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和歌山狸の思いつきノート

和歌山の狸が思いつきで何かを書いてみた。
所詮、思いつき。されど、思いつき。

ショウドウツバメの思い出

2015-09-24 00:45:29 | 鳥の思い出
先日、遠征先の佐賀にて、たくさんのショウドウツバメに出会った。

相変わらず、時折電線にはとまるものの、あまり落ち着きなくぶんぶんと飛び回っていた。
「小洞ツバメ」ならぬ、「衝動ツバメ」という感じ。
この鳥はいつ会ってもそんな感じである。いつもなかなかじっくり観察させてもらえない。


ショウドウツバメは本土では旅鳥であるが、春と秋で明らかに数に差がある。
春はほとんど話をきかないが、秋は全国の農耕地などでわりと普通に見られる。

今回訪れた佐賀の干拓地でも、たくさんのショウドウツバメが見られた。
関東平野各地でも秋は普通に見られるし、地元和歌山でも秋は時折見かける鳥だ。




ショウドウツバメ@佐賀有明干拓


秋に農耕地に飛来する鳥とあって、この鳥の思い出はいつもシギチ絡みである。
秋のまだ早い時期、残暑の残る季節に、水のある休耕田や蓮田にいるシギを求めてうろうろしているとよくこの鳥に出くわす。
出くわしたら1羽や2羽ということはあまりなく、多いときは100羽を軽く超える数になる。
滞在期間もわりと長いようだ。


私がこの鳥に初めて出会ったのは、繁殖地である北海道。
2008年の6月の霧多布、初めて野鳥の楽園「北海道」の威力を実感したときである。
このときの霧多布は初めて見る鳥の連続で、興奮しっぱなしの非常に充実した旅だった。
エゾライチョウとエトピリカはいまだにこの旅以降一回もお目にかかれていないし、コルリやウソなど、今では普通と思える鳥にもこのときが初見だったものがいくらかいる。
ショウドウツバメもそのうちの1種である。
霧多布のなかなか霧が晴れない岬の上を、せわしなく飛び回っていた。
そのときは、穴を掘って巣を作るなんて全く知らなかったので、そのせわしない飛び方を見て、なるほど「衝動ツバメ」ってそういうことかと思った記憶がある。
ライフリスト200種突破で祝杯をあげた記憶もある。200種目が何だったかは思い出せないが、もしかしたらショウドウツバメだったかも・・・?


繁殖地以外でショウドウツバメに出会ったのはほぼ秋であるが、一度だけ春に出会っている。
2014年4月の石垣島、名蔵の水田で出会った1羽である。
渡り途中のツバメが電線に並ぶ中に、1羽だけ混じっていた。
場所が場所だけに、台湾にいる近縁種を一瞬疑ったが、普通のショウドウツバメだった。
でも、いつもは北海道に行くか、もしくは秋にならないと出会えない鳥にこの時期に出会えたことで、なんとなく少し得した気分になったことを覚えている。


ところで、この鳥、中国南部や東南アジアで越冬していると思われるが、どんな環境でどんなふうに越冬しているのだろう?
いろいろ想像してはみるが、実際に見てみるとまたイメージと違うような感じなのだろうと思う。
そこには、わたしの知らないショウドウツバメの一面があるに違いない。
いずれ、越冬地でもお目にかかりたいものだ。


★★ ショウドウツバメ ★★

個人的記録地点

・北海道 羽幌、紋別、霧多布、勇払
・茨城県 稲敷市
・千葉県 香取市、印旛沼
・埼玉県 行田市
・和歌山県 加太、日ノ御崎
・佐賀県 有明干拓、佐賀市
・沖縄県 石垣島

チュウヒの思い出

2015-09-05 01:29:48 | 鳥の思い出
7月に北海道に行った際、チュウヒに出会った。

チュウヒといえば、個人的には「豊かな水辺」のイメージが強い。「沢鵟」という漢字からも水辺の鳥であることがうかがえる。
ちゃんとした湿地環境が無いといない鳥だが、逆に、ちゃんとした湿地環境があれば高確率でいる鳥でもある。

私は水鳥が大好きだが、水鳥が集まるようなところに行くと冬はよくこの鳥に出会う。
そしてあの独特の飛び方を堪能する。
ハイイロチュウヒのスピード感あふれる飛び方も好きだが、チュウヒのゆったりした飛び方もなかなか好き。

