Rondo Capriccioso ~調律徒然日記~

Piano Labo.(代表)竹宮秀泰によるブログ。
「ピアノ」を主題に気まぐれなロンド形式で綴ります。

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整調とは?

1010年12月13日 | HP用

 

 ピアノ業界では、タッチの調整のことを整調と言います。
では、整調とはどういった作業を行なうのか、簡単に説明致します。

まず、タッチの調整とは・・・?
演奏する際に指先に伝わる感触や感覚を、整える作業のことです。
ピアノで音を鳴らす時、鍵盤は10mm前後沈みます。(一般的には9.75~10.5mm)
この一瞬の動きの中で、内部では様々な部品が複雑に連動し、ハンマーが弦を叩くのです。

アクションの部品は、それぞれに適した位置があります。
しかし、それらは自然とずれてきます。
演奏による磨耗や消耗、劣化、または、温度・湿度の変化に伴う狂い・・・
常に正常な位置を保つことは、厳密には不可能です。

また、アクションの部品は全て回転運動を行ないますが、その回転軸の摩擦も変化します。
円滑に回転しない状態になっていると、個々の位置関係に問題がなくても、タッチ感は損なわれます。

他にも、スプリングの状態や鍵盤のコンディションも、タッチに影響を与えます。
部品同士が接触する箇所の材質の変化(劣化・消耗など)も、見極めないといけません。

整調とは、それら全てを踏まえた上で、鍵盤からハンマーまでの力や運動の伝達、その他一切の物理条件を、全鍵に渡り正しい状態に整えることです。

しかし、ピアノのアクションは主に天然素材(木、フェルト、皮革等)で構成されているため、同じ物理条件で揃えても、数値化しようのない感触の違いが生じます。
この微妙な差異を揃えるには、熟練した指先の感覚にのみ、委ねるしかありません。

タッチのばらつきは、音色のばらつきにも繋がります。
正しい整調が出来ていないピアノでは、表現力は発揮出来ません。
それ以前に、修理を要する状態のパーツが一つでもあると、整調も出来ません。

さて、定期的に調律を行なっている方はたくさんいらっしゃるでしょうが、調律後、ピアノは弾き易くなってますでしょうか?

当社では、アクションのコンディションを見極めずに、調律を行なうことはありません。
タッチが揃わない限り、音は決して揃わないと考えているからです。

タッチは、日々少しずつ狂います。
残念ながら、家庭にあるピアノの中には、整調が全くされてないものも少なくありません。
長年に渡る少しずつの狂いが積み重なり、演奏や表現に大きな障害となっているのです。
しかしながら、毎日少しずつ変化していくため、ユーザーはそのことに気付いていないことも多いのです。

従って、初めて当社にメンテナンスを依頼頂く場合は、説明の上、整調を一式行う場合がございます。
その際は、基本料金以外に、別途作業料金(当社規定を説明致します)を頂戴しております。

音とタッチは、決して切り離して考えてはいけないのです。
良い音は、良いタッチから・・・・整調は、とても大切です。

 

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