Passy with ひな & Coco

思いつくままに綴るPassyの日々
春と秋の薔薇園めぐり
四季折々の花々
(=^・^=)(=^;^=)との暮らし

ぼけの花

2009-03-22 | 父と母と三姉妹

幼かった頃、庭に赤いぼけの花の木がありました
毎年、花が咲く日を母が楽しみにしていて
私は母と一緒に赤い花を眺めるのが楽しみでした

三姉妹の真ん中
育てるのが難しいと言われる真ん中子
四季折々に、母と2人で花を眺めるひと時は
私が母を独占できたような...
おそらく母なりに次女の私を
気遣ってくれていたのだと思います

でも「ぼけ」という名前が...
こどもだった私には、不思議で奇妙で
美しく愛らしいお花には似合わない変な名前...
そんな風に思っていました

40年ほど前に古くなった家を建て替えることになり
打ち合わせの間違いからでしょうか
母が大好きだったぼけの木は
新しく建った家の庭から姿を消していました

思い出の椿の木も消えていました

母の寂しそうだった表情を覚えています
多分、家周りのことは父が仕切ってしまって
母の気持ちを織り込む機会がなかったのでは...
そう推測しています

庭の木々のことで母が口出しするような
そういう時代ではなかったのでしょうか

消えてしまった木々のことを
母が何か口にした記憶もありません

そろそろ思春期に入りかけていた私には
父と母の、支配と服従のように見える間柄が
少々不満に思えてきた頃でした

妻が可愛がっている庭木の数本くらい
残すように業者に指示してくれたってよかったのに
そんな風に父に対する不満が心の中で
ちょっと芽生えて...

生意気盛りのお年頃の始まりだったのかもしれません
その頃から、母と庭の花を眺めることもなくなりました

今思えば、そんな不満より何より
母に一言「なくなってしまって残念ね、きれいだったのにね」と
声をかけるだけで、きっと母の心は慰められたような気がします
娘からかけられる何気ない思いやりの言葉
それだけで充分に心満たされるのが
母親なのだと今頃気づく私です

見当違いで中途半端な正義感に燃えるお年頃だったのですね




懐かしく、ちょっとほろ苦いような
そんな思い出の花
赤いぼけの花です 


 ぼけについて







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