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日記地獄

~世界の終わりが砕け散る編~

しかし2階の床が抜けそうだ

2010-02-22 15:33:32 | マンガ
・先週びっくりしたことがあった。 藤田まことが死んだことではない。 それよりもだ。
林田球が女!! 
全然知らなかった。 世間一般には知れ渡ってることだったのかもしれないが、あの画風、あの内容、B級映画テイスト満載感、いやはや驚いた。 遊びに来ていたむっつりさんも知らなかったらしく驚いていた。

・しかしむっつりさんのマンガの情報量はすごい。 まあ仕事だから当たり前か。 
俺の知らない若い世代の今のマンガはあの人に聞けば大体分かる。 ありがたい。 


・昨日はまんだらけに買い物へ。 前から行きたかった「まんが祭り」である。 
1冊105円、2冊で210円。 だけど、3冊買っても210円。 B級といっても元々状態の良いキレイなマンガを扱うまんだらけ。 ブックオフみたいに誰もが読めるようにはなってないし。 中には古いマンガで汚いのもありますが1冊70円なら充分です。
(遅読の俺にはレンタルや漫喫よりも安上がり)

一緒に行った彼女は最初は尻ごみしてましたが、途中からは『女のバーゲン魂』に火が点いて、「少女マンガが少ない!」と怒りながらも特設会場を走り回っておりました。 「秘密」(清水玲子)や「鋼錬」(荒川弘←この人も女だ)など、最後は「カムイ伝」の豪華版を数冊購入してました。

いつも安い駐車場に車を止めるので、帰りは数十キロあるマンガを抱えて歩く。 つ、つらい。


・俺もたくさん購入したのですが、その中で「レベルE」。 この人のマンガは好きではないのですが「レベルE」は面白かった記憶があり(良いものは良い)、内容をほとんど忘れているので買ってみた。 

連載当時から濃い名前が出てくるのを分かっていたが、この歳になって分かることがいっぱいあった。
惑星の名前はドグラ星(マグラ星も出てくる)、登場人物は筒井雪隆、江戸川美歩(親父は蘭蔵)、坂本奄悟、夢野九四郎、読んでる本は「少女地獄」、敵の将軍はルチ将軍(レベルは1300)、サゾドマ虫、etc。 
海外のSF小説は分かりませんが、映画の「ゼイリブ」があったりと、分っかりやすく「週刊ジャンプ」でなかなかがんばっている。 ルチ将軍の1300にはニヤリとした。 
記憶の中ではもっともっと濃かったが充分面白かった。


・「あしたのジョー」の実写化話も聞いた。 山ピーらしい。 好きにしてくれ。 ハットリくん、怪物くん、ヤッターマン、GANTZ、etcジャニーズ少しは自重せい。 「大奥」(よしながふみの方ね)もやるらしい。 「AKIRA」も遂に動き始めたみたいだ。    

ドラハッパー

2010-01-15 01:03:09 | マンガ
shibuさんのコメントに返信しようと思いましたが、長くなりそうなので本文で。

いつも俺とshibuさんの濃いコメントに「わけ分かんねぇ! 日本語話せよ」と思ってる人が、もしかしたら、ひょっとしたらいるかもしれません。 なので今回はちょっと解説付きです。

『藤子・F・不二雄 SF短編集』
え~まず藤子のAとFは分かりますか? 俺の彼女はこの段階で挫折してましたが。
簡単に言うと作品がパチンコになるのがAでならないのがF。 分かりやすいでしょ? ダメ? 
背景がやたら黒いのがAで白いのがF。 ロリコンなのがFでそうじゃないのがA。 分かりましたね?
分かりにくいですね。 すんません。

え~作品でいうと「ハットリくん」、「怪物くん」、「笑うせぇるすまん」、「プロゴルファー猿」がA。 
「ドラえもん」、「パーマン」、「キテレツ」、「エスパー魔美」がF。
(「オバQ」は?という難しい質問は無しですよ。 あれは石ノ森です。とまた濃い話を)

そう一般的にはブラックなのがAとなってたりする。 事実「魔太郎がくる」とか「ブラック商会変奇郎」とかね。 だけど実は「ドラえもん」をちゃんとマンガで読めば分かるように、Fも同じくらいブラックなのです。 

そんなブラックなのとSFなのを集めたのが「SF短編集」。 高いSF性を持った作品が多いのだが、ここでのSFは<すこしふしぎ>の略です。 簡単に言えば星新一、筒井康隆かな。
俺は藤子不二雄は昔からあまり好きではなく。 今も別段好きではない。 だけどこの「SF短編集」だけは好きなのです。 (月曜ドラマランドで見た「夢カメラ」の影響が大きい)
ブラックたっぷりなオチがあったり、しょうもない下ネタがあったり、メタなセルフパロディがあったり、ノスタルジーともなんともいえない不思議な作品があったり。 Fの決して上手いとは言えないタッチやコマ運びにも合っている。 そんなマンガである。
以上、説明終わり。


