石神井公園に行った。
夏の間に比べて下草が減り、心なしか樹々の葉っぱも減ったように感じて、緑の圧力というものが減った。そのためか公園自体が少し広くなったような気さえする。10月になり野鳥撮影を始めてから1年を迎えようとしている。季節が一巡したことになり、それぞれの季節の野鳥、野鳥の見え方を一通り経験したことになる。
きっかけは意外なことからであった。
コロナで自宅勤務のテレワークをすることになり、電話会議等で持ち主のいない息子の部屋を使うことにした。議論が好きでしているかのような二人の同僚が電話会議で延々と話している間の手持ち無沙汰で息子のカメラバッグをなんとなく開けてみたことが、この壮大な物語の始まりなのである。
「そうなのか、望遠レンズ付きのダブルズームキットというものなんだ。なるほど、これね。ふ〜ん、ホウホウ。カシャ。へーえ、カシャ。これって俺のD40にもつくレンズなのかな?? 少しネットで調べてみよう」
知ってはいたが世の中はミラーレスカメラに流れている途中であり、一眼レフカメラ用のしかもDX(APS-C)レンズなどは価格が大幅に下がっていた。きちんと作られた良いものが安く買えるのが大好きな私である。現在の安売りのための安い製品が用意される状況はあまり好ましいとは思わない。ひょっとして今がレンズを買ってみるいい潮時ではないのか? 何より「レンズを買う」というこの特別感。「カメラを買う」ではないのだ。一度味わってみたい。
カメラメーカーに就職した大学の友人から言われた「望遠レンズよりも広角レンズの方が面白い写真が撮れる。人間の視野に近い。」という言葉が脳裏に焼き付いていたので、D40につけるために10−24mmという望遠レンズを買った。この時点で野鳥のヤの字も産毛もない。
レンズを買ったので写真を撮ることになる。(今回の写真はどれもクリックしても拡大しません。必要ないからです)
写真を撮りに妻と善福寺公園に行って標準ズームレンズや広角ズームレンズで風景写真を撮った。ボートに乗った。その時である、歴史が動いたのは。ボートの周りに青いカワセミが飛び回り、池から突き出た杭に渡るロープに止まって休みさえしたのである。そして奇跡的に、付け替えた息子の望遠ズームレンズで飛んでいる姿を一応画面内に入れることになるのである。しかも65mmと言う望遠レンズのワイド端付近で。人類で言うと火の発見に相当する。
その後も風景も撮ってみたり、人物、電車をて撮ってみたりするものも、結局夢中になった被写体は野鳥。野鳥に尽きる。土曜も、日曜も出かけて回ることになるとはな。
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