
古今和歌集 0691
いまこむと いひしばかりに ながつきの ありあけのつきを まちいでつるかな今来むと 言ひしばかりに 長月の 有明の月を 待ち出でつるかな 素性法師 今すぐ

古今和歌集 0575
はかなくて ゆめにもひとを みつるよは あしたのとこぞ おきうかりけるはかなくて 夢にも人を 見つる夜は 朝の床ぞ 起きうかりける...

古今和歌集 0555
あきかぜの みにさむければ つれもなき ひとをぞたのむ くるるよごとに秋風の 身に寒ければ つれもなき 人をぞたのむ 暮るる夜ごとに...

古今和歌集 0470
おとにのみ きくのしらつゆ よるはおきて ひるはおもひに あへずけぬべし音にのみ きくの白露 夜はおきて 昼は思ひに あへず消ぬべし...

古今和歌集 0421
たむけには つづりのそでも きるべきに もみぢにあける かみやかへさむ手向けには つづりの袖も きるべきに 紅葉に飽ける 神や返さむ...

古今和歌集 0357
かすがのに わかなつみつつ よろづよを いはふこころは かみぞしるらむ春日野に 若菜つみつつ よろづ代を いはふ心は 神ぞ知るらむ...

古今和歌集 0356
よろづよを まつにぞきみを いはひつる ちとせのかげに すまむとおもへばよろづ代を まつにぞ君を 祝ひつる ちとせのかげに すまむと思へば...

古今和歌集 0354
ふしておもひ おきてかぞふる よろづよは かみぞしるらむ わがきみのため臥して思ひ 起きて数ふる よろづよは 神ぞ知るらむ わが君のため...

古今和歌集 0353
いにしへに ありきあらずは しらねども ちとせのためし きみにはじめむいにしへに ありきあらずは 知らねども ちとせのためし 君にはじめむ...

古今和歌集 0309
もみぢばは そでにこきいれて もていでなむ あきはかぎりと みむひとのためもみぢ葉は 袖にこき入れて もて出でなむ 秋は限りと 見む人のため...

古今和歌集 0293
もみぢばの ながれてとまる みなとには くれなゐふかき なみやたつらむもみぢ葉の 流れてとまる みなとには 紅深き 波や立つらむ...