gooブログはじめました!

写真付きで日記や趣味を書くならgooブログ

新潟県ナシ(梨)の新品種「新美月(しんみづき)」と「新王(しんおう)」 2022年8月22日(月)

2022-08-23 03:08:05 | 日記

© 朝日新聞社 新美月を手にする野崎陽大さん=2022年8月17日、新潟県加茂市、西村奈緒美撮影

「新美月」と「新王」 ナシの新品種は甘く授粉いらず(朝日新聞社
 2022/08/22 11:00 )

ナシのシーズンがやってきた。新潟県内では、8月中旬に出荷が始まったばかりの「幸水」を皮切りに「豊水」や「新高」など品種をリレーしながら12月ごろまで楽しめる。
 なかでも注目を集めるのが、県が開発した「新美月(しんみづき)」「新王(しんおう)」だ。糖度が高く、ナシには珍しく受粉に人手が必要ない。全農にいがたの担当者は「果物のトレンドは甘さ。新潟限定という珍しさも相まって、市場の引き合いが強まっています」と手応えを口にする。
 ナシの受粉は通常、人工授粉で行われており、開花する春に農家が一つ一つ手作業で花粉を付ける。苦労して受粉させても、県内では霜が降りたり気温が上がらなかったりし、実がならないことも少なくない。
 農家の手間を解消し、天候不順も乗り越えるにはどうすればいいか。考え出されたのが、自家受粉をする品種の開発だった。
 自家受粉なら同じ個体の中で自然に受粉が起き、実のなる確率も高い。県の園芸研究センターが1997年に研究を始め、8年かけて開発に成功。2013年、新美月と新王が品種登録された。赤茶色のこの2品種に加え、さらに薄緑色の「新碧(しんみどり)」も開発。品種登録を経て来秋には栽培できるようになる見通しだ。センターによると、人工授粉がいらない品種は全国的にもほとんど例がないという。
 加茂市の野崎陽大(あきお)さん(39)は5年ほど前、新美月と新王の苗木を植えた。決め手は味。「直感的に『あ、おいしいな』と思いました。シャリ感もしっかりありますし」
 ただ、まだまだ苗木の量は少なく、価格も高め。新しい枝があまり出てこず、枝の広がりが悪い現象も見られる。ほかの農家と情報交換しながら試行錯誤を繰り返し、9月の出荷をめざしている。「苦労もあるが、新しいものにどんどん挑戦し、時代に合ったものを作っていきたい」と意気込む。
 野崎さんが農業の道に進んだのは25歳のとき。農業高校を卒業したものの、「農家になろうとは全く思っていなかった」といい、建設の仕事に就いた。しかし、塗料の成分が体に合わず頭痛などの不調に悩まされ、自然相手の農業に魅力を感じた。
 信濃川にほど近い加茂市の農園でモモやナシ栽培を手がけていた祖父のもとで働き始めた。「視野が狭くならないように」と自らに言い聞かせ、知り合いの農家を訪ねては教えを請うた。4年前に祖父から経営を引き継ぎ、現在は約5千平方メートルで7品種のナシを育てている。
 信濃川の沿岸地域では、加茂市のほか三条市や新潟市にもナシ畑が広がる。水はけがよく土壌が豊かなため、栽培に適しているという。ただ、県内全体の昨年の収穫量は全国で11番目の約6千トン。産地としての知名度は高くない。
 「みずみずしい新潟の梨を一人でも多くの人に実感してもらえるよう腕を磨きたい」と野崎さん。「米と酒だけじゃない新潟の魅力を知ってほしいんです」(西村奈緒美)
 〈新美月と新王〉 ナシは出荷にあたり糖度や色、大きさによって選別され、JAにいがた南蒲では、糖度13・5度以上の「糖鮮確実」を筆頭に「秀」「優」「良」の四つの等級を設けている。新美月と新王は平均糖度が14度を超え、取引時の1キロあたりの平均単価も昨年はほかの品種を80~100円ほど上回った。














最新の画像もっと見る

コメントを投稿