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駆け出しの弁護士が思いつきで書くブログです

弁護士業務について①

2016-09-03 01:57:34 | 弁護士業務
まずは私の仕事内容の話題から始めようかなと思います。

私が今所属している事務所は、都内の企業法務を中心に扱う事務所です。
とはいえ、四大事務所のように常日頃ド派手な仕事をしているわけではありません。

企業法務とは、文字通り企業のクライアントを相手にする業務で(あまり説明になっていなくてすみません)、企業の活動に伴う法律問題の相談をメインに扱っています。

主な相談内容としては、やはり会社法に関わることが多いです。私の場合、取締役会や株主総会などの「機関」に関する相談が多いですが、設立やM&Aなどの組織再編がらみの仕事も少なからずあったりします。また、受験時代はひたすら影の薄かった「計算」に関する相談もそれなりにあります。

企業のお客さんを相手にするなら会社法の知識はほとんど必須になると思います。
ちなみに修習中はほとんど会社法の知識を使うことはないので、司法試験以来実務につくまで約1年半会社法の条文を開かない、というのが修習あるあるのひとつです(私もご多分に漏れない一人だったのですが、昔取った杵柄のごとく、実務で使っていくうちに受験時代の感覚を取り戻していけるので何とかなります笑)。

ただ、企業の法務部の方もそれなりに会社法の基本を理解されている方が多いので、実際のところ法律事務所への相談内容は、会社法の教科書に書いていないニッチな論点に関するものがほとんどだと思います。むしろ、教科書を読んでもわからないことを答えることに弁護士の付加価値があると言っても良いかもしれません。

このような場合どのように対応するかというと、事務所にある文献を片っ端から読み漁り、判例をしらみつぶしに調べるという地道な作業しかありません。司法試験やローの試験ですと、「~説によるとこの条文の趣旨は〇〇であるから、××と解される。」といった自己完結的な解釈が大いに許容されるものと思いますし、私自身仕事を始める前は、てっきり弁護士業務もその延長だろうぐらいに思っていました。
しかし、実務の現場では(少なくとも私の職場では)徹底的な裏付け作業が求められます(しかも、クライアントは期限を指定してくるので、探せど探せど手がかりが見つからない場合は冷や汗をかきながら必死に頑張ることになります笑)。

企業にリスクを取らせないために、「相場感」からずれない一般的・普遍的な法解釈をお伝えするというのはある意味当然のことかもしれませんが、弁護士業務の基本はそういった地道な作業の繰り返しであるというのは、私が弁護士になって初めて気づいたことでもあります。

実務に携わってまだ8か月ほどですが、リサーチを重ねていくうちにある程度容量もつかんできて、ようやく「これだったらあの本を調べれば大体書いてあるな」ぐらいの目星をつけられるようになってきたところです。
ちなみに、著名な弁護士の方や大手法律事務所が書いている実務書はそれなりに情報量もあり役に立ちますが、肝心要の情報は書かれていないことが多いです。
やはり重要なノウハウについては簡単に手の内を見せてくれないのだなと思います。


長くなってしまったので、その他の業務については別の機会に書くことにします。

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