私が初めてチュウヒに出会ったのは、2007年の10月。
ちょうどその秋から猛禽類の識別に挑戦し始めていて、9月末にタカ渡りを観察にいった少しあとのことだった。
場所は大阪南港野鳥園。
エクリプスのわけわからん(当時はそう思った)カモたちに悩んでいたら、そいつらを見事に蹴散らしてくれた1羽の猛禽。
チュウヒの若い個体だった。

今まで見てきた猛禽類と明らかに違う飛び方に魅了されたのを覚えている。
V字に羽を反らして低くゆったりと飛ぶ様子をじっくり観察した。
猛禽類の識別は当時はまったく初心者で得意ではなかったが、チュウヒだけはすぐに識別できるようになった。


今まで各地で何度も見かけたチュウヒであるが、写真はというと・・・。
相変わらず、残念なこの1枚しか持っていません・・・。




チュウヒ@片野鴨池


飛んでいる鳥は私の機材ではなかなか撮れないので・・・。
まぁ、おりている鳥も私のスキルではなかなか撮れないのだけれども(汗)


チュウヒには、大陸型と呼ばれる黒っぽいタイプのが時折いる。
私は、渡良瀬遊水地で1回と、石垣島で1回出会っている。
特に、石垣島で出会ったのは印象的だった。
ジャングルの上空高くを滑空していて、普段のチュウヒと全く印象が違っていた。
いつもは遠くからでもすぐに識別できる鳥なのに、このときはチュウヒとわかるまでにかなり時間がかかった。
そもそも、沖縄にチュウヒというイメージもあまりなかったし・・・。
でも逆に、というかだからこそ、大陸型だったことは納得がいった。


愛すべき鳥チュウヒだが、最近減りつつあるようだ。
印旛沼でも、以前ほどチュウヒが見られなくなったように思う。
生息地も狭まってきているような気がしてならない。
よい水辺環境の象徴とも言えるこの鳥が減っていることは何とも残念に思う。


★★ チュウヒ ★★

個人的記録地点

・北海道 サロベツ原野、勇払原野、釧路湿原、濤沸湖
・宮城県 蕪栗沼
・栃木県 渡良瀬遊水地
・埼玉県 見沼
・茨城県 稲敷市
・千葉県 小見川、印旛沼、手賀沼
・東京都 葛西臨海公園
・石川県 片野鴨池、河北潟、木場潟、邑知潟
・滋賀県 長浜市
・大阪府 大阪南港野鳥園
・佐賀県 有明干拓
・長崎県 諫早干拓
・沖縄県 石垣島

ツツドリの思い出

2015-04-21 01:25:45 | 鳥の思い出
数日前、家の近所でツツドリの声を聞いた。
今季初認のツツドリ。
毎年、4月20日前後に家の近所で声を聞くことができる。

ツツドリといえば、国内繁殖する主な4種のトケン類のうちの1種。
ポポ、ポポという独特の声が印象に残る鳥で、枕草子にも確か登場する。
托卵生態についても興味深い研究がある鳥で、本土のツツドリは専らセンダイムシクイに托卵するが、北海道のツツドリはウグイスにも托卵するとされる。
これが北海道にホトトギスがほぼいないことと関係あるのかどうかも謎だし、托卵する側とされる側の関係性を探る上でも興味深いことでもある。

そんな注目の鳥ツツドリだが、お目にかかるにはなかなか苦労した。
今はそうでもないが、以前はトケンとの相性が非常に悪く、特にツツドリとの相性は劣悪だった。
5年ほど前までは、私の中ではツツドリは珍鳥の部類だったと言える。


私が初めてツツドリの声を聞いたのは、2008年の6月の高尾山だった。
大学のサークルのイベントで山頂で朝を迎えたとき、トラツグミ、ホトトギスに次いで鳴き始めたのがツツドリだった。
この鳥は、他に声が似ている鳥がいないので、初めて聞いてもツツドリだとすぐにわかったが、まったく姿が見えない。
結局、全く姿が見えないまま鳴きやんでしまった。

私が次にツツドリの声を聞いたのは同月の北海道。
いろいろな鳥たちがシャワーのように声を浴びせてくれる中にツツドリの声もあった。
このときの北海道旅行は、カッコウやコサメビタキ、ウミウなどの普通種に加えて、オジロワシ、マキノセンニュウ、エトピリカ、ケイマフリ、ツメナガセキレイなどの北海道らしい鳥、さらには本土では冬鳥のミツユビカモメやシノリガモ、アカエリカイツブリなど、実に25種以上の初見種が出た非常に充実した旅であったが、ツツドリはやはり声のみ。
私の中で「ツツドリ=珍しい」の図式が出来上がっていく。

