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ゆったり山登り

北海道で暮らす自然が好きで、山登りやカヌーを楽しんでいるのんびり者です。
日々の自然や人との触合いを書いて行きます。

中道派な筈が?

2012-11-18 15:08:42 | 感想
先月末に借りていた本を図書館に返しに行きました。私はここの所アルバイトが忙しくて読書欲が湧きませんでしたので借りずに帰ろうと思っていました。ですが何もないのも寂しいので「はじめてのデッサン」と言う本を選んでもう一冊くらいはと探して見ました。
そこで目に付いたのが櫻井よしこさんの本でした。
ここのところ領土問題等で気持ちが苛ついていたので鬱憤晴らしに丁度良いかと思いました。

題名が「甦れ、日本」とあり、何だか何処かの政党が名付けそうな題ではありましたが元気が出そうに思えました。
この本は週刊ダイヤモンドに掲載されたコラムを纏めたものでした。
当然、彼女のことですから過激な右翼的発言爆発の本であろうとは思っていましたが…
中国や韓国との領土問題は勿論のことしっかりと書いてありましたがそれと同時に前野田総理のことにも数カ所触れていました。

そこにはマスコミや評論家達が論評しない野田総理の実績を幾つか書いてありました。
数ヶ月前迄のものでしたので国会の衆議員解散に関しては触れていませんでしたが常日頃、私が感じていたことと同じ事を書いていました。
まず、日中首脳会談で日本の立場を明確に表明した事への評価。今までの総理大臣で明白に発言した大臣はいなかったのに。
それからTPP参加への表明。色々な考え方はあるだろうが立場を明確にしたことに対する評価。
それに武器輸出三原則の緩和、これは如何にも櫻井氏らしい理由によるがやはり一理ある評価ではある。

前野田総理は案外石原氏にかなり近い考えなのかも知れない。
私が一番評価するのは考えを明白にしてぶれないことが今、一番必要なことだと考えている。自民党時代のように政権を取ってから何をやっても良い見たいな考えはもううんざりしているし、自身の実力をわきまえずに美味しい話だけを掲げた民主党にもがっかり感があった。その点、嫌なことも掲げて実行に努力した前野田総理の対応は信用するに値する。幸い、反対勢力や日和見的な人間が離党したので分かりやすくなって良かったと思っている。序でに早い所鳩山さんも出て行くと良いのだが。

こんな事を言っている私はいつの間にか右翼になっていまったのだろうかと不安になってしまう。しかし、櫻井氏はまっとうなことを言っていると思うのだから仕方がない。

「マルセル」 樹のぶ子

2012-09-25 16:43:33 | 感想
実は私は氏のことを知りませんでした。普段如何に文学作品を読んでいないかを再認識しました。
「マルセル」を読んで何故今なのだろうかと疑問に思い氏の経歴を調べてみるとなんと芥川賞等の純文学の賞を沢山取られている方と知りました。
たまたまロートレックの「マルセル」の盗難を題材にした推理小説と思い読んでみました。
氏の年代が私より少しだけ上でして正にこの事件が起きた年は青春のただ中にありました。ですから氏に取っても特別な事件であったのでしょう。それにこの年、1968年は3億円の事件があり年明けには東大の安田講堂の攻防がありました。ですからこの盗難事件は私の記憶から忘れ去られていました。
この事件を振り返りますと改めて不思議な事件だったことを知りました。氏はずっと暖めていた題材だったのではないかと思いました。
この年の12月27日に京都国立美術館からロートレック作「マルセル」一枚だけが盗まれます。そして近くの駐車場から額だけが見つかり事件は犯人が分からないまま1975年に時効となります。この時に価格的にはまだ高い作品もある中で「マルセル」だけを盗んだのは熱狂的な愛好者であろうと思われていました。そして1976年会社員の方が預かっていたとして新聞社に「マルセル」を持ってきました。警察が預けた人物を訊ねたが答えないままで犯人の特定は出来ずに終った事件でした。

物語はこの犯人を贋作製作の結社が仕組んだ盗難事件として主人公の女性新聞記者に絡めて物語が進行していきます。物語が次々と意外な展開で読者を引きつけていく筆力には流石と思わされた。作中、主人公が独身女性の複雑な心理を丁寧に説明しているところなどは女性作家の面目躍如と言った感じで私は大いに参考にしたいと思った。

以前に「モナリザ」も盗難にあって返って来たことがあったと思います。題名は忘れましたがこの事を題材にした映画でやはり犯人は贋作を売り捌く為に盗みその間に何点も売り捌いたというストーリーだったと思います。

アイヌは原日本人か

2012-08-03 09:22:50 | 感想
 私はここの所、アイヌのことを勉強しています。
何故、今頃になってとの思うでしょうが、時間が自由になったことと数年前にアイヌは縄文人であるとの学説が通説になっていることを知ったからでした。私が少し興味を持って勉強した40年前には謎とされていました。

関係書を適当に読みあさっていて梅原猛氏の説などがあることをしったのですが敢えて書籍を読むこともしないままでいました。
今回の旅で札幌のアイヌ文化交流館の書籍コーナーで何点かの書籍を書き控えてきて地元の図書館で借りてきてその一冊を読み終えたところです。

その本の表題が「アイヌは原日本人か」埴原和郎氏と梅原猛氏の対談を載せた本でした。
そして、実はこの本が出版されたのが1993年で今から30年も前の話でした。それを今頃になって読んで感心している私に嫌気がさしそうになるのですがこれは私個人の成長のテンポでありますから世の中の動きにどれ程遅れようと構わないのだと無理に納得しています。
内容はと言いますと梅原氏が質問をすることに埴原氏が答えるという進行方法を取っています。
埴原氏は自然人類学者でしてどんな事をするかと言いますと簡単に言いますと人骨や歯等の数値を科学的に解析して時代、地域ごとに分別するという内容のようです。済みません、私自身が良く理解していない中で説明ですからその辺は察して下さい。

