記事のみではなんともいえないが読み取れる部分から考察する。
ネタ元は医療報道を斬るからです。いつもお世話になっております。
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息子の死因はCT検査の怠り 草津総合病院相手に母親提訴
記事:毎日新聞社【2007年6月7日】
損賠訴訟:息子の死因はCT検査の怠り 草津総合病院相手に母親提訴 /滋賀
草津市の「草津総合病院」で今年1月、男性(当時33歳)が死亡したのは「CTスキャン検査を怠ったためだ」などとして、母親が「医療法人誠光会」(水野光邦理事長)を相手取り、慰謝料など総額約7500万円を求める損害賠償請求訴訟を大津地裁に起こした。
訴状によると、男性は同月8日、首の痛みを訴え、同病院は頸椎(けいつい)症と診断。その後、他院でCTを受け、「脳が腫れている」と診断され、同病院に戻り、「脳動脈瘤(りゅう)」の手術を数回受けたが、脳循環不全に陥り、2月4日に死亡した。
原告側はCTのほか、白血球が異常な高数値を示した▽手術法を具体的に説明せず、血管内手術の選択機会を奪った--などと主張。被告の病院側は「訴状を精査して今後の対応を検討する」としている。【豊田将志】
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まずはミス?とは関係なく一般論から。
提訴だけで記事にするのはおかしいと思います。
しかも全く不勉強なことがバレバレの記事。
ネタとして記事にするにはラクチンだろうが、
社会的影響を考えていただきたいものだ。
これで医療は良くなるの?
もっと社会のためになる記事を自分の足で探してくださいと言いたい。
さて提訴に対するツッコミ。
脳循環不全というから最終的にはスパズムで亡くなったのか?
というと手術自体は、再手術はあったものの、内容的にはどうだったのだろう?
時と場合によりけりだろう。なんともいえません。
手術法を具体的に理解できるようになるにはかなりの勉強が必要であろう。30分や1時間で理解できたら、みんな医者になれるよ。説明に時間かければかけるだけ手術開始は遅れるわけだし。脳浮腫・意識障害が強ければ一刻を争ったほうが良いであろう。
直達手術がいいか血管内がいいかの選択には、現在の日本全体の水準ではあまり余地がない場合もあると思う。クオリティを求めればアクセスは悪くなるわけであって、再破裂・再々破裂の危険性を覚悟して他院に転送しなければならない。動脈瘤の形自体が血管内手術に向いていなかった可能性もある。そのような場合選択の余地は無いだろう。どのような形の動脈瘤でも血管内で治療が行えるような技術の開発・進歩には目を見張るものがあるのは確かなのだが。
原告側の立場としてつっこめる場所は初期診断の部分だと思う。
確かにSAHの場合はWBCが上がることが多いが、WBC上昇の鑑別疾患の上位にSAHがくるかどうかという問題もある。頸部痛だけでSAHをはじめに疑う医師の方がおかしいであろう。頸部痛以外の症状があれば話はかわってくるかもしれないが。頸部痛+WBC上昇でもSAHを考える医師は果たしてどのくらいいるだろうか?SAHを見慣れた医師なら直感が働くこともあるだろうが。これからは頸部痛、WBC上昇には全て頭部CT、いやCTでSAHの診断はつかないこともあるからMRI・MRAまでせよということになるであろうか?馬鹿馬鹿しい。医療費抑制の方向とも矛盾している。
この件に関しては今後フォローしたい。
ネタ元は医療報道を斬るからです。いつもお世話になっております。
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息子の死因はCT検査の怠り 草津総合病院相手に母親提訴
記事:毎日新聞社【2007年6月7日】
損賠訴訟:息子の死因はCT検査の怠り 草津総合病院相手に母親提訴 /滋賀
草津市の「草津総合病院」で今年1月、男性(当時33歳)が死亡したのは「CTスキャン検査を怠ったためだ」などとして、母親が「医療法人誠光会」(水野光邦理事長)を相手取り、慰謝料など総額約7500万円を求める損害賠償請求訴訟を大津地裁に起こした。
訴状によると、男性は同月8日、首の痛みを訴え、同病院は頸椎(けいつい)症と診断。その後、他院でCTを受け、「脳が腫れている」と診断され、同病院に戻り、「脳動脈瘤(りゅう)」の手術を数回受けたが、脳循環不全に陥り、2月4日に死亡した。
原告側はCTのほか、白血球が異常な高数値を示した▽手術法を具体的に説明せず、血管内手術の選択機会を奪った--などと主張。被告の病院側は「訴状を精査して今後の対応を検討する」としている。【豊田将志】
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まずはミス?とは関係なく一般論から。
提訴だけで記事にするのはおかしいと思います。
しかも全く不勉強なことがバレバレの記事。
ネタとして記事にするにはラクチンだろうが、
社会的影響を考えていただきたいものだ。
これで医療は良くなるの?
