
古今和歌集 0293
もみぢばの ながれてとまる みなとには くれなゐふかき なみやたつらむもみぢ葉の 流れてとまる みなとには 紅深き 波や立つらむ 素性法師 紅葉の葉が流れ

古今和歌集 0273
ぬれてほす やまぢのきくの つゆのまに いつかちとせを われはへにけむぬれてほす 山路の菊の つゆのまに いつかちとせを われは経にけむ...

古今和歌集 0244
われのみや あはれとおもはむ きりぎりす なくゆふかげの やまとなでしこわれのみや あはれと思はむ きりぎりす 鳴くゆふかげの やまとなでしこ...

古今和歌集 0241
ぬししらぬ かこそにほへれ あきののに たがぬぎかけし ふぢばかまぞも主しらぬ 香こそにほへれ 秋の野に 誰がぬぎかけし 藤袴ぞも...

古今和歌集 0181
こよひこむ ひとにはあはじ たなばたの ひさしきほどに まちもこそすれこよひ来む 人にはあはじ たなばたの ひさしきほどに 待ちもこそすれ...

古今和歌集 0144
いそのかみ ふるきみやこの ほととぎす こゑばかりこそ むかしなりけれいそのかみ ふるき都の ほととぎす 声ばかりこそ 昔なりけれ...

古今和歌集 0143
ほととぎす はつこゑきけば あぢきなく ぬしさだまらぬ こひせらるはたほととぎす 初声聞けば あぢきなく ぬしさだまらぬ 恋せらるはた...

古今和歌集 0126
おもふどち はるのやまべに うちむれて そこともいはぬ たびねしてしか思ふどち 春の山辺に うちむれて そこともいはぬ 旅寝してしか...

古今和歌集 0114
をしとおもふ こころはいとに よられなむ ちるはなごとに ぬきてとどめむ惜しと思ふ 心は糸に よられなむ 散る花ごとに ぬきてとどめむ...

古今和歌集 0109
きづたへば おのがはかぜに ちるはなを たれにおほせて ここらなくらむ木づたえば おのが羽風に 散る花を たれにおほせて ここら鳴くらむ...

古今和歌集 0096
いつまでか のべにこころの あくがれむ はなしちらずは ちよもへぬべしいつまでか 野辺に心の あくがれむ 花しちらずは 千代もへぬべし素性法師...