経済なんでも研究会

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百合子知事 国を牽制 : ガソリン車ゼロ

2020-12-11 08:01:30 | 環境
◇ 東京だけの問題ではない = 小池東京都知事は8日の都議会で「30年までに都内で販売する新車をすべて電動車にする」と発言した。電動車というのは、EV(電気自動車)・ハイブリッド車・燃料電池車の総称。つまりガソリンだけで走る車はなくすという意味だ。これまでは「30年までに電動車を50%にする」ことを目標にしてきたが、それを大幅に強化することになる。

その理由について、小池知事は「ガソリン車の廃止は世界の潮流であり、大都市の責務だ」と述べている。たしかにイギリスは30年にガソリン車を販売停止。アメリカのカリフォルニア州と中国は、35年までに販売を禁止。フランスは40年までに販売禁止する方針を正式に発表した。

これに対して日本政府は「30年代の半ばにガソリン車の販売をゼロにする」目標を掲げている。こうしたなかで440万台の自動車を保有する東京都が率先して目標を前倒しし、政府の尻を引っぱたいた形となった。小池知事としては「私が総理大臣だったら、こうするよ」という姿勢も見せつけたかったに違いない。

その姿勢には、拍手を送りたい。しかし東京都だけで、この問題は解決できない。たとえば都民が他県でガソリン車を購入することは防げない。もっと重大なことは、ガソリン・エンジンや周辺機器を製作している中小の部品メーカーをどう救済するか。国が関与しなければならない問題が多数ある。小池知事は「唯我独尊」ではなく、国を「巻き込む」姿勢でコトを進めてもらいたいものだ。

       ≪10日の日経平均 = 下げ -61.70円≫

       ≪11日の日経平均は? 予想 = 下げ≫

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