ぽれ自然保護区より

自然をヒントに生きてみたらどうだろう。
ぽれ珈琲の小屋の窓から見える自然を中心に、日常のことなどをつづったブログ

マロニエ伝説

2010-05-25 | 植物
ぽれ珈琲小屋の窓の上部にいつも見えているのは、マロニエの枝です。



今年無事に花を咲かせました。




このマロニエの樹が当店のぽれ自然保護区にやって来たのは、昨年3月のことです。

それまでは隣町の公園にありました。




マロニエの樹は生長のスピードがゆっくりで、花を咲かすのに約10年かかるけれど、その後もゆっくりのんびり100年以上生き続けるのだとか。

当時、店主が知人からそんなマロニエの話を聞き、当店の「ゆっくりと着実に成長していきます」というモットーにぴったりだと思い、
一本ぐらい植たいと思ったそうです。

何処かで苗木が手に入らないか探していたところ、マロニエを広める活動をされていて、苗木をただで配っている、
マロニエの会というものがあることを知りました。
そして偶然にもその会の代表が店主の遠縁の親戚の方でした。

早速、連絡をとったのですが、その年の苗木はすでになくなっていて、次は2年後になるとのことでした。



残念だけどしょうがない、また何処かで苗木は手に入るだろうとあきらめました。

でも、それから数週間後、マロニエの話を聞かせてくれた知人から、隣町の公園にあるこのマロニエの樹が、移植する場所が見つからなくて切り倒されそうになっているところに出くわしたので、もらってもらえないかという連絡をいただいたのです。




当時まだ元気だった店主の母にその時すぐに様子を見に行ってもらい、即決したそうです。

ちょうど切り倒されそうになっているところに通りかかるなんて、マロニエがその方を呼び寄せたのでしょうか。


それから約半年後、マロニエの樹はぽれ自然保護区にやってきました。





いろんな人の思いが詰まったマロニエの樹。

一年後の今年、無事花を咲かせてくれました。




一つ一つの花はこんな感じ。小さなハイビスカスみたい。



100年後、私達がいなくなっても、誰かがこの樹を見上げていたりするのかな。


ぽれ珈琲もこの樹といっしょに、ゆっくりだけど着実に成長していけますよう精進してまいりたいと思います。

今後もどうぞよろしくお願いいたします。

ライ麦畑で

2010-05-19 | 
近くにあるパン屋さんからライ麦の種をいただきました。

それを蒔いてみようと、ぽれ自然保護区の一部を耕しました。



土を掘り返していると、いつの間にか周りは鳥でいっぱい



これは ムクドリ。 くちばしと足が黄色くて、顔と腰のところに白い模様があります。



こちらはハクセキレイ


地上に出てきた虫を目当てにやって来るのですが、それにしても目ざといですね。
空から虫がいるのが見えるのでしょうか。


それとも、人間が耕している=虫がいっぱいいる という図式になっているのかな?


何か捕まえたもよう。


こちらが一心不乱に種蒔きしているときなどは、ほんの一メートル先ぐらいまで近寄って来るのに、
写真に収めようとそっとカメラを向けた途端、自分たちに意識が向けられたのがわかるらしく、
サッとこちらとの距離を取りはじめます。

ムクドリはちょこまか動いて、なかなかピタッと止まってくれないのでうまく撮れなかった


野菜の苗も一緒に植えたので、たくさん虫を食べてくれると助かるな

ゴールデンウィークが明けて

2010-05-13 | 
本日のぽれコーヒー小屋の窓からの眺めです。




ゴールデンウィークが明けて、数日ぶりに、ぽれ珈琲に出勤したら、




ぽれ自然保護区は、もっとお花畑になっていました。






ムラサキサギゴケがこんなにいっぱい



去年はこんなのありませんでした。
キレ~イ



ムラサキサギゴケを清明の花でご紹介した時は、トキワハゼとの区別が付きにくかったのですが、
ここまで生長すると私でもわかる決定的な違いがでてきました。

それは、地面を這う茎 です。 ちょっと分かりにくいですが


ムラサキサギゴケは種だけでなく、地面を這う茎から根を出してふえます。

トキワハゼはこの地面を這う茎を出さないので、ムラサキサギゴケで合ってた

植物たちも生長してくると変身を遂げますね。

番外編

2010-05-06 | 日記
ゴールデンウィーク、私は里帰りをさせていただきました。


地元近くにある、国立公園三瓶山です。



ここにある三瓶自然館が主催する、自然観察会に参加してきました。

といっても、所要時間30分のお散歩観察会。


盛りだくさんというわけにはいきませんでしたが、
今回の見所はこちら


オキナグサです。

オキナグサという名前は花の後に白い毛の生えた実ができるそうなのですが、それを(翁)老人の白髪に見立てて名付けられたそうです。

オキナグサというだけあって、花びらのように見えている部分は実は”がく”が変化したもので本来の花びらは存在しません。

最初は下向きに咲きますが、だんだん上を向いてくるそうです。



オキナグサは山地の日当たりのよい草原や河川の堤防などに生育するそうですが、
現在、自然にのこる姿をみることが難しくなってきていて、絶滅危惧種に指定され保護活動が始まっています。

自生しているオキナグサを持ち帰ったりしたら、1本につき罰金50万円だそうですよ

うっかり摘み取ったりしないように、皆様お気を付けくださいませ。





三瓶自然館の中は三瓶、島根の自然を中心とした、標本展示や体験コーナー、野鳥を館内から観察できる野外観察コーナー、図書コーナー、プラネタリウムなどいろいろあります。


こんなものを見つけました。



ハチのアパート。



ドロバチなどの仲間は、こういう筒状のものに卵を産み付ける習性があるのですね。
まだ住民はいなさそうでしたが。


三瓶自然館。田舎の施設だからといってあなどれません。なかなか楽しめます。




館内の薄暗い一角に…危険生物



この中に地球上で最も危険な生物が潜んでいます。

そっとこの中をのぞくとその生物を見ることができます。


どんな生物だと思いますか? 


だいたいご想像つくと思いますが。




満開

2010-05-02 | 
当店、ぽれ珈琲小屋の窓の外は休耕田が広がっています。

私たちはそこを ぽれ自然保護区 と呼んで、あまり手を入れず(というか手入れをするのはとても大変ですので)自然をありのままに残し、その様子を観察しています。

今、ぽれ自然保護区はちょっとしたお花畑になっています。



小さな野の花ですが、毎日見ていると、その花の旬というか、一番きれいに咲いている瞬間というか、
に例えていうなら、すべての花が開いていて、でも一枚も花びらが散っていない状態、まさに満開

そんな花に出会うことがあります。



そんな時は何だか、自然の大きな力や、きらめきを見れた気持ちになります。

すごいなぁ…





ただ、花によっては、不自然なほどに綺麗… … あまりに完璧に咲きすぎていて、

気味わるっっ と思ってしまう時もあったりします。


自然の野の花なのだから不自然な訳ないのですが…






会社勤めをしていた頃は、桜の花をゆっくり見たいと思ってもその時間を作り出せなくて、こんなふうに時間が過ぎていっていいのかと焦っていましたが、いまもやっぱり焦っています。

結局は自分が乗り越えていないだけなんだと思い知らされております。

でも、気味わるっ と思うほど綺麗にに咲いている花に出会えるのは幸せな瞬間なのかもしれません。