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-★-夢で逢えたら-★-

「逢いたくない」
バカ、ホントは夢でだって逢いたいよ。
夢でだけでも逢いたいよ。
Tare tare tare.

夢みる願い・1

2004-09-11 01:37:56 | ヒ・ミ・ツ
ロザはパムのことが大好きでした。

パムはロザのことが好きではありませんでした。

ある日、ロザはパムに告白をしました。

君の事が大好きなんだっ!


夢みる願い・2

2004-09-10 01:39:21 | ヒ・ミ・ツ
パムは驚き、考え、こう言ったのです。

世界一キレイな指輪がが欲しいの。

ロザは、必至で探しました。

しかし、そんなモノはドコを探しても見つかりません。

ロザは困りました。

その時です。

大魔女が現れました。

夢みる願い・3

2004-09-09 01:40:32 | ヒ・ミ・ツ
魔女は言いました。

おまへの大事なモノと交換してあげるよ。

ロザはお金も何も持っていませんでした。

ロザは考えて言いました。

腕と交換してください。

いいのかい?もう手を繋げないんだよ。

はいっ。

夢みる願い・4

2004-09-08 01:42:18 | ヒ・ミ・ツ
ロザは、指輪をパムに喜んで持って行きました。

腕のないロザにパムは驚きました。そして、言いました。

この世で1番早い車が欲しいの。

ロザは再び魔女の所へ行ったのです。

この足と交換に世界一早い車をください。

いいのかい?もう一緒に歩く事もできないんだよ。

はいっ。

夢みる願い・5

2004-09-07 01:43:10 | ヒ・ミ・ツ
ロザは、車をパムに喜んで持って行きました。

足のないロザにパムは驚きました。そして、言いました。

この世で1番素敵なメガネが欲しいの。

ロザは魔女の所へ行ったのです。

この目と交換に世界一素敵なメガネをください。

いいのかい?もう彼女を見る事ができないんだよ。

ロザは迷いました。しかし、笑顔で言いました。

はいっ。

夢みる願い・6

2004-09-06 01:45:48 | ヒ・ミ・ツ
ロザは、メガネをパムに喜んで持って行きました。

目のないロザにパムは驚きました。そして、言いました。

この世で1番素敵な声が欲しいの。

ロザはまた魔女の所へ行きました。

この声と交換に世界一素敵な声をください。

いいのかい?もう一緒に話す事もできないんだよ。

目のないはずのロザは涙を流し答えました。

はいっ。

夢みる願い・7

2004-09-05 01:46:49 | ヒ・ミ・ツ
ロザは、素敵な声になる薬をパムに喜んで持って行きました。

話さないロザにパムは驚きました。そして、言いました。

何でも聞こえる耳が欲しいの。

ロザは魔女の所へ行ったのです。

この耳と交換に、何でも聞こえる耳をください。。

ロザは紙に書いて渡しました。

いいのかい?もう彼女の声も聞こえないんだよ。

ロザは頷く事しか出来ませんでした。

夢みる願い・8

2004-09-04 01:48:40 | ヒ・ミ・ツ
パムはこうして欲しいもの全てを手に入れました。

そんなパムの耳にこんな声が聞こえました。

パム、パム。

パムのお母さんの声でした。

お母さんは病気だったのです。

お母さんは亡くなりました。

パムは悲しみにくれました。

ひとりぼっちになったのです。

夢みる願い・9

2004-09-03 01:53:14 | ヒ・ミ・ツ
ロザはパムが泣いてるのに気付きました。

パムはロザの背中に書きました。

お母さんを生き返らせて。

ロザは困りました。

もうロザには交換するものが何もなかったのです。

考えに考えたあげく、ロザは魔女の所にいきました。。

夢みる願い・10

2004-09-02 01:56:46 | ヒ・ミ・ツ
パム、パム。

再びパムの耳にお母さんが聞こえました。

生き返ったのです。

パムは心の底から喜びました。

しかし、ロザはもうパムの前に現れませんでした。

その代わり魔女が現れ、パムに一枚の紙を渡しました。

紙にはこんな事が書かれてました。

僕の心と引き換えに、パムのお母さんを生き返らせてください。

名なしの物語

2004-08-14 03:58:39 | ヒ・ミ・ツ
これは以前書いていたブログで、

我がココロの友(略して心友)・スー

に捧げた物語です。
心友の為だけに書いたものだけど、残したかったのでこちらに移しました。

前々から移そうとは思っていたんだけど、今日移したかったので。



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これは遠い遠い未来の

満月の晩の2日前の

雨の降った寂しさ溢れる晩の

トアルオトコのお話です。






ペインはスティーブに恋をしていた。

「ずっと一緒にいようね」

「ずっとなんてわからないよ」

ペインは少し悲しくなった。

外は雨。わからないようにペインはヒトリ泣いた。

スティーブは気付かなかった。



ドンドンッ



突然叩かれたドア

「どなたですか?」

「道に迷って。雨宿りさせてください」

開かれたドアには美しい女性が立っていた。

名はルビーと言った。それはそれは美しかった。

スティーブの目が輝いたのをペインは見逃さなかった。でも悲しくて認めようとはしなかった。見なかったフリをした。

誰にも気付かれず(ペインさえもわからない)、涙が頬を伝った。


外では雷も鳴りもゴロゴロ。

ピカッ

「きゃーーーー」と怖がるルビー。

大丈夫だよ、と優しいスティーブ。

「何でこんな夜に森を歩いていたの?」と聞くペインに、ルビーは「わからない。気付いたらココにいたの」と答えた。
「お邪魔だった?」

雨は一向に止みそうになかった。

スティーブとルビーは楽しそうに話している。ペインは何度もトイレに行った。ヒトリ泣いていたのだ。誰にも知られず泣いたんだ。

5度目のトイレに行った時、窓の所に一匹のカエルがいるのに気付いた。すると

「なんでそんなに泣いてるの?」

ペインは驚かなかった。ただ、無理矢理笑顔を作って、泣いてないよ、とだけ言った。カエルは不思議でならなかった。。。

7度目のトイレにペインが来た時、カエルはコッソリリビングに抜け出した。

スティーブとルビーが楽しそうに話していた。カエルの後ろに、ペインは立っていた。涙は拭われていた。カエルは、ペインをよく知っていた。

毎朝、花に水をあげるペイン。

友達想いのペイン。

虫にさえ、おはようと言うペイン。

素敵な歌声のペイン。

誰よりも笑顔が輝いていたペイン。

スティーブ想いのペイン。

カエルはトイレに戻った。



「ずっと一緒にいようか」

「うん」

スティーブとルビー。

ペインはナイフを手にトイレに入った。入るなり、ジブンの胸めがけてナイフを突き刺した。

感触はあった。でも、ペインはジブンが生きているコトに気付いた。全く痛くないことにも。

ナイフの先にはカエルが突き刺されていた。ペインは我に返り、「ごめんねごめんね」といつまでも泣いた。



夜が明けそうになっても、スティーブとルビーは話していた。

トイレからナイフを持って出て来るペインにスティーブは気付いた。そして、ペインが泣いていることにも。
スティーブは、ペインを抱きしめて涙をいつまでも拭った。何度も何度も謝りながら。

それから、「結婚しよう」とスティーブは言った。

ペインは泣きながら頷いた。ルビーはいつの間にか消えていた。


雨もあがり、朝日が輝き出した。

ナイフにはカエルが刺さったままだった。
カエルは嬉しそうな切なそうな顔で、泣いていた。