(投稿:’21年7月30日。最新改訂:'21年7月30日)
昨日(7月29日)、私(とうめん博士)と同じ 名古屋大学大学院の、「物理学」(理論)専攻 出身である
益川敏英博士(2008年ノーベル物理学賞受賞) が、
ご逝去されましたことを知りました。( 私は、同大学院の「応用物理学」(理論)専攻 出身) )
私が 同大学院の「応用物理学」(理論)専攻に在学していた頃、益川博士のご出身である同大学院「物理学」(理論)専攻の( 益川博士の後輩や弟子にあたる )学生や教員たちと、私は 頻繁に交流していましたので、
益川先生の優れた業績については、私はよく耳にしていました。
( しかし、私が 名古屋大学大学院に在学していた頃は、益川博士は すでに 京都大学大学院に移籍されていましたので、私は、益川博士から直接指導を受けたことはありません。
ちなみに、私は その後、名古屋大学大学院から、東京大学大学院に、(学生として) 移籍しました。)
益川博士は1973年、クォークの質量項において、3世代間の混合が可能になる行列を導入した理論を提唱して、「K中間子」崩壊の際に生じる「CP対称性の破れ」を説明することに成功し、また、
クォークが3世代(6種類)以上存在し得ることをも予測しました。
この理論が発表された1973年当時、クォークは、3種類(アップ・ダウン・ストレンジ)しか見つかっていませんでしたが、
その後1990年代までに、他の3種類(チャーム・トップ・ボトム)の存在が実験で確認され、これによって、上述の益川博士の予測が 実証されました。
これにより、益川博士は、4歳年下の後輩であり元同僚でもあった小林誠博士とともに、2008年に、ノーベル物理学賞を受賞しました。
益川博士は、社会的な問題に対しても、積極的に発言し、
ノーベル賞受賞にふさわしい、真に実力のある優れた物理学者でした。
心よりご冥福をお祈り申し上げます。
益川博士の写真。

以上