むかーし昔、ブログを始める遥か前、まだ俺がパソコンを持ってなくて、実家で妹のノートパソコンを勝手に使っては、たまにshibuさんと観た映画についてメールのやりとりをしていた時期があった。 今は原文なんかは残ってないが濃い内容を書いていたと思う。 
その時に「アイアン・ジャイアント」(アメリカのロボットアニメ映画。 ロボットと言ってもピクサー臭のする奴です)の話になり、shibuさんが「FはSF短編集の『鉄人をひろったよ』で何年も前に『アイアン・ジャイアント』をやっている」と言っていた。 おぉ確かに言われて見ればごもっとも、なるほどなるほど。と共感し、また「SF短編集」を読みたいものだと。 それから買い集めたのだ。 

単行本はいろんなサイズで発行されていて、文庫サイズはあまり好きではないのだが、てんとう虫コミックスが集められなかったので、中公文庫の「SF短編集」全4巻、小学館文庫の「異色短編集」全4巻、小学館コロコロ文庫の「少年SF短編集」全2巻を集めた。 

そして去年それの「SF短編集PERFECT版」といわれる愛蔵版、でっかい分厚いのを全巻大人買いしたのだ。 2006年に「まんだらけ」が栄にある時に見かけて高額なのにビビって買い逃したのだが(06.1.25のブログに掲載)、去年2度目の遭遇。 
ケースの中に「○月○日○時より売り出し開始」と日時指定で売り出されていた。 その日は仕事で疲れて「仮面ライダーディケイド」も見逃すくらい寝過ごしてて慌てて、3度目は無いと大須まで車を走らせ買いに行ったことを覚えている。
しかし「藤子・F・不二雄大全集」が刊行され始めた今となってはまるで意味がないのだが…。

1月1日のshibuさんのコメントだと
<俺が持っているのは「少年SF短編集1~3」と「異色短編集1~5」までだが> とある。
これから推測するにshibuさんは「てんとう虫コミックス」で持っていると思われる。 俺はそっちを持ってないので何が収録されているかは分かりません。
完全版は、それまでの未収録も含む全ての作品が収録されてるのが売りだったので全てが入ってると思います。

しかし、上述したとおり「藤子・F・不二雄大全集」が刊行され始めた今となってはまるで意味がないのだ!! 
♪ちゃんちゃん。 別にいいもんねぇー、これだけでいいもんねぇー。

写真は「先生も興味津々のSF短編集PERFECT版」の図。 (全巻帯付き)

2009・ンポー その2

2009-11-11 21:04:53 | マンガ
・マンガ

サボってます。 気になるのはあるんだけど(「星守る犬」とか望月の新しいのとか)、なかなか手を出せずじまいで終わってる。 既存の単行本を買い続けてるのですら、つづきが気になるのは「竹光侍」くらいのものである。

そこでちょっと趣旨を変えて、映像化されるマンガについて。
なんかえらいことになってる。 今、知ってるだけでも「大奥」、「ソラニン」、「GANTZ」と単行本を持ってるマンガが実写化されるそうだ。 大丈夫か? 大丈夫なのか?

1番驚いたのは、昔ブログにも書いて一応全巻持ってて押入れに眠ってる「いばらの王」! これはアニメ化らしいが、なぜ今頃? 人気もないしカルトでもない。 「GANTZ」と同じく最初の出だしだけはおもしろい、『つかみはOK』ってやつだ。 だけどねぇ。 不思議でしょうがない。

ブログでも推した「銭ゲバ」、むっつりさんの店で俺が唯一読んでた「カムイ伝」など、なぜか気になってたのが映像化される。 (しかし見事に全部、松山ケンイチだ。 「セクシーボイスアンドロボ」といい、「デスノート」、「DMC」といい、マンガ原作はこいつに全部やらせればいいんじゃねぇ?) 

そう、かなりの確率で気になってたマンガがなるのである。 「夕凪の街 桜の国」の時もそうだった。 「フリージア」も。 アニメでは「ぼくらの」、「シグルイ」なんかも驚いた。 
別に『俺すげぇ』なんてことは思わない、逆にできればやめて欲しい感がある。 好きなものが広く認知されるのは良いが、「どろろ」の恐怖が蘇る。 あんな風になるのだけはごめんだ。 
少し前にshibuさんのブログにも書かれたように「トムとジェリー」の実写化も待ち構えている。 

