感染症の三たびの蔓延を鑑みて、隣県に住む妹家族が帰省せず、とても静かなお正月……になるはずでしたが。
おもてなしの品や、幼い人たちへの気遣い料理がないぶんだけ、食卓はコンパクトになりましたが、それ以外はさほどいつもと変わらぬ三が日となりました。
ただ…かわいい盛りの甥と姪とが巻き起こす、笑いとドタバタのタイフーンがない元日はなんとも拍子抜けで、もの足りないような、淋しいような。
それでも、年明け早々から隣家の母がいくつもの天然ボケを炸裂させてくれたおかげで、その大笑いの声とともに、淋しさもあっという間に吹っ飛んでゆきました。
そんなわが家の、元旦の食卓。
お節料理は、例年どおりにお皿スタイルで*
お重には仕立てず、食べたいものを、食べたいだけ作るかたちです。
クリスマスの翌日には母と打ち合わせをして計画を立て、いっしょに買い出しに行き、母屋とわが家、ふたつの台所を生かして、手分けできるものは手分けして下準備。
そうして31日に、実家の台所にて総仕上げ。
(なぜならば、味付けの総監督が母だから。 私は未だ教わる身 ^^; )
長年変わらぬレシピがほとんどですが、母の発案での新作のひと品があったり、定番にひと工夫加えたりすることも。
そんおせちの中で唯一、私単独のレシピで作る品が、これ。
金柑の甘煮です。
何が違うのか、母が煮たものより私の作るもののほうが中の果肉がトロリと仕上がり、家族もそれを好むので、こればかりは私が。
今年は食べるクチの数が少ないので、大玉の果実を、少しだけ。
(この写真は、半分くらいの種取りが終わったところ)
閉そく感に満ちた一年を過ごしたせいか、おせちを作り始めたときには、母も私も「なんや新年を言祝ぐ気分でもないなぁ」とイマイチぱっとしない気分でしたが、黙々淡々と手を動かし、室内にお出汁や黒豆の香りが立ち込めると、「あぁお正月が来るんやなぁ」という実感がわいてきて、少しずつ楽しくなりました。
この新しい一年こそは、もう少し気楽に呑気に、大きなくちを開けて遠慮なく笑い語れるようになってほしいと、心から思います。
そのためにも、私が個人でできることは、より慎重に、より万全にこなしていきます。
心身ともに開放できる日が、早く訪れますように。