セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

PS3『ワンダと巨像』 インプレッション

2013年09月19日 06時33分56秒 | 【旧】購入・レビュー話
最後の最後まで、儚(はかな)い。




ワンダと巨像
対応ゲーム機 ―→ PS3
発売日 ―→ 2011/09/22
希望小売価格 ―→ パッケージ版 = 3,980円/ダウンロード版 = 3,200円
 『ICO』とのお得なセット販売もあります。
ジャンル ―→ アクションアドベンチャー
プレイ人数 ―→ 1人
CERO ―→ B(12才以上対象)
 └→ CEROに影響した内容 ―→ 暴力
備考 ―→ 3D立体視対応




■====== 簡単なご紹介 ======■

かつてPS2で発売された同タイトルを、PS3向けにリメイクした作品です。
少女を救うため、禁断の地へ訪れた青年ワンダ。「彼女を救うには16体の巨像を倒せ」という謎の声に導かれるまま、ワンダは巨像との戦いに身を投じます。
PS3版は、HD画質やトロフィー機能に対応しています。ゲーム内の追加要素は、特にありません。


プレイヤーは青年ワンダを操作して、自分の数倍から数十倍もの大きさを誇る”巨像”を1体ずつ、探して倒していきます。
○ボタンを押すと剣を掲げ、その先から巨像のいる方角に向かって光の線が伸びます。(光に当たっている場所でないと役にたちません)それを目印に、広大なフィールドから巨像を探し出しましょう。
また、×ボタンで相棒の馬「アグロ」がやってきて、乗馬により早く移動することもできます。

巨像のいる付近まで来ると、巨像の登場シーンが流れた後、巨像との戦闘になります。
もちろん、そんな巨像に正面から戦いに行っても、勝てるわけがありません。巨像の特徴や行動、周りのものなどを利用しながら”巨像の弱点”に近づき、その部分を攻撃することで初めて、大ダメージが与えられます。
例えば、R1ボタンで巨像の毛につかまって上っていくとか。ワンダは剣のほかに弓も使えるので、まずは弓でどこかを攻撃するとか。色々な方法を探っていきましょう。

なお、ワンダには「体力ゲージ」と「腕力ゲージ」があります。ダメージを受けて体力ゲージが0になるとゲームオーバー。巨像との戦闘中だった場合、巨像との戦闘開始から。巨像との戦闘中ではなかった場合、最後にセーブした場所から再開します。(セーブポイントは、拠点となる祠(ほこら)のほかに、各所に点在する石碑の前でもセーブできます)
「腕力ゲージ」は円形で、何かに掴まっている間、円が小さくなっていきます。円が無くなってしまうと勝手に手を離してしまいます。また、水のなかに潜っている間は「腕力ゲージ」が「空気ゲージ」となります。

拠点となる祠(ほこら)からスタートして、巨像を探して、倒す。そして、祠に戻されて次の巨像を探す。この繰り返しとなります。



■====== partygameの感想 ======■

=良い  =まあまあ or ちょっと気になる  ×=悪い

◆=== 参考データ ===◆

 購入価格 ―→ 0円(「PlayStation Plus」のフリープレイタイトルとしてダウンロード)
 プレイ内容 ―→ シナリオクリア
 シナリオクリアまでにかかったプレイ時間の目安 ―→ ●○○○○
  ●○○○○ = 10時間未満
  ●●○○○ = 10~20時間
  ●●●○○ = 20~30時間
  ●●●●○ = 30~50時間
  ●●●●● = 50時間以上
 備考 ―→ PS2版は途中までプレイしたことがあります。あと、3Dテレビは無いので、立体視ではプレイしていません。


○ ―→ 広大なフィールドや巨像の動きは、改めて見てもすごいですね。
いわゆるオープンワールド(読み込みなしで広大なフィールドを移動できるタイプ)で、今となっては珍しくなくなりましたが、当時PS2でこれを作り上げていたというのは、改めて考えると大きな功績だな~と思うわけです。
しかも、そこにたたずむ巨像。掴まってよじ登ったりすると、細かいところにまでこだわっている様がよく分かるわけです。伊達に、時間をかけて作られた作品じゃありませんからね。

