あれ~見逃していたかな~このネタ。
医療報道を斬るからのネタです。いつもお世話になっております。
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「不要な検査で後遺症」と提訴 前橋の女性、医師ら相手に
記事:毎日新聞社 【2007年5月10日】
訴訟:「不要な検査で後遺症」と提訴 前橋の女性、医師ら相手に /群馬
前橋協立病院(前橋市朝倉町)で必要のない検査を受け、後遺症が残ったなどとして、同市内の20代の女性が9日までに、医師らを相手取り、慰謝料など約3600万円の支払いを求める訴えを前橋地裁に起こした。
訴状によると、女性は06年7月、頭痛のため、同病院で2度診察を受けた。2度目の診察の骨髄検査で、腰に体液採取用の針を刺された。その後、腰や左足などにしびれや痛みを感じるようになった。
原告は「不要な検査が左下半身に後遺症を引き起こした」などと主張。病院側は「訴状の中身を検討している段階で、コメントできない」としている。【杉山順平】
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頭痛で骨髄検査をしたらやっぱり訴えられるだろうな。
仮に骨髄検査をルンバールに置き換えてみよう。
これで敗訴にならないまでにしろ慰謝料請求されたら、
くも膜下出血疑い・髄膜炎疑いでは一般医ではルンバール禁になるかも。
かといって頭痛がひどいときには確実にくも膜下出血・髄膜炎を
除外診断しなければいけないからルンバールは不要な検査などでは全く無い。
ではCTでわからないくも膜下出血を疑った際のルンバール以外のモダリティを考えてみよう。
侵襲の無い血液をよく写してくれる、MRI FLAIRやT2*がリーズナブルだが、
総合病院だとなかなか混んでいてすぐに撮影できない可能性はある。
また100パーセント微量の出血を検出できるとは言い切れないだろう。
動脈瘤があれば、くも膜下出血もしくは切迫破裂ということになるかもしれない。
MRAで動脈瘤がはっきりしなくても、出血源不明のくも膜下出血もあるので
検査として不充分の可能性がある。
造影CTや血管造影も同じ理由で決定的とはいえなく侵襲がプラスされる。
ほぼ確実に診断がつく試験開頭もやっぱりもってのほかだろう。
完璧な診断は無理ということになる。
真面目に話すとCTの次策としては
①MRI FLAIR T2*、 MRA →
10分以上かかるのでその間に再破裂の可能性あり
②ルンバール →
痛みが引き金で再破裂の可能性あり
感度はほぼ100%と思われるが、静脈出血による擬陽性あり
と考えています。
なのでくも膜下出血を疑ったら、症例数豊富なため合併症ゼロ、
そして瞬間的に無痛で刺す為再破裂を誘発をしないと言われている
伝説の一日100回以上ルンバールをこなすルンバール専門医のところへ
転送しなければいけないことになる。
ルンバール専門医が今足りない!なんてことにはならないかやっぱり。
なおこの痺れや痛みだが、たとえ腰椎症など持っていたとしても
ルンバールが悪さをしていないと証明するのは難しいのかな~。
あらての当たり屋ビジネスも展開できるかもしれない。
最後にこの無理難題な訴訟ビジネスを引き受けた弁護士さんと
全国向けにナイスなボケをかましてくれる記者さんの勇気を称えて終わりとする。
医療報道を斬るからのネタです。いつもお世話になっております。
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「不要な検査で後遺症」と提訴 前橋の女性、医師ら相手に
記事:毎日新聞社 【2007年5月10日】
訴訟:「不要な検査で後遺症」と提訴 前橋の女性、医師ら相手に /群馬
前橋協立病院(前橋市朝倉町)で必要のない検査を受け、後遺症が残ったなどとして、同市内の20代の女性が9日までに、医師らを相手取り、慰謝料など約3600万円の支払いを求める訴えを前橋地裁に起こした。
訴状によると、女性は06年7月、頭痛のため、同病院で2度診察を受けた。2度目の診察の骨髄検査で、腰に体液採取用の針を刺された。その後、腰や左足などにしびれや痛みを感じるようになった。
原告は「不要な検査が左下半身に後遺症を引き起こした」などと主張。病院側は「訴状の中身を検討している段階で、コメントできない」としている。【杉山順平】
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頭痛で骨髄検査をしたらやっぱり訴えられるだろうな。
仮に骨髄検査をルンバールに置き換えてみよう。
これで敗訴にならないまでにしろ慰謝料請求されたら、
くも膜下出血疑い・髄膜炎疑いでは一般医ではルンバール禁になるかも。
かといって頭痛がひどいときには確実にくも膜下出血・髄膜炎を
除外診断しなければいけないからルンバールは不要な検査などでは全く無い。
ではCTでわからないくも膜下出血を疑った際のルンバール以外のモダリティを考えてみよう。
侵襲の無い血液をよく写してくれる、MRI FLAIRやT2*がリーズナブルだが、
総合病院だとなかなか混んでいてすぐに撮影できない可能性はある。
また100パーセント微量の出血を検出できるとは言い切れないだろう。
動脈瘤があれば、くも膜下出血もしくは切迫破裂ということになるかもしれない。
MRAで動脈瘤がはっきりしなくても、出血源不明のくも膜下出血もあるので
検査として不充分の可能性がある。
造影CTや血管造影も同じ理由で決定的とはいえなく侵襲がプラスされる。
ほぼ確実に診断がつく試験開頭もやっぱりもってのほかだろう。
完璧な診断は無理ということになる。
真面目に話すとCTの次策としては
①MRI FLAIR T2*、 MRA →
10分以上かかるのでその間に再破裂の可能性あり
②ルンバール →
痛みが引き金で再破裂の可能性あり
感度はほぼ100%と思われるが、静脈出血による擬陽性あり
と考えています。
なのでくも膜下出血を疑ったら、症例数豊富なため合併症ゼロ、
そして瞬間的に無痛で刺す為再破裂を誘発をしないと言われている
伝説の一日100回以上ルンバールをこなすルンバール専門医のところへ
転送しなければいけないことになる。
ルンバール専門医が今足りない!なんてことにはならないかやっぱり。
なおこの痺れや痛みだが、たとえ腰椎症など持っていたとしても
ルンバールが悪さをしていないと証明するのは難しいのかな~。
あらての当たり屋ビジネスも展開できるかもしれない。
最後にこの無理難題な訴訟ビジネスを引き受けた弁護士さんと
全国向けにナイスなボケをかましてくれる記者さんの勇気を称えて終わりとする。
勉強になりました。
先生の記事は全部読んでいるはずなのですが、
意外と頭に入っていなくちょっぴり悲しいです。
見事に斬っていると思います。