フィードバック!

2006-09-03 02:57:42 | Weblog
AM8時30分。俺は毎日目が覚める。
何故かと言うと俺の家の向かい側が小学校で毎朝チャイムがなるからだ。
俺は小学生の1限目と同時に1日が始まる。
朝ご飯をたべてると、外から子供たちの声が聞こえる。
以外と心地良いものだ!
時間の流れがゆっくりに感じる。

ある日の夕方リハーサルのため家を出ると、下校時間と重なって外は子供達で溢れかえっていた。
おや?校門の前で男の子が泣いている。
イジメに合っているのか?
けしからん!と思いつつ少し様子を伺ってみる。
「や~い!チクリんぼう!告げ口野郎~!」と声が聞こえた!
「うぉ~!これは!」俺の記憶がフィードバック!
そうあの頃に…。

あれは中学2年の春の出来事。
下級生が出来、学校にも慣れ、意気がる事と勘違いを繰り返していたあの頃!
そう!まさに恐いものしらず!
そんな俺も、新任の先生や転入生に新たな出会いを求めたり、希望を持ったりと第二次思春期真っ盛りだった事は言うまでもない!

そんな時に新たに英語の先生が赴任して来る噂を耳にした!
その先生の名は野見山(仮名♀)。
まだ見ぬ野見山先生に俺は「綺麗かな?若いかな?先生が俺のことを気に入ったらどうしよう!」などと妄想に浸り先生が来るのを教室で待った。
「ガラガラ~」
扉の音がした!

野「お早ようございます!とっとと席に着きなさい!」
うぁ~!細〇数〇だ~!めんどくせぇのが来た!
初対面からインパクト大の野見山は出欠を全て呼び捨てで取り出したのだ!

野「瀬崎!瀬崎!」
俺「…うす。」
野「朝から気のない返事しないの!グランド走ってきて気合い入れてきなさい!」
俺「…はぁ!?」
野「先生に対してなんて口の聞き方なの?アナタのことは覚えておくわ!」
なんだこいつは!?初対面でいきなり喧嘩売ってんのか!

この日からの野見山の授業は俺にとって試練となった!ことあるごとに俺を指名、発表、起立と明らかに目の敵にしてくるのだ!

二週間後、試練に耐えきれなくなった俺は野見山に復讐を誓った!
そして友人A、Bに協力を求めて作戦を実行することにした!!
名付けて「号外!野見山新聞」だ!
何をしたのかって?
絵心0、美術1のこの俺様が奴の似顔絵を書く!
紙面中央にガッツン!とな!
それを朝の校門で配るというものだ!!!

我ながらナイスアイデア!さっそく作業に取り掛かった!
まずは似顔絵!
この似顔絵が最大のポイント!
友人A「別に上手く書かんでいいけん!ひどく書かんくてもいい!お前が真面目に書けばおのずと酷くなるけん!それが一番おもしろかばい!」

…少々傷ついた。

でも挫けてる暇はない!早く原本を作り印刷室でプリントしなければいけないのだ!
印刷室を無断で使えるチャンスは掃除時間だけ!
俺は焦りながらも、難産の末に完成させた!
友人A.B「…なんだこれ。」
それは人様に見せるには失礼極まりない物となってしまった!デザインセンス、絵心、字の下手さ、どれをとっても人類史上類を見ない酷さだった。
だが打ちひしがれてる場合ではない!
もう掃除時間は始まっている!
俺は急いで印刷室に向かった!

出来た!ついに完成した!
しかし!喜ぶのはまだ早い!
全校生徒に配布すること!それが目的なのだから!
俺達は野球部の朝練より早く学校にいなくてはならない!
俺らは来るべき明日に備え早く家路についた。
その夜は野見山に復讐出来ると考えただけで興奮して中々寝付けなかった。

AM5:30。俺はそそくさと家を出て学校に向かった!
「よかった。まだ野球部は来てない!」
俺らはばれないように覆面をし、第一登校者発見とともに作業開始!
「号外~。号外~。」
みんなびっくりしている!俺らの行為に痛い顔をしている奴らもいる。
がそんな事はお構いなし!
「号外~。号外~。」
全て配り終えた。
やった!やってやった!
この達成感と共に、野見山がどんな反応をするか!
ワクワクしながら教室へ向かった。

しかし何のリアクションも確認出来ないまま時間は過ぎていった…
改めて考えて見れば幼稚極まりない馬鹿な悪戯。
挙句、あの下手くそな絵が俺が描いたのだと誰にもバレてない事がむしろ
良かった!なんて思い始めてたその時!

「瀬崎!瀬崎!」
鬼教師三人衆が俺のもとをやってきたのだ!
「なんすか。忙しいんすけど。」
鬼達「わかってるな。黙ってついてこい!」
俺は半ば強引に連れていかれた。
そして向かった先は相談室。
名前とは裏腹に、全ての生徒達が近づきたくも無い場所である!
「ガラガラ~」
俺の目に移ったのは友人A.B!そして泣いている野見山!
な!泣いてんのかよ?!うそぉ~?そう思いながらも部屋の中央に立たされた。
鬼「この新聞を作って配ったのはお前らやろ!?」
俺「ち、違います。」
鬼「正直言ってみろ!?」友A「ぼ、僕らです!」

うそぉ~!たった今俺が否定したやん!いきなりチクリかよ!
鬼は友人Aに近付き拳を振り上げた!。
Aが殴られる~と思った瞬間!高速ターンで俺の顔面にパンチ!
そのまま殴る殴る殴る!いわゆるボコボコって奴だ!
鬼「なんで嘘ついたとや!なんでこんなことしたとや!先生の気持ちを考えんや~!」

俺は本気で嫌がらせをしようと思ってた訳ではない。
あんな新聞を作った所でまたいつもみたいに野見山に怒られるだけ!そう思っていた。
そういう関係、一種のコミュニケーションのつもりだった。
まさか泣くとは思ってなかったのだ!
「そんなつもりはなかった。」
っーか俺の下手くそな似顔絵配っただけだぞ?
何でこんなに大事件風に展開するんだ?なんて納得の行かない俺であったが、泣かせたんじゃしょうがない。
傷つけてしまった自分の度が過ぎたと反省した。

あぁ少年達よ!
イジメてる方はたいしてイジメてるつもりはなかったりする。
「これがコイツのキャラだから」そんな感じで。
もうちょっとお互いに分かり合ったところで関係が作れたりするといいのにね。
もっと人の気持ちをわかってあげないと俺みたいに痛い目にあうぞ!
そう!、俺の悲劇はここからだったんだ。
相談室に俺だけ残され、ずっと鬼と野見山に謝ってる間に本当の悲劇は始まっていたのだ!
先に相談室を出たAとBは地獄の相談室から無事生還した事を得意げに話し捲くっていた!
そうなのだ!
あの下手くそな絵を描いたのが俺!先生にばれて相談室で殴られたと!
全校生徒にこの話が広がるのに時間は掛からなかった。
あの下手くそな絵のおかげで…。

なんだか涙が出てきたのでこの後の悲劇の話は止めておく。
あぁ少年達よ!分かりあうには時間が掛かるかもしれない。
だが諦めるな! 一寸先は闇なのだ!
何でこうなったのか?なんて理解できない事は普通に何度もおとづれる!
「ただ何となくの流れ!」「一瞬の快楽!」この2つには気つけろ!
痛い目にあうぞ!
ん!?


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