経済なんでも研究会

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想像を絶する 不動産不況 / 中国 (下)

2023-08-18 07:27:49 | 中国
◇ 融資平台の債務は1300兆円に = 融資平台とは聞きなれない名前かもしれないが、中国の地方政府が設立した一種の投資会社だ。中国の地方政府は法律によって債券発行以外、資金の調達が出来ない。そこで‟抜け穴”となるのが、この融資平台である。まず金融機関からの借り入れ。後ろに地方政府がついているから、いくらでも借りられた。また土地の使用権を業者に売って、資金を調達する。土地はすべて国が所有しているから、原資は無限だ。

北京政府の指示のもと、これまで地方政府はこうして調達した資金を使って、不動産の開発を推進してきた。それが高度成長を生み出す源泉ともなってきたわけだ。ところがバブルが崩壊、土地の買い手が見付からない。IMF(国際通貨基金)の推計によると、金融機関からの借り入れも累計1300兆円に達したという。これ以上は借りられない。

要するに資金不足。だから景気が悪くなってきても、財政面からの対策が打てない。仕方がないので、いまは人民銀行の金利引き下げに頼っている状態だ。しかし金利が下がったからと言って、住宅を買う人は限られる。一方、売りに出されているのはみな投機目的で購入された物件だから、金利とは関係なく早く売ってしまいたい。利下げの効果は、どうしても限定的にならざるをえない。

中国共産党は7月下旬に開いた中央政治局会議で「不動産の需給関係に重大な変化が生じた」と認めた。しかし習近平政権はまだ「ことし5%成長」という目標を降ろしていない。近く大規模な景気対策を打ち出すという推測も出ているが、真偽のほどは全く不明。仮に中国の成長率がゼロに近付けば、世界経済への影響もきわめて大きい。バイデン米大統領は「中国経済は時限爆弾、いまの成長率は2%程度」と述べている。

        ≪17日の日経平均 = 下げ -140.82円≫

        ≪18日の日経平均は? 予想 = 下げ≫


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