前回からの続き。
バイトには受かった。
昼からの5時間勤務の眼科だった。
視力検査なども仕事の内容に含まれ、基礎から叩き込まれた。
しかし、日中も襲う対人恐怖。誤魔化しながら仕事をする手は汗だらけであった。
多汗症気味のある自分は、それをうつのせいだとは感じなかった。・・・思わないようにしていた。
どこかで『もうとっくに治っている』という、根拠のない自信があった。
仕事が辛く感じるのも、怠け癖が付いたからだろうなどと・・・。
いつの頃からか、通院も止していた。
気付かぬうちに、自分が思っているより確実に『うつ』は私を蝕んでいた。
それを痛感させられるのは、もう少し先だった。
続く。