ツツドリは、秋、街中の公園にもよく入る。
その秋も、各地の公園でツツドリの飛来の知らせを聞いたが、どうしても会えない。

2009年も、山中湖や奥胎内などでツツドリの声を聞いたが、姿は見ず。
同じく相性の悪かったホトトギスはようやく2009年7月に初見するも、ツツドリはまたもや次のシーズンにもちこされた。


私がついにツツドリを見ることができたのは2010年6月の山中湖だった。




ツツドリ@山中湖


そのときの個体がこの写真の個体である。
電線にとまってポポ、ポポと鳴いていたのだ。
今まで、ツツドリが電線で鳴いているのを見たのはこの1回だけ。意外に貴重な経験なのではないかと思う。


その後は、時折見かけるようになる。
高尾山でも北海道でも、鳴いているところをがんばって探せばなんとか見つけることができた。

そして、街中の公園でも2012年9月、ようやくツツドリの姿をとらえることができた。




ツツドリ@葛西臨海公園


おそらく、ほかの鳥屋さんたちはもっと簡単にツツドリに出会えていることだろう。
秋になるとツツドリの写真があちこちのブログに登場する。
その一方で、私は上記の2枚の写真しか撮ったことがないほど、ツツドリに恵まれていない。

初心者でもあっさりと会える人もいるような鳥なのに。探し方が悪いのだろうか?
きっと今までかなり見落としてきたにちがいない。
次はもっと近距離でしっかり観察したいものだ。



★★ ツツドリ ★★

個人的記録地点

・北海道 苫小牧、千歳、釧路、霧多布
・東京都 高尾山、葛西臨海公園
・新潟県 奥胎内、松之山
・山梨県 山中湖
・富山県 立山
・石川県 小松市、白山市
・滋賀県 伊吹山
・大阪府 大阪南港野鳥園
・和歌山県 和歌山市、高野山、中辺路町

ルリビタキの思い出

2014-03-15 02:46:51 | 鳥の思い出
今年、ジョウビタキは全く見かけないが、ルリビタキはそこそこ家の近所で見かける。
独特のグググッ、グググッという声のほか、ヒッ、ヒッという声もよく耳にする。

ルリビタキは非常に愛想の良い鳥だ。
むこうは決して愛想をふりまいているわけではないのだろうが、見やすい場所によく出てきてくれる。
こちらが鳴き真似をするとすぐに反応して、近づいてくる。
良い感じの枝にとまって、鳴きながら尾羽をぴくぴくさせてくれるので、非常にかわいい。
いつも近い距離でじっくりと観察させてくれる。

私が初めてルリビタキを見た場所は、おそらく明治神宮である。
ルリビタキは都心の公園でも場所によってはごく普通に見られる。
ただし、少し木々の茂った場所が好みのようだ。




ルリビタキ@三四郎池


さて、このルリビタキ、「ルリ」という名前の通り、♂の成鳥は鮮やかな青色である。
その美しさゆえ、野鳥カメラマンには大人気の鳥だ。

しかし、♀および♂の若鳥はあまり青くない。そして、出会う頻度は圧倒的に青くないルリビの方が(私は)多い!!


私は、初見から26羽連続でルリビは青くなく、本当にルリビタキって青い鳥なのかと疑ったほどである。
神奈川県宮ヶ瀬にてようやく27羽目で青いルリビに出会うが、このときも同行した友人は何度も見かけるのに私はなかなか青いのに会えなかった。

あるとき高尾山でルリビを10以上見かけたことがあったが、このときもすべて青くなかった。
今年に入って家の近所や孟子で見かけたルリビも、すべて青くない方。
北海道でもルリビはそれなりに見かけたが、青いのは見ていない。

ひどいのは飛島。ルリビタキがまとまって入っていた日があり、ちょくちょく見かけたがすべて青くない。
この日は友人のバードウォッチャーと一緒に探してまわっていたが、見たルリビはすべて青くなかった。
しかし、その友人によると、先に宿に戻ると言って私と別行動をした10分ほどの間にだけ、青いルリビを何羽も見かけたらしい。
私は友人が通った道をその10分後くらいに通っているが、1羽も青いルリビは見かけていない・・・。


