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セグメントゲームズ

元ゲームプランナーという、しがない肩書きだけが取り柄のゲームブログ。生ラジオの告知が中心で、たまにテキスト対談を更新中!

映画「逆転裁判」 インプレッション

2012年02月29日 12時40分34秒 | 【旧】購入・レビュー話


「逆転裁判」
製作国 ―→ 2012年日本映画
上映時間 ―→ 2時間14分
配給 ―→ 東宝
映倫区分 ―→ G(全年齢対象)


■====== 簡単なご紹介 ======■

カプコンが展開してきた人気の法廷アドベンチャー『逆転裁判』シリーズの実写映画です。
ストーリーは初代『逆転裁判』を基本に、映画の形に収めるために多少変化させたのものとなっています。

◆=== 参考データ ===◆
見に行ったメンバー ―→ 私と同期の友人
原作のプレイ経験 ―→ 2人とも経験あり
 └→ ただし、私は内容を覚えており、友人はほとんど忘れていました。
  └→ 友人は”ほぼ未経験者”の意見として捉えてください。



■====== partygameの評価 ======■
=良い  =まあまあ  ×=悪い

◆=== 物語について ===◆

○ ―→ わりとうまいこと落とし込んだと思いました。
2時間という映画に収めないといけないわけですから、作品の物語を丸々流すわけにはいきません。要所要所で、立場とか物語の流れが微妙にかつ多く変わっています。
しかし、根本的なところは変わりなくという感じですし、むしろ経験者からしたら、うまく落とし込んだな~と感心しました。あくまで、経験者前提の意見です。

特にそれを強く感じたのは、(ネタバレ注意!→)御剣 信弁護士の”途中までの”人物像(←ネタバレ注意)です。
これが原作とはかなり違っており、故に思い入れのある人にはとある感情が芽生えるでしょう。しかし、終盤でその感情がより大きな別の感情を生んでくれます。
ある意味、思い入れのあるユーザーの心をうまく操った、とすら感じるものでした。

△ ―→ 未経験者は、ちょっと付いていけなくなるかも?という印象でした。
原作をほとんど忘れていた私の友人も、後半ちょっと混乱したようです。

場面の切り替わりが少々激しかったり、一部で「理解のためにもう一歩言葉が欲しいな~」と思う場面もあり、全体像を理解するのはちょっと難しいかもしれません。ましてや、複数の事件が絡むので。
そこは、あえて明確にしないことで想像を膨らませるということかもしれませんが、ちょっとそういう場面が多すぎるような気がしたのです。
原作を覚えている人なら、問題なく付いていけます。

△ ―→ 流れがちょっとスムーズすぎる気がしました。
いや、仕方ないことは分かっているんですが、もう少し深く”感情移入”したいな~という話です。でないと、シリアスな場面でもシリアスになれないし、泣ける場面でも泣けないので。

もちろん、これは好意的に取れる部分でもあります。
だらだらと頭の痛い言葉が並べられるよりかは、テンポ良く楽しめるほうがいいですよね。


◆=== 人物について ===◆

△ ―→ キャスティングは、原作の思い入れ具合によりますかね。
見た目が許容できないなら、そもそも見に行かないと思うのでそれは置いておきまして。
人物像も、半数以上が微妙に違ったりします。本当に微妙でしかない違いの人物もあれば、わりと大きく違う人物もあり。

小中大(こなか まさる)がまるで別人になっているのは、公式サイトの通り。
その他、あくまで”原作との人物像の違い”という意味で気になったのは、真宵ちゃんとイトノコ刑事と裁判長です。
ま、別にこれそのものが悪いわけではないです。ただし、見た目はいいけど性格すら変わっているのはイヤ!という人は、かなり気になるでしょう。

× ―→ 真宵ちゃんにもっと笑って欲しかったな…。
あ、いや。変な意味ではなく。失礼ですが、終始どうも仏頂面(ぶっちょうづら)なのですよ。
何度か笑ってくれたことがあったのですが、この記事を書いている間に思い出したくらいで。忘れちゃうくらい、普段のイメージが重たいのです。