マンガではないが、もう1つ。 俺が子供の頃から好きな絵本がある。 2、3年前の副会長の誕生日に本屋を探してプレゼントした絵本だ。 「かいじゅうたちのいるところ」。 
内容も絵も好きな絵本。 6、7年前に海外のフィギュアを大須で発見した時、買おうかさんざん迷って、コンプじゃなかったのと高額ということで買わなかった、そのくらい好きなやつ。 
なんと、それまで映画化だ! マジか! なんでなんで??? 
絵本の短い内容を映画化なんて、どうせクソ映画になるのは目に見えてるんだけど。 監督がスパイク・ジョーンズらしい。 (「マルコヴィッチの穴」最高!!) ちょっと期待しちゃうがダメだわな。 

ってことで、なるんじゃねぇ?と思われるの独断と予想。
「よつばと」:作者が反対するのは予想されるが「あずまんが大王」やったからな。
「少女ファイト」:やりやすそうだし、そろそろ日本橋のは1作品ぐらいやるのでは。
「SOIL」:「BAMBI」実写化が流れた経緯も含めて。(R-18指定だな)
「竹光侍」:時代物ブームと、なんだかんだ大洋はよくなるし。
「雷火」:同じく歴史ブームにのって。 「カムイ伝」やる今なら何でもやれる。
「BANANA FISH」:いつかやるんじゃないかと高校の頃から。
「ぼくの地球を守って」:いつかやるんじゃないかと高校の頃から②。

上半・期ンポー 2008 その2

2008-07-15 23:15:21 | マンガ
・マンガ
サボってたせいだけではないと思うが、新しい発見はなかった。 既存ので単行本楽しみにしてるのはたくさんある。 あいかわらずテンションの落ちない「シグルイ」、やっと最初のヤマに入ってきた「竹光侍」、結末どうするんだ「ぼくらの」、盛り上がってんだかないんだか敢えてスカしてんだろ「機動旅団八福神」、そして今まで書いてなかったけど「おやすみプンプン」。

浅野いにおの「おやすみプンプン」は、始まった当初はっきり言って期待してなかった。 ところが1巻の巻末の宣伝文句が「絶望の第2巻へつづく」と。 それまでそんな「絶望」とかなにもない状況からどう変わってくのかと期待してたら、ちゃんと2巻でやってくれてます。

今いにおはメジャーでは決してないがサブカル好きの間ではメジャー過ぎて、と中途半端な位置にいると思う。 こういう作家の辛いところだ。 
そしてこの作品は主人公家族を人間ではなく鳥というか違う生物で下手くそな簡単な絵で表現してる。 これはメジャー誌に対する挑戦であり、作品の表現上やりたかったことだと思う。 決して手抜きではない。 これを見て手抜きとか言う奴はバカだ! 『メジャー誌への挑戦だ』と書いたのは、「ハンター×2」冨樫や「バスタード」萩原に対するってことだ。 分かる人は分かってください。

2巻の帯に、音速ラインやRIP SLYMEがコメントを載しているが、そこにある伊坂という知らんオッサンのコメントが良かった。

「浅野いにおさんは、メインストリームと前衛のどちらへ進もうか悩んだ結果、『前衛でありつつ王道を走り抜ける』という凄いことをやろうとしているような気がします。 センスと技術が図抜けているので、何だか易々とこなしているように見えるけれど、たぶん、誰も真似できない。」

俺も前に書いたがセンスが良いのだオシャレなのだ、これはもう天性の物なので普通の人はどうしようもできない。 昔マンガ家と言えば、汚くてダサくてセンスなんて物は皆無で、殊ファッションなんてキャラの着てる服なんてものは記号であった。 それが江口寿史あたりから変わった。 履いてる靴がコンバースと分かったり、着てる服のブランドが分かったりと。 (センスってのはファッションのことだけじゃないが) 

今の若い世代がマンガを普通に受け止めれるのは、こういった人達が増えたからだ。 俺達世代もマンガに対する抵抗は少ない方だが、やっぱりマンガ読み=オタクのレッテルは貼られていた。 自分の中の想いや怒りなんかを「音楽」として自己表現するのはカッコイイと言われるのに、「マンガ」として表現すると何故かまだオタクなのだ。 マンガがオシャレなものにはこれから先もなりはしない。 それはしょうがない。 だけど若い人達には大分オタク感は薄らいできてる気がします。

閑話休題。
「おやすみプンプン」2巻では、小学生の時に好き同士だった女の子とひょんなことからすれ違い、中学生になり2年間一言も口を聞かない、目すら合わない状態、んで自分の部活の先輩と手を繋いで帰っていく姿を目撃。 最後のコマは〈地獄〉の2文字で終わりを迎えている。

巻末の宣伝には「さらに絶望の次巻へとつづく」と書かれている。 期待大だ。 08'初夏に発売予定と書かれてるんですが…先月むっつりさんと話してるとまさかの「ヤンサン休刊だって」。 そこそこ良いマンガやってたはずなのに、売る為のグラビアもがんばってたのに(逆にグラビアに金使い過ぎてたんじゃないのか?DVD付けたりしてたからな)、雑誌が売れない時代ですな。 ヤンサンぐらいのメジャー誌でこの状況。 これこそ〈地獄〉。

