ぽんしゅう座

優柔不断が理想の無主義主義。遊び相手は映画だけ

■ ゲアトルーズ (1964)

2024年01月08日 | ■銀幕酔談・感想篇「今宵もほろ酔い」

交わらない拒絶と懇願の視線。接近し離反しまた接近する導線。心情を象徴する空間の明暗。歌手、詩人、政治家、ピアノ弾き。それぞれの方程式に導き出された「愛」の解は一致しない。この女が求める「愛」は俗っぽくもあるが、流れた時間はやがて「愛」を超越してしまう。

いちずに「愛」を求めた続けたことで女(ゲアトルーズ)は誰にも乱されない幸福な孤独を手に入れたのだろう。これは75歳のカール・テオドア・ドライヤーの創作に対する境地なのかもしれないと思った。

(1月3日/イメージフォーラム)

★★★★


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