くわえて、PS2版の時は全体的に動きがカクカクしていたものですが、PS3版では滑らかになっています。両方プレイしている私だからこそ、PS2版とPS3版の違いをハッキリと感じられたようには思います。ゲーム性にあまり影響はありませんけどね。

○ ―→ 巨像との戦闘は、派手さがないけど堅実で強い達成感。
巨像と対面した時の高揚感。攻略の仕方が見えてきた時の興奮。弱点を見つけて、最初の一刺しをした時の達成感。そして、完全に倒しきった時の達成感。静かで儚(はかな)い戦いのなかに、確かな充実感があります。

ワンダの動きは、いわゆるゲームのヒーローみたいに華麗な動きではなく、あくまで人間らしい動き。腕力だけは超人レベルですが(笑)
上手く扱えない間はイライラするかもしれませんが、だからこそ達成感もひとしお。ある種『モンスターハンター』なんかにも通ずるものがある気がします。

○ ―→ 曲の切り替わりが、気持ちを盛り上げてくれます。
普通に移動中は、何も流れていません。巨像と出会えば、壮大で脅威を感じるような音楽が流れ始め、攻略方法が分かって優位な状況になったり敵の弱点に近づいたりすると、今度は勇敢な感じの音楽が流れます。
こういった細かい曲の変化は、任天堂の作品ではそこそこ見かけますけど、今作でもその方式による良さが活かされています。

○ ―→ ヒントのタイミングが、少し早くなったかな?
巨像との戦闘で、しばらく攻略方法に迷っていると”謎の声”がヒントを出してくれるというものがPS2版でもあったんですが、PS3版ではそのタイミングが少し早くなった気がしました。
ただ、これくらいがちょうど良い気がします。PS2版の時は、それこそ10分くらい経たないとヒントが出なかった印象でしたが、たぶん半分くらいになっています。
…私の単なるカン違いだったらすいません(笑)

△ ―→ 何かもうちょっと、調べられるものとかが欲しかったかもしれません。
PS2版をプレイしていた当時は「そういうゲームだから」ということで何とも思わなかったんですが、改めてプレイすると、フィールドにもうちょっと何かしらの仕掛けが欲しかった気はしました。

フィールドで巨像との戦闘以外にできることといったら、石碑でセーブすることと、トカゲを見つけてシッポを切って、シッポを獲得すると腕力ゲージの最大値が増えるというくらいのものです。なので、移動中がどうしても寂しいというか、ちょっとヒマになっちゃう気分です。
まあ、設定上この場所は”禁断の地”なので、何もなくても当然なのかもしれませんし、あくまで雰囲気を大事にしたかったんだろうな~とは思うのです。とはいえ、ただでさえ移動に時間がかかるうえに、途中で何もないとなると、人によっては面倒くさく感じるでしょうね。

△ ―→ 結果的に、ボリュームはそこまで多くないです。
相手により閃きにより、かかる時間は様々ですが、1体平均30分~1時間といったところでしょう。
私の場合は前半の8体がPS2版で経験済みだったからか、そこそこ早くクリアしましたが、初見で16体の撃破を目指すとなると、おそらく10時間は超えるように思います。
クリア後は「ハードモード」が解禁されたりもしますが、私は巨像を攻略したということで満足しちゃったので、あまりやる気はありません。

△ ―→ エンディングについて。
巨像を16体倒すと、<ネタバレ注意!→>少女のいる祠に、ワンダと同じ一族の追っ手が外界からやってきます。するとそこにワンダが帰還。追っ手の一族は、禁忌を犯したワンダを容赦なく殺害。
するとワンダに角が生えて復活。そして、魔王ドルミンへと変貌。簡単に言ってしまうと、ワンダは16体の巨像を倒すことで、魔王ドルミンの封印を解いてしまったわけです。
追っ手の一族は封印の術を発動し、ドルミンは封印の光の中へ。追っ手は祠を後にし、それと同時に祠と外界をつなぐ橋が崩壊。祠とその一帯は、孤立化します。
そして最後に、少女が蘇生。何も分からない様子で歩いていると、ドルミンが封印された場所には”角の生えた赤ん坊”がいましたとさ。
<←ネタバレ注意!>