個人的記録地点も以下の通り。ルリビタキ自体はあちこちで見かけているが、青いのとなると・・・。


★★ ルリビタキ ★★

個人的記録地点

・北海道 霧多布、知床
・山形県 飛島
・千葉県 印旛沼
・埼玉県 秋ヶ瀬公園
・東京都 明治神宮、三四郎池、高尾山
・神奈川県 宮ヶ瀬ダム、舞岡公園
・石川県 白山市、舳倉島 
・富山県 立山
・長野県 八ヶ岳
・山梨県 三国山、富士山
・大阪府 大阪南港野鳥園
・和歌山県 和歌山市、孟子、和泉葛城山


★★ 青いルリビタキ ★★

個人的記録地点

・東京都 明治神宮
・神奈川県 宮ヶ瀬ダム
・山梨県 富士山
・和歌山県 和泉葛城山



・・・・・結論!  ルリビタキは青くない(笑)!!
ルリビタキが青いなんて認めないぞ!

ケリの思い出

2014-03-09 23:11:27 | 鳥の思い出
和歌山市内では、まとまった水田のある場所ではたいていケリを見ることができる。
私は、大学にいる間、関東の水田でシギ・チドリ類の調査をしていたが、やはり明らかに関西よりケリの数は少なかった。

ケリは国内で繁殖する数少ないシギ・チドリ類の1種だが、なかなか謎な国内分布をしている。
近畿から中部にかけてはかなり個体数が多く、ごく普通に見られる。しかし、中国、四国、九州では越冬期に少数が見られるだけという。
関東や東北には広大な水田地帯が存在するが、個体数はおそらく多くない。

では、中国、四国、九州の水田ではケリは繁殖できないのかというと、おそらくそういうことはないだろう。普通にできるはずだ。近畿の水田とそんなに環境が大きく違うとは思えない。
関東や東北で多くない理由も特に思い当たらない。生息地である水田は関東や東北の方が多く、また、他のシギ・チドリ類は関東や東北の水田をごく普通に利用する。

近畿から中部にかけての地域に数が多い理由はさっぱりわからない。
環境条件から個体数をうまく説明できていないのだ。


ケリという名前は、鳴き声に由来する。
和歌山では、繁殖期に水田に行くと、ケリの雛を時折見ることができる。
雛に人やトビ、カラスなどが近づくと、親鳥はケリケリ鳴きながらつっかかってくる。
シギチの中ではかなり気が強いほうだろう。

その気の強さに加えて、目つきも悪いため、あまりかわいい鳥という印象を受けない。
シギチの仲間はほとんどが暗色の虹彩を持つため、くりくりした大きな目が目立って、愛らしい印象を受ける。
その中で、ケリだけは虹彩が暗色ではなく、くちばしも妙に目立つ色なのでけばけばしい感じがする。
正直、日本のシギ・チドリ類の中で唯一かわいいとは思えない鳥である。
まぁ、幼鳥は虹彩が暗色でちょっとかわいいが(雛は無条件でかわいい)・・・。


私が初めてケリに出会ったのは、2007年12月の印旛沼である。
当時、私はケリという鳥の存在を知らず、最初見たとき何の鳥かまったくわからなかった。この鳥は特に他に似ている鳥はいないのだが・・・。
飛んだ時に急に翼の白が浮き立って見えたのが印象に残っている。このときも確かケリケリ鳴いていた。

その後、地元和歌山にも普通にいることに気づいた。
この鳥は目立つ鳥なので、電車や車の車窓から見かける機会も非常に多い。JR阪和線に乗るとかなりの確率で車窓から見ることができる。




ケリ@和歌山市



最近では見慣れて、見かけても感動はほとんど無くなってしまったが、個体数の少ない場所で会うとやはり印象に残る。
特に印象に残ったのは、鹿児島県加治木町の干潟にいた個体。
クロツラヘラサギやヘラサギ、カツオドリなどの九州ならではの鳥が見られたこの地で、逆に九州らしくないケリは目立つ存在だった。
いや、普通にただ単にケリが目立つ鳥だからかもしれないが・・・。
でも妙に印象に残っていることは確かだ。


全国的に水田の生物が減少していると言われるが、ケリはどうなのだろう?
たいしてかわいくないうるさい鳥だが、見かけないとさびしいので、それはなしにしてほしい。
また近々お目にかかることになるだろう。

★★ ケリ ★★

個人的記録地点

・群馬道 板倉町
・千葉県 印旛沼周辺、流山市
・石川県 小松市 
・三重県 松阪市
・和歌山県 和歌山市内各地、御坊市
・滋賀県 湖北
・京都府 嵐山周辺、巨椋干拓
・大阪府 泉南市、泉佐野市
・鹿児島県 加治木町