生きづらい私のこと 自閉症グレーゾーンの人生行路

アスペルガーっぽい私のこれまでのこと、そしてこれからのことを自己分析しながら書き記していきます。

「職場という戦場」からの脱走としての「ひきこもり」

2020-11-29 14:39:43 | いろいろ
 職場での苛酷な体験から、「ひきこもり」状態になる方が多いようです。
 長時間過重労働による過労死、過労うつ、過労自死(自殺)が大きな社会問題となっています。従順に働くことが死亡リスクにつながるほど、職場の「戦場化」は深刻になっています。
 パワハラや「職場いじめ」が蔓延(まんえん)していることがメディアでも話題になっています。非難や叱責の言葉、意地悪な言葉が銃弾のように飛び交っている職場も珍しくはないでしょう。
 作業速度や作業効率を過度に要求されたり、「終わりのないスキルアップ」を要求されたり、働く人にとって何かと心身の負担が重くなっているのが現在の多くの職場の状況だと思われます。
 「ひきこもり」の人々の多くは、生命やメンタル面の安全をおびやかされる危険な場所から「脱走兵」あるいは「難民」のように逃れているのではないでしょうか。
 しかし、「病気」や「障害」と認定してもらえないと「戦場からの正当な離脱」として承認されません。それゆえ、逃れた人びとは「脱走兵」のように「身を隠して」生きなければならないのでしょう。

「ひきこもり」の人びとへの「支援」のあり方なども考察したいと思います。


自閉症者と「ひきこもり」

2020-11-22 17:24:25 | いろいろ
 「ひきこもり」と名づけられている人びとのことが社会的な話題になっています。
 「ひきこもり」の人々は自らの「生きづらさ」を表現する言葉や機会を失っているようにみえます。彼ら・彼女らはしばしば非難、軽蔑、偏見の対象とされます。そのため、安心して「生きづらさ」を語ることができず、沈黙を強いられているように思います。
 「ひきこもり」という用語がスティグマ(烙印:らくいん、当事者にとっては「呪い」のレッテル貼り)としてはたらいているのはまちがいありません。そのため、当事者の方が自尊心を低下させていることは十分に想像できます。

 自閉症の特性をもった方が実社会や学校などで、生きづらさ、働きづらさなどに耐えられなくなって自宅にひきこもってしまう事例はかなり多いのではないでしょうか。会社、役所、学校などは定型発達者を標準として行動様式その他が設計されています。そこに自閉症者が適応するのは多かれ少なかれむずかしいことです。

 「ひきこもり」当事者へのさまざまな支援の取り組みも始まっています。ただ、支援のあり方や支援者の言動が、場合によっては当事者を追いつめてしまったり、自尊心をおびやかしたりするおそれもあるのではという心配も感じます。

NHK「#こもりびと」プロジェクト

2020-11-21 19:33:12 | いろいろ
 NHKが「ひきこもり」関連の番組をいくつか放送します。「#こもりびと」プロジェクトと名づけられています。

ドラマ「こもりびと」(11月22日(日)午後9時~)
 仕事を続けられなくなって「ひきこもり」となった男性とその父親のそれぞれの苦しみを描いた作品のようです。

NHKスペシャル「ある、ひきこもりの死 扉の向こうの家族」(11月29日(日)午後9時~、総合TV)
 「ひきこもり」状態のまま、親を亡くした子どもたちが命をおびやかされるという事例が増えています。

クローズアップ現代+「ひきこもり あなたに伝えたい本音」(仮)(12月9日(水)午後10時~、総合TV)
 当事者と家族の本音の部分から、問題解決の手がかりをさぐる番組のようです。

ETV特集「ひきこもり文学 ~葛藤と前進の記録~」(12月5日(土)午後11時~、Eテレ)

このほかの番組も放送されます。
「#こもりびと」 “こもりびと” を知る。 NHK


自閉症者が生きやすい社会 

2020-11-01 21:42:57 | いろいろ
 障害者総合支援法にもとづき、発達障害者にも就労支援制度が適用されています。自閉症者の「問題点」を改善して、職場社会に適応できるようにすること自体に反対するわけではありません。ただ、「定型発達者目線」のようなものを私はどうしても感じてしまいます。自閉症者の特性をポジティブにとらえる支援方法がもっと考えられないものでしょうか。
 2019年度には労働局に寄せられた相談のうち「いじめ・嫌がらせ」の問題は9万件近くに達しています。この件数は氷山の一角であると思われます。要領が悪かったり、コミュニケーションがうまくとれなかったりする自閉症者は上司や同僚からのパワハラ、いやがらせの標的になりやすいものです。このような職場の状況では自閉症者は安心して就職活動ができないでしょう。
 ひとりひとりの自閉症者の特性を活かした働き方ができる社会になってほしいものです。さらには働くことに限定されず、自閉症者がなんらかのかたちで積極的な役割を果たせるような社会のあり方も考えられていいのではないでしょうか。