もっと社会のためになる記事を自分の足で探してくださいと言いたい。
さて提訴に対するツッコミ。
脳循環不全というから最終的にはスパズムで亡くなったのか?
というと手術自体は、再手術はあったものの、内容的にはどうだったのだろう?
時と場合によりけりだろう。なんともいえません。
手術法を具体的に理解できるようになるにはかなりの勉強が必要であろう。30分や1時間で理解できたら、みんな医者になれるよ。説明に時間かければかけるだけ手術開始は遅れるわけだし。脳浮腫・意識障害が強ければ一刻を争ったほうが良いであろう。
直達手術がいいか血管内がいいかの選択には、現在の日本全体の水準ではあまり余地がない場合もあると思う。クオリティを求めればアクセスは悪くなるわけであって、再破裂・再々破裂の危険性を覚悟して他院に転送しなければならない。動脈瘤の形自体が血管内手術に向いていなかった可能性もある。そのような場合選択の余地は無いだろう。どのような形の動脈瘤でも血管内で治療が行えるような技術の開発・進歩には目を見張るものがあるのは確かなのだが。
原告側の立場としてつっこめる場所は初期診断の部分だと思う。
確かにSAHの場合はWBCが上がることが多いが、WBC上昇の鑑別疾患の上位にSAHがくるかどうかという問題もある。頸部痛だけでSAHをはじめに疑う医師の方がおかしいであろう。頸部痛以外の症状があれば話はかわってくるかもしれないが。頸部痛+WBC上昇でもSAHを考える医師は果たしてどのくらいいるだろうか?SAHを見慣れた医師なら直感が働くこともあるだろうが。これからは頸部痛、WBC上昇には全て頭部CT、いやCTでSAHの診断はつかないこともあるからMRI・MRAまでせよということになるであろうか?馬鹿馬鹿しい。医療費抑制の方向とも矛盾している。
この件に関しては今後フォローしたい。
訴訟を起こすからには、ミスがあって、その結果被害があったという主張だと思うのですが、記事からは何も分かりませんね。
トラックバック、ありがとうございました。
脳循環不全とあるので、
おそらくはスパズムによる脳梗塞
→全体的に脳腫脹をきたし全脳虚血+脳ヘルニア
と考えてみました。
でも経過を見ると1ヶ月近くたっているからスパズムの時期とは違いますかね。脳死状態になってからしばらくもったとも考えられます。
まあよくわかりません。
問題なのはこのように新聞に書かれると
全てが悪い事のように見られてしまうことです。
例えそういう運命になる必然があってもです。
この場合は残念なことに30代の方が亡くなってしまいました。そういうことも訴訟の動機にからんでいるのでしょうね。
確か以前、Tai-chan先生が米国のように医療専門デスクを置けばいいのにと言っていたような気がします。
医療従事者が記事の不正確さを指摘し続けても、
その間にも誤解した国民がどんどん増殖します。
そしてその環境に慣れた次世代は
更に不正確な記事を生み出すでしょう。
今こそ組織だった行動をとって
色々な意味で闘うべきだと思います。
(武闘派ということではありません;笑)
先生も手始めにLMnetに御加入して頂けることを
願っております。
詳しくはブログ内に表示してあります僕のメアドか
モトケンブログに行って頂けましたら幸いです。