ってことでマイベストは「おやすみプンプン」浅野いにお。


下半・期ンポー 2007 その3

2008-01-10 22:50:02 | マンガ
・マンガ
下半期ハマったマンガ家がいまして。 皆さんご存知の桜玉吉。 えっ?知らない? 「タワドリ」の、「しあわせのかたち」の、前に書いた「みんなで読もうコミックビーム」の玉吉です。 青春時代に1度でも「ファミ通」を読んだことがあれば、絵は見たことあるはずです。

その人の描く私小説風な「日記」シリーズにハマった。 (この風っていうのが重要。 どこからがフィクションなのか) 「防衛漫玉日記」、「幽玄漫玉日記」、「御緩漫玉日記」と何冊かは前に持ってたし、ビームで読んでたりしたのですが、全て購入しちゃいました。

最初はスタッフとの企画物の日記から始まって、どんどん日々の日常を描いていくようになる。 この人もウツでありまして、途中からはダークな世界に行っちゃって。 あっちの世界行ったり戻ったりを繰り返し、途中休筆したり、ヤバいことになったりして本当に辛そう。 暗い時は絵柄にも反映されて、つげ義春だったり水木しげるだったり毎回ころころ変わる。 本当に暗い時は救いようのない絵になる。

だけど基本ハイテンションなのです。 旅行したり酒飲んだりバカなことしてすごい楽しそう。 知らない人が読んだらウツなんて思いもしないでしょう。 

そんなとこが俺も似てる気がして共感できて。 同じくウツで大好きなオーケンよりも俺のはこの人に近い。

「幽玄~」の終わりの方に描かれてる話で、どうしても最後の一歩が踏み出せないのは…「愛する人がいるから」と次のページで、たぶん両親であろう人が描かれている。 俺も一緒で死を考えたことがあるが、やっぱり両親が生きてるのに先にいくことはできなかった。 最後に立ちはだかった大きな壁はそこだった。 何回か話したことがあるので俺をよく知ってる人は知ってるでしょう。


あまりにも辛いので思い出したくないが、学生の頃に山の先輩が自殺をした。 その人は他の人とは違う独特のクセのある人で、俺には圧倒的なカリスマを持っている人で。 あまり群れるのが好きな人じゃなかったが仲良くさしてもらっていた。 1人暮らしをしていた大学の下宿先まで自転車をこいで遊びに行ったこともある。 一緒に酒飲んで、次の朝は釣りをして、その魚を食って…などした、その下宿先で1年後に首を吊って死んだ。

その事実を学校から帰って母親に知らされた時、死ぬほど泣いた。 自分でも驚くくらいとにかく泣いた。 多感な時期だったからかもしれない。 こんな言い方失礼だけど、連れが事故で死んだ時も、身内の祖母が死んだ時も、それほど泣けなかったのにだ。 


マンガはもっとバカでくだらん内容なんだけど、何故かその事を思い出した。 そんなことも含めて下半期のマンガは桜玉吉です。 吾妻ひでおの「失踪日記」よりは断然こっちです。

上半・期ンポー2007 その2

2007-07-19 23:15:35 | マンガ
・マンガ

いやぁー厳しい。 残念ながら新しいので良い出会いはなかった。 しいてあげれば松本大洋「竹光侍」 

これは時代劇マンガブームというマイブームの影響もある。 
と言っても「バガボンド」や「あずみ」などではなく、06上半期ベストにした「シグルイ」や平田弘史などの流れだ。 いまは「カムイ伝」がすごい読みたい。

自論ですが、歴史ものに行ってみたり、実在の人物を何やらするってのは、ある程度想像できる話をやり遂げた(だから描かしてもらえるってのもあるが)歳いったもの書きの行きつく道で。 
最近はその流れが早くなってるのでは?と。 井上「バガボンド」、山口「シグルイ」、岩明「ヒストリエ」などなど。 そう思うと藤子Fはすごい。

大洋も自身で、自分の書く原作は「ピンポン」をやっていたあたりからもう楽しめないでいた、と発言してて。 もうやり尽くしてしまったのだろう(か?!)

「竹光侍」は長年の付き合いで大学先輩でもある永福を原作に迎え、ますます絵に専念してる感じである。 作品ごとに画風を変えつつ「ナンバー吾」で細い線に(ペンと筆を使い分け)持っていったのを、また初期の太い線に戻り大洋特有の遠い線と近い線の区別を分からなくしている。 
大洋が「下手だ」と言う人は、この人物と背景がくっついてるとこにやられてるのではなかろうか? 


余談だが今年の「オタク大賞」で、『マンガ読みのレベルが落ちている』という発