その内容で大まかな所だけを書きますが旧石器人が大陸から氷河期の3万年ほど前に陸続きの日本に渡ってきたそうです。その体型は小さかったようです。骨のサンプルが少ないので確証は持てないそうですが。それと縄文人の体型はまた違っているそうです。
東アジアの人種を旧モンゴロイドと新モンゴロイドに分けられるそうで新は寒冷に適応した種族だそうです。そして縄文人は旧の方で日本全国にいたようです。それが弥生時代になると恐らく朝鮮経由で新モンゴロイドが北九州に入り瀬戸内海から近畿地方に広がったと見ています。その他の地には蝦夷と呼ばれる人種や隼人と呼ばれる人種がいましたがこれらの人達は正に縄文人でありました。

中で良く使われていた用語に「小進化」というのがあります。学術用語ですがこれが私を納得させてくれたので書いておこうと思いました。種族が違っていて体型などが違っているのは当然ですがそれが同じでも時代を経たり地区が別れたり、血が混ざり合ったりして変わっていくものなのだそうです。それが思っているほどに長い時間で無くとも変わるもののようです。例えば戦後、日本人の身長や容姿が大きく変わりました。たった、50年程です。そのがもっと長いスパンとなればどれだけ変わろうと不思議はないのです。
ですから同じ道内のアイヌでも南と北では骨の形も変わっているそうです。まして本州の蝦夷と呼ばれた縄文人とも。
ただ、海を挟んだ北海道のアイヌは独自は小進化をしました。

そうなると縄文人の性格がより濃く残っているのがアイヌ人と言うことになります。日本人に代表される礼儀正しく和を大切にする性格は実に縄文時代からの習慣だったことが分かります。そしてユーカラにはそのような人達が沢山出てきます。
何時も戦争で勝っても和人に騙されて殺されるアイヌ人気質は今も変わりません。この気質が脈々と日本に受け継がれていて真の民主主義に辿り着けないなのだと思っています。欧米のように戦いの中から生まれた民主主義というのはもっと厳しいものだと思います。結果に対して責任をしっかりと追及するのが本来の姿なのでしょう。どんなに他からの血が入ってもまだ2千年程度しか経ていない日本人は何万年を経た縄文人の気質からは逃れられないのです。
しかし、私はこの気質を愛しています。この部分を残しながら複雑怪奇な国際政治の世界を乗り切って欲しいと切に願っています。

やっぱり

2012-06-02 06:39:16 | 感想
 高橋克彦氏は私の大好きな作家でして私の浮世絵集めも氏の影響でした。
その浮世絵を題材にした謎解き小説の中でも塔馬双太郎が活躍するシリーズが大好きです。
最近の作品ではドールシリーズが気に入っていまして早く続編が出る事を願っています。

 話を戻しますが昨夜9時からUHBで「後醍醐天皇殺人事件」を放映することを知り大いに期待しました。
結果、やっぱりでした。
何故あんなに軽い人物にしたのか意味が分からない。原作ではわざわざ対照的に軽い人物として友人の作家を登場させているのに…

原作ではどの分野にも対応できる天才学者となっている。そして何時も沈着な判断で事件を解決していくのである。
やはり若者の受け狙った軽い判断なのかもしれない。原作を読んでなければそれでよいのかもしれないが…
俳優さんがシリアスな演技を得意としている方なので尚更残念な思いがした。

答えはなかった。

2012-05-30 17:22:56 | 感想
 今、PCを立ち上げて何気に画面を見ていたらWindows7と出てきた。
勿論、ソフトの名前であるがこの7を見て思いだした。

昨日で4週目になるがHBCテレビで火曜日の9時から良質の推理ドラマと銘打って宮部みゆき氏の作品を放映していた。
氏の作品はどれもが一ひねりありとても好きであったので毎週楽しく視聴していた。
テレビも原作を忠実に表現していて嬉しかった。

そこでなんでこの話になったかと言えば昨日の作品は「レベル7」と言う題名であったからだ。
話はレベル7とは何かが謎の間々進行して最後に謎が解明すると同時に私達に解けない謎を投げかけられるのである。

ストーリーは省かせて頂いて本題であるレベル7が何であるかを書いてみます。
これに到達した人手首の内側にこの文字の入れ墨をされる。
これは或地方の医療医院の院長が開発した薬品を投与された患者にされるものである。

何故それをしたかと言うとこのままでは日本は年寄りばかりになって大変なことになると考えた院長が安楽死の良薬を開発した。
これを良薬と書くには抵抗があるが勘弁願いたい。この院長はそう考えたからだ。
そして入院を希望する年寄り達の承諾を得て身内にも会わせない仕組みになっている。

此処まで書けば賢明な皆さんはこの話の元ネタに気付いたと思う。
多分間違ってはいないと思う。特に本人は説明していないが…

それは「楢山節考」ではないかと思う。
作品としてハッピーエンドになってはいるが答えがある訳では無い。
どうすれば良いかはこれからみんなで答えを探し出すしかないのである。

個人的にどうするかと聞かれれば子供の為に山に捨てられる覚悟をするのが何時の時代でも親は同じ考えをするであろう。
では社会としてどうするかとなると答えはない。
社会福祉はお金で解決すると政府が思っているうちは解決の方法は見つからないと私は思っている。
矢張り答えは「楢山節考」にあるのではないか。
宮部氏はそれを言いたかったのではないかと考える。