◇ 利上げは来年後半になる? = 金融緩和政策の縮小については「今後、複数回の政策決定会合で議論し決める」--アメリカの中央銀行であるFRBは先週、こんなナゾナゾのような声明を発表した。次の決定会合は9月だが、そこでは決めない。10月は休みだから、その次は11月になる。つまり緩和政策の縮小は11月からだ。市場はこう読み解いた。だが株価はほとんど動かなかった。というのも投資家の多くが、すでにそう考えていたからである。
中央銀行がここまで手の内を明かしても、株価が動かない。これはFRBが時間をかけて、市場に説明を続けてきた成果だろう。たとえば物価や雇用情勢、金利と緩和政策の関係など。市場は十分に洗脳された。物価にしても雇用にしても、重要なのは9月の状態。それが判明するのは10月になるから、11月に政策を決定するのは当然だと考えるようになった。
追い討ちをかけるように、クラリダ副議長が金利引き上げの時期についても言及した。講演で「22年末になれば、利上げの条件は整うだろう」と予想したのである。緩和政策の縮小を完了するまでには、時間がかかる。だから約1年後には、利上げで引き締め政策に転換する。そのころには、景気も順調な上昇過程に入っているだろうというわけだ。
これもFRBの市場説得作戦。いまから来年後半の利上げを、納得させようとしている。だが1年後のことになると、コロナの勢いとも関連して景気の状態がどうなっているのか不鮮明だ。さらにFRB内部でも「インフレに備えるため、利上げは急ぐべきだ」と主張するタカ派と「雇用の回復を図るため、急ぐべきではない」と考えるハト派が対立していることも確か。だから市場もなかなか洗脳されない。FRBは今後どういう説得作戦を展開するのだろうか。
≪10日の日経平均 = 上げ +68.11円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
中央銀行がここまで手の内を明かしても、株価が動かない。これはFRBが時間をかけて、市場に説明を続けてきた成果だろう。たとえば物価や雇用情勢、金利と緩和政策の関係など。市場は十分に洗脳された。物価にしても雇用にしても、重要なのは9月の状態。それが判明するのは10月になるから、11月に政策を決定するのは当然だと考えるようになった。
追い討ちをかけるように、クラリダ副議長が金利引き上げの時期についても言及した。講演で「22年末になれば、利上げの条件は整うだろう」と予想したのである。緩和政策の縮小を完了するまでには、時間がかかる。だから約1年後には、利上げで引き締め政策に転換する。そのころには、景気も順調な上昇過程に入っているだろうというわけだ。
これもFRBの市場説得作戦。いまから来年後半の利上げを、納得させようとしている。だが1年後のことになると、コロナの勢いとも関連して景気の状態がどうなっているのか不鮮明だ。さらにFRB内部でも「インフレに備えるため、利上げは急ぐべきだ」と主張するタカ派と「雇用の回復を図るため、急ぐべきではない」と考えるハト派が対立していることも確か。だから市場もなかなか洗脳されない。FRBは今後どういう説得作戦を展開するのだろうか。
≪10日の日経平均 = 上げ +68.11円≫
≪11日の日経平均は? 予想 = 上げ≫
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