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撮影・Shigemi TakamatsuのLIVE映像の紹介 from 10/Apr'06

映画/さくらん

2007-04-01 | 映画

<映画評>
私と25年以上もコンビを組んでいる
「ドキュメンタリーの仕事」(フイルムアート社)の著者 横田安正氏 評

若い女性アーティストたちが結集して作った映画だけあって館内は若い女性客で満員、ムンムンする雰囲気でした。吉原遊郭の世界をきんきんぎらぎらの原色で描いてみせたのは大演出家蜷川幸雄の娘で売れっ子のカメラマン蜷川実花。原作はコミックの安野モヨコ、脚本は映画監督のタナダユキ、音楽は椎名林檎、主演は土屋アンナ、時代劇の約束事などは見事に蹴っ飛ばした、何でもありの痛快作です。
 ほとんどの人は眉をひそめ「何だこりゃあああ」ということでしょうが、私はそれなりにエンジョイしました。1番良かったのは新人監督の蜷川実花が変に専門家ぶらず、自分をありのままに出したことです。往々にして映画監督は第一作を撮るとき「馬鹿にされたくない」という思いから変に老成したテクニックを使ったり、職人ぶりを示そうと躍起になるものです。しかし実花は良くいえば「力強く新鮮」、悪くいえば「青臭くヘタクソ」です。思い切りヘタクソで青臭さに徹したのが実に素晴らしい。(父親の蜷川幸雄も「わらう伊衛門」など映画を撮っていますが、やはり娘よりははるかにうまいものです)

満員の若い女性客を満足させたのか?これはイマイチでしたね。技術的にいうと大団円にもってゆく最後の10分間の間(ま)がギクシャクしてうまくいっていません。脚本、演出両面でもう1工夫していたら全観客が満足したことでしょう。
主演の遊女から花魁にのし上る遊郭の女を演じた土屋アンナは彼女のためにこの映画が企画されたというのも頷ける怪(快)演、遊郭の店番を演ずる安藤政信の水もしたたる「いい男ぶり」と見所いっぱい、観て損はしませんよ。(横田安正)

さくらん ~花魁音楽画巻~

角川エンタテインメント

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