人生には沢山の節目があります。
昨今話題になっているジャニーズの人気グループのメンバーが起こした事件のことを、自分なりに考えておりました。
今回の事に限らず、芸能界などの有名人の方が起こす事件は少なからずありますし、芸能人だから調子に乗っているんだろう、と一蹴していましたが、あのグループも本人も好きな部類の皆さんでしたし、テレビ番組も楽しみに観ていたので、残念な想いで一杯でした。
話は全く違うのですが、私は自分の病気が発覚した時、そしていまだに、これが夢であってほしいと思い続けていました。
病気は生活習慣でも引き起こされるものですが、運命でもあります。私の場合は理不尽な運命だと思っていました。
生かされた後、思うように行かない体調に苦しみ、精神的な葛藤もありました。
悔しくて辛くて、神様は不公平だと恨んだりしましたが、最終的にはこの事を神様のギフトだと受け取り、正確には受け取るように自分を丸め込んで、生きてまいりました。正直今だって病気さえしなければという想いが一ミリもない訳ではありません。
今回の彼の場合は、それとは違い、今回の事件を起こす前に、「飲酒」について向き合う事は出来たはずだと思います。
真実は当事者しか知らない事ですから、ここで書くことは報道から受け取って感じた事で、あくまで個人の感想です。
そして、彼を擁護する気持ちは全くないので、忖度しながら読んでいただければありがたいです。
聞くところによると彼はその時、酒に関する問題で入院し、退院したその日だったそうです。
退院し一人ぼっちの部屋で、またもお酒を飲んでしまった彼のこころの闇。
私はもともと酒飲みの部類です。気が付いたら家で寝ていて、生き物の帰巣本能をいうものを実感したこともあります。
嬉しい時も淋しい時も、なんにもない時も、お酒好きな方ならわかると思いますが、飲んじゃいます。
酒は飲んでも飲まれるな、という言葉をよく聞きますが、節度を持って、お酒を楽しむことは何も悪い事ではありませんし。
ただ、今回の彼の場合、入院までする状況であったにもかかわらず、またも飲んで、そしてやらかしてしまった。
彼は当初この事が夢であってほしい、と思った事でしょう。自分でやらかしたにもかかわらず。
それまでにも、ちょこちょこお酒に関して問題は起こしていたようですが、最終的にここまでの事件に至ってしまった。
彼は、恵まれた容姿や才能を持ち、そしてもちろんとても努力もされてここまで来られたはず。
そこまでになりたくてもなれない人の方が多いのに。
若い頃から芸能界で色々な経験をされて、沢山の事を学び、ファンに夢を与えて来られた。
この言葉は嫌いですが、いわゆる「勝ち組」ではないですか。そんな彼のこころの闇は、単なるこころの弱さでしょうか。
言葉というのはとても難しく、何を言っても解釈は人それぞれなのですが、もしも人を二種類に分けるとしたら、私と彼は同じ種類だと感じるんです。これは、この場にふさわしくない表現ですが、自分のこころの弱さは自覚しています。
そして、それが「甘さ」でもある事も。
昨日、他のメンバーの皆さんの記者会見をみましたが、それに対しても沢山のコメントがありました。
テレビのコメンテーターのおひとりが、もし親ならこんな会見を見たら嫌悪感しかない、とおっしゃっていました。
そのような方は、だんまりを決め込んでも批判するし、何をやっても非難すると思うし、逆に言えば、当事者と親としてみればどんなことがあっても、その事実を消し去る事は出来ない、というそれほどの事をやってしまった、という事なのです。
私はこの事件に関しては、全くの部外者ですが、まず人として彼に言いたいことがあります。
これは、彼にとってのチャンスだと。
彼はこんな事にでもならなければ、酒に溺れ身体を壊して、それで芸能界を諦める事になったかも知れない。
被害者がある事は、本当に残念な事で、他人の人生を台無しにしてしまった事に対して、チャンスという言葉はふさわしくないと思います。被害者側の方には不愉快極まりなく、もし私が親だとしてもこのような発言は許せないかも知れないですが。
しかし、彼個人には、これを生きなおすチャンスにしてほしい。
被害者の方には、この事件で人生を狂わされることなく、幸せになって欲しい。
色んな悪口やバッシングがあると思いますが、親御さんや周りの方に守ってもらい、ちゃんとした大人になって欲しい。
この事件はとにかく被害者が未成年の方だというのが、問題を大きくしましたね。
生きているという事は、大変な事です。そうは思わない人もいるでしょうが、私はそう思います。
他人から見ればどんなに恵まれている人にでも、心の中には弱さ、孤独や闇があるのかも知れません。
ただそれは一生かけて自分自身が向き合っていくものでもあり、その傍らに仲間や愛する人がいてお互いが支え合っていくのが人ではないでしょうか。
世の中には、どんなことをやらかしても、「仕事を全うするのが自分の贖罪だとおもう」とかいって辞職しない人もいますもん。
うやむやにされたまま、たくさんのおかねをもらってやめるひともいますもん。
有名人や社会に影響を及ぼす方のこのような事件は、色んな人が我が身を振り返ったり反省する機会にもなります。
魔がさすとか、落とし穴にはまる、という事もあります。
かと言って、他力を恨むのも違う気がするし。
しかし、彼には親御さんを始め、力を貸してくれる、見守ってくれる方達も少なからずおられるはず。
同じことを繰り返したらアウトです。これからの人生、そのような方への恩返しのためにも、きちんと生きてほしいですね。
弱い、甘い人間のひとりとして、彼の今後が気になります。
病をギフトと受け取る事は難しい。身体の病気は人を選びません。しかし、もしも生活を改める事で避けられる病であれば、努力するべきです。
またこころの弱さは薬では治せません。
向き合って、何とか折り合いをつけながら、生かされる限り。
起こった事には必ず原因と意味がある。良くも悪くも。
人生に無駄なし、とは言いますが、失敗はある。一度も失敗しないで生きていけたらいいですね。
何もやらかさなくても、意識すれば、生きなおすチャンスは今この瞬間にあるんですよね。
ただ、弱い甘ったれはよほどの事がないと、それに気づかない。
自戒と感謝をこめて
つる姫