柿の木
残った柿の実と
夕陽が いつもより長く
話し込んでいる
冷たい風が
吹いているから
話が揺れているのが分かる
一本の柿の木
と 夕陽が
一対になると秋は終わる
畑の野菜の収穫は終わった
夏のお天気で
野菜が高騰している
そんなことも
話の間に織り交ぜながら
残り少ない柿の実に
夕陽が沈むと表現したのは
柿の想い
この時期になると
柿は詩人のような言葉を呟く
落下する一瞬なのだが
畑の中にある柿の木
全ての実が落ちると
夕陽は遠回りするしかない
話し相手がいなくなるから
急ぎ足になる夕陽
あっという間に夜になる