小林秀雄以後の文芸評論家たちが、「思想家」とでも呼ぶべき存在へと転換した理由は、文学作品の分析を通じて、文学という問題を越えた、ある基礎論的な問題を問うような存在へと変身したからなのでは...
三島由紀夫の経歴は、近代日本の作家たちのなかにあって、極めて異色であるといえよう。三島...