ちょっと長くなっちゃいましたが、このエンディングは捉えかたによって印象が全然変わるでしょうね。
個人的には、一応プロローグを知ったうえでプレイしていたので、納得はできました。さすがにワンダがかわいそうな気がしましたけど…それも覚悟のうえだったんですから。



■====== まとめ ======■
●●●●●●●○○○ … 7点(10点満点)


独特の世界観で、巨像との戦い。殺風景な雰囲気もありますが、けっこう熱い戦いも楽しめる作品です。
極端に言えば「巨像と戦う以外のことはできない」ので、色々と探索をしたりするような冒険心を求めてプレイしたい人にはちょっと合わないと思います。逆にいえば、巨像に立ち向かうという分かりやすいシチュエーションに手ごたえを感じて熱くなれる人だったら、オススメできそうです。

人によって合う合わないはありそうですが、私はわりと楽しめました。
じゃあ、なぜPS2版は途中で諦めたのか?と言いますと…巨像との戦いは楽しめたんですが、探すのが面倒くさくなっちゃったんですよね。しかも、今の私だったらヒントを頼りにわりと早く巨像を発見できましたが、PS2版プレイ当時は探すのにもけっこう苦労していたので、なおのこと。巨像のところまでワープさせてくれって思ったものです(苦笑)
なので、プレイする際はこの点もご注意くださいね。


思えば、未だ発売が見えてこない『人喰いの大鷲トリコ』。これが初めて発表された後に、「これの発売まで、まずはこちらを楽しんで欲しい」的な意味合いで、今作や『ICO』のPS3版が発売されました。
しかし、今作も発売して2年以上が経過。最近、たまたま週刊ファミ通を読んだ時、中心人物である上田 文人氏のインタビューがあって「『人喰いの大鷲トリコ』は鋭意製作中ですが、今は他の作品を優先しています」とは言っていたんですが、それって”鋭意”製作中ではないのでは?とツッコみたくなりました(苦笑)
いずれにしても、ちょっと楽しみにしている一方で、あまりにも時間がかかりすぎて不安ばかりが募っていっているのは事実なので。何とかケリをつけて欲しいものです。

なお、今作が「PlayStation Plus」のフリープレイタイトルとして無料ダウンロードできるのは、11月19日(火)までです。
よっぽど迷うことさえなければ、そんなにプレイ時間はかからないと思いますので。儚き世界のなかで、巨像との静かに燃える戦いを楽しんでみてはいかがでしょうか?

万人向け ← ○○○○○●○○○○ → 熟練者向け
手軽に ← ○○○○○●○○○○ → じっくり
思考タイプ ← ○○○●○○○○○○ → 感覚タイプ
 爽快感重視 ← ○○○○○○○○○● → 達成感重視 


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2 コメント

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Unknown (あかみどり)
2013-09-19 10:59:46
こんにちわ。
少し前に『再会の街で』という映画が深夜テレビで
流れていて、このゲームがストーリーの中で多少、
絡んでいました。
なので、映画の内容と相まってなんかいいゲームにも
思えました。(映画のほうは最後には明るい未来を
予感させる内容でした。)

そういえば、セリフに何度か『ワンダと巨像』とあって、
ちょっと笑っちゃいました。(ソニーピクチャーズなんで)
返信する
Unknown (partygame(管理人))
2013-09-19 19:14:12
>あかみどりさん
映画のなかで今作をプレイしている人物がいるんですか。なるほど~。
2007年公開の映画となっていますが、当時、この映画を見て「あ。ワンダと巨像だ」って分かった人が、どれくらいいたんでしょうかね?
返信する

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