前回からの続きになります。
(3) 集合修習
ある程度自由度が与えられた実務修習に比べ、集合修習は短期間で色々と詰め込まれます。
この修習の主な目的は、二回試験に向けた起案スキルの向上ということになります(起案のポイントについては別途詳述します)。
各科目2回ずつ、計10回の起案を丸一日かけて行うのと、その解説も各回丸一日かけて行われるので、日々のほとんどが起案に費やされます。修習後半になってくると、頭と利き腕の疲労を顕著に感じるようになります。
また、各科目の起案は1回目と2回目とで出題傾向が変わるものもあり、1回目の起案の失敗を活かして2回目に臨む、といった悠長なことはできません。
起案のほかにも、民事・刑事それぞれの模擬裁判や演習の準備もあり、スケジュールとしては非常にタイトなものになります。集合修習中に改めて要件事実を見直すなどの余裕はないため、裁判官志望で起案で優秀な成績を採ることが至上命題とされているような人は、分野別実務修習の段階から準備しておきましょう。
なお、二回試験との関係で付言すれば、集合修習中の起案成績が悪くても、二回試験で落ちるのは別の原因だったりするので、あまり心配しすぎることはありません。逆に考えすぎてしまうと解答があらぬ方向に向かったりするので、よくなかった点を冷静に分析し、次から気を付けるか~ぐらいの気楽な気持ちでいた方が良いと思います。
研修所に併設された寮に入寮している人はともかく、私は通所していたので、しょっちゅう遅れる電車とバスに揺られるというストレスフルな毎日が続きました。
また、昼食も弁護修習とのギャップがひどく、一時はカロリーメイトの方がおいしく感じる時期もありました。
(4) 選択型実務修習
二回試験開始までの1か月半ほどの期間、分野別実務修習の内容を補うことを目的として実務修習地の裁判所・検察庁・弁護士会にて各カリキュラムが設けられる他、自分でアポを採って一般企業に研修に行ったり、過疎地の事務所で研修を受けたりする機会が与えられます。
修習生は興味のあるカリキュラムを選択し、自分でスケジュールを自由に組むことができますが、人気のあるものは抽選になることもあります。
私は、裁判所の民事通常部での追加修習を2週間行いました。集合修習も経て事実認定能力に磨きがかかっていたということもあり、分野別修習の時よりも、より的確に事案を分析することができるようになっており、自分の成長を実感しました。
また、二回試験の直前期に裁判官からダメ押し的に起案のレクチャーを受け、そこそこの評価を得ることができ、例年不合格者が一番多い民事裁判起案に対する不安がなくなったことも、精神的にはすごく大きかったです。
何も予定を入れない場合は、弁護修習の配属先での修習になりますが、直前期ということで何かと気を遣われることが多いです(ちなみに、私の指導担当はそういう気遣いが苦手らしく、二回試験に関係のない課題をバンバン私に振ってきました笑)。
二回試験の成績が重要になる任官志望者の中には、選択型カリキュラムをあまり入れずに弁護修習先での自習に費やすという邪な考えの人もいたようですが(もちろんそのような背信的行為は禁止されています。)、自習でカバーできることは実はそれほどないですし、むしろ実務の感覚を養っていた方が試験対策としても良いような気もします。
(5) 二回試験
修習の締めくくりにして一番の山場です。
内容については追って書きたいと思います。
4.修習中の就職活動について
修習生活の中でも気になるのが就職活動かと思います。
以下の内容はあくまで修習生内の噂と私独自の見解に基づくものですでご注意ください。
(1) 裁判官
導入修習の段階から、裁判官に興味のある人は教官との面接の機会が設けられています。
正式に採用活動が始まるのは実務修習中だったと記憶していますが、司法試験の成績上位者や、分野別実務修習中の起案成績が良い人には、教官から水面下で働きかけがあるとの噂も聞きます。
もちろん、お声がかからないからと言って裁判官になれないわけではなく、門戸は想像よりも広いと思います。司法試験の成績や、分野別実務修習中の起案成績が重視されるようですが、私の知る限り絶対的な基準というわけでもないようです。
私の周りでは、学歴・年齢・性別関係なく、幅広い人材が採用されていきました。
(2) 検察官
検察官のリクルートでは、検察実務修習中の取調べ等の課題の出来や、実務修習中の起案成績が重視されるという話を聞きますが、個人的な印象では熱意のある人が歓迎される気がします。
そもそも、検察組織の雰囲気に合う人という向き不向きの問題もあるかと思われます。
他方で、学歴・年齢・性別ではじかれることはないと思いますので、やる気さえあれば誰にでもチャンスはあります。
検察実務修習中に志望者が集められ、面談が開かれていましたので、進路として考える方は実務修習で積極的にアピールしましょう。
(3) 弁護士
大手や中堅事務所では修習開始前から採用活動が始まり、修習開始時には既に内定を持っている人も少なくありません。
修習地が地方になってしまった人は、東京や大阪などの大都市まで就活に向かうのはかなりの負担となります。
修習前に内定を取れるに越したことがありませんが、取れなくても焦る必要はなく、修習開始後年が明けてからも募集はありますし、実務修習地の弁護士会に気に入られてその場で就職する人もいます。
修習でお世話になった先生からの紹介で就職が決まることもあるみたいなので、修習では人脈を広げておくことが大事かもしれません。
(3) 集合修習