これは、原作と違う意味もありますけど、そもそも未経験者が見てもいい気分じゃないのでは?ということでも指摘しています。
彼女の立場や性格の輪郭が、どうもハッキリしないという感じなんですね。事件に関わる重要人物のハズなのに、そこまで掘り下げられない。性格は終始暗い面持ち。
未経験者からすると”ただの根暗で怪しい少女でした”で終わっている気がしてならないのです。


◆=== 演出や見た目について ===◆

○ ―→ 「異議あり!」や「くらえ!」の演出はGOOD!
証拠品が空中映像で映し出されて、時にはそれを証人などに叩きつけるという。あのインパクトを、映画でこういう形に落としこめたのが、素晴らしいと思いました。近未来風な演出も、思った以上に違和感なく溶け込んでいます。
その他、原作経験者なら胸踊れる場面もチラホラ。○○○マンのバルーンとか、大画面で見るとちょっと感激でした。

△ ―→ 前半に比べて、後半のインパクトが心持ち弱かった印象です。
もちろん物語的には後半のほうが盛り上がりますが、いわゆる証拠映像の叩きつけあいとかが前半と比べると少なめで、普通の裁判のように言葉だけで議論する場面が目立ちました。ちょっともったいないかな~…。
もっとこう、バシバシ相手にダメージを与えまくるくらいの攻めがあっても、良かったかな~と思っちゃいました。ま、これも原作の思い入れが強いからこその意見かもしれません。

△ ―→ ギャグ要素は、一部ちょっと古臭いかな?という印象でした。
私はクスリとできたのでいいですが(笑)
ただ、笑いとシリアスのメリハリは付いているので、その点は良いと思います。

あと、とある場面でのタ○○くんの登場が、シュールで面白かったけど意味不明でした(笑)


◆=== 音楽について ===◆

○ ―→ 音楽は、概ね違和感なく流れていたと思います。
正直、見た目のほうに集中しちゃっていて(笑)
あと、一部で原作のアレンジ曲が流れたのは、原作者にとっては嬉しい要素ですね。いや、もしかしたらアレンジ曲がたくさんあったのかもしれませんが、私がハッキリと分かったのは2曲だけでした。



■====== まとめ ======■
(ほぼ)同じメンバーでいいので、2を作って欲しいと思えるくらい、面白いと思えました。
法廷バトルの表現方法と、物語をうまく落とし込んだ巧みさ。本当に感心させられました。


原作経験者は、見た目と(あらゆる意味で)原作との微妙な設定の違いが許容できるのであれば、大抵の人には楽しんでいただけると思います。

未経験者は、ちょっと話に付いていきづらいかもしれませんが、その流れるような法廷バトルが思いのほか目を釘付けにしてくれると思います。
ただし、リアルな裁判を期待しないで下さい。これはあくまで、仮想世界の裁判ですので。霊媒などの非現実的な要素を受け入れられづらいのであれば、原作のゲームも映画も、あなたには合っていません。
そういったズレやおバカ要素をそれなりに許容できる人なら、未経験者でも楽しんでいただけるでしょう。

あと、真宵ちゃんに関しては重ねて失礼ですが…経験者は、相当広い心の持ち主でないと許せないと思います。真宵ちゃんに思い入れが強い人は、例外なく激怒でしょうね。
私でも、他は全然許容できたのに対し、真宵ちゃんはちょっとな~…となっちゃったので。見た目か、人物像か、活躍度。せめてどれか1つだけでもノルマを達成して欲しかったという気持ちでした。

万人向け ← ○○○●○○○○○○ → マニア向け
真面目 ← ○○○○○○○●○○ → ギャグ
ストーリー重視 ← ○○○○●○○○○○ → ビジュアル重視
 経験者向け ← ○○●○○○○○○○ → 未経験者向け 


その他のタイトルの評価は、こちらからどうぞ
※映画のインプレッション記事は「その他(映画・DVD・アーケードなど)」からどうぞ。
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