性が大きい。したがってマイナス効果は、今後も増大して行くだろう。これにどう対処するのか。先進国にとっても新興国にとっても、大きな課題となるに違いない。

アメリカの長期金利は、4月下旬に3%台に載せた。ニューヨーク市場のWTI(テキサス産軽質油)の先物価格は、5月に入ると1バレル=70ドルに到達した。このためウォール街では銀行株とエネルギー関連株が買われ、ダウ平均が上昇。一方でドル相場も上がったことから円安が進行、東京市場の株価も上向いている。

ところがアメリカの金利は先週16日、一時3.10%まで上昇。6年10か月ぶりの高さになった。原油価格も72ドルに近づき、3年半ぶりの水準に上昇した。金利がここまで上がると、資金が株式市場から債券市場に移りやすくなる。住宅ローンや自動車ローンも上昇して、消費を阻害する。特に自動車はガソリン価格の高騰もあって、販売に陰りがみえてきた。

ドル高・円安も進んだから、東京市場の株価は上昇基調を維持している。しかしアメリカの金利高で、新興国からは資金が引き揚げられ始めた。このため新興国は政策金利を引き上げたり、為替市場に介入するなど防戦に必死となっている。この結果、新興国の景気が下降すれば、日本の輸出も伸び悩む。新興国の経済が破たんすれば、世界経済全体が不調に陥る危険もないではない。

                               (続きは明日)

       ≪23日の日経平均 = 下げ -270.60円≫

       ≪24日の日経平均は? 予想 = 下げ

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