ある程度自由度が与えられた実務修習に比べ、集合修習は短期間で色々と詰め込まれます。
この修習の主な目的は、二回試験に向けた起案スキルの向上ということになります(起案のポイントについては別途詳述します)。
各科目2回ずつ、計10回の起案を丸一日かけて行うのと、その解説も各回丸一日かけて行われるので、日々のほとんどが起案に費やされます。修習後半になってくると、頭と利き腕の疲労を顕著に感じるようになります。
また、各科目の起案は1回目と2回目とで出題傾向が変わるものもあり、1回目の起案の失敗を活かして2回目に臨む、といった悠長なことはできません。
起案のほかにも、民事・刑事それぞれの模擬裁判や演習の準備もあり、スケジュールとしては非常にタイトなものになります。集合修習中に改めて要件事実を見直すなどの余裕はないため、裁判官志望で起案で優秀な成績を採ることが至上命題とされているような人は、分野別実務修習の段階から準備しておきましょう。
なお、二回試験との関係で付言すれば、集合修習中の起案成績が悪くても、二回試験で落ちるのは別の原因だったりするので、あまり心配しすぎることはありません。逆に考えすぎてしまうと解答があらぬ方向に向かったりするので、よくなかった点を冷静に分析し、次から気を付けるか~ぐらいの気楽な気持ちでいた方が良いと思います。
研修所に併設された寮に入寮している人はともかく、私は通所していたので、しょっちゅう遅れる電車とバスに揺られるというストレスフルな毎日が続きました。
また、昼食も弁護修習とのギャップがひどく、一時はカロリーメイトの方がおいしく感じる時期もありました。
(4) 選択型実務修習
二回試験開始までの1か月半ほどの期間、分野別実務修習の内容を補うことを目的として実務修習地の裁判所・検察庁・弁護士会にて各カリキュラムが設けられる他、自分でアポを採って一般企業に研修に行ったり、過疎地の事務所で研修を受けたりする機会が与えられます。
修習生は興味のあるカリキュラムを選択し、自分でスケジュールを自由に組むことができますが、人気のあるものは抽選になることもあります。
私は、裁判所の民事通常部での追加修習を2週間行いました。集合修習も経て事実認定能力に磨きがかかっていたということもあり、分野別修習の時よりも、より的確に事案を分析することができるようになっており、自分の成長を実感しました。
また、二回試験の直前期に裁判官からダメ押し的に起案のレクチャーを受け、そこそこの評価を得ることができ、例年不合格者が一番多い民事裁判起案に対する不安がなくなったことも、精神的にはすごく大きかったです。
何も予定を入れない場合は、弁護修習の配属先での修習になりますが、直前期ということで何かと気を遣われることが多いです(ちなみに、私の指導担当はそういう気遣いが苦手らしく、二回試験に関係のない課題をバンバン私に振ってきました笑)。
二回試験の成績が重要になる任官志望者の中には、選択型カリキュラムをあまり入れずに弁護修習先での自習に費やすという邪な考えの人もいたようですが(もちろんそのような背信的行為は禁止されています。)、自習でカバーできることは実はそれほどないですし、むしろ実務の感覚を養っていた方が試験対策としても良いような気もします。
(5) 二回試験
修習の締めくくりにして一番の山場です。
内容については追って書きたいと思います。
4.修習中の就職活動について
修習生活の中でも気になるのが就職活動かと思います。
以下の内容はあくまで修習生内の噂と私独自の見解に基づくものですでご注意ください。
(1) 裁判官
導入修習の段階から、裁判官に興味のある人は教官との面接の機会が設けられています。
正式に採用活動が始まるのは実務修習中だったと記憶していますが、司法試験の成績上位者や、分野別実務修習中の起案成績が良い人には、教官から水面下で働きかけがあるとの噂も聞きます。
もちろん、お声がかからないからと言って裁判官になれないわけではなく、門戸は想像よりも広いと思います。司法試験の成績や、分野別実務修習中の起案成績が重視されるようですが、私の知る限り絶対的な基準というわけでもないようです。
私の周りでは、学歴・年齢・性別関係なく、幅広い人材が採用されていきました。
(2) 検察官
検察官のリクルートでは、検察実務修習中の取調べ等の課題の出来や、実務修習中の起案成績が重視されるという話を聞きますが、個人的な印象では熱意のある人が歓迎される気がします。
そもそも、検察組織の雰囲気に合う人という向き不向きの問題もあるかと思われます。
他方で、学歴・年齢・性別ではじかれることはないと思いますので、やる気さえあれば誰にでもチャンスはあります。
検察実務修習中に志望者が集められ、面談が開かれていましたので、進路として考える方は実務修習で積極的にアピールしましょう。
(3) 弁護士
大手や中堅事務所では修習開始前から採用活動が始まり、修習開始時には既に内定を持っている人も少なくありません。
修習地が地方になってしまった人は、東京や大阪などの大都市まで就活に向かうのはかなりの負担となります。
修習前に内定を取れるに越したことがありませんが、取れなくても焦る必要はなく、修習開始後年が明けてからも募集はありますし、実務修習地の弁護士会に気に入られてその場で就職する人もいます。
修習でお世話になった先生からの紹介で就職が決まることもあるみたいなので、修習では人脈を広げておくことが大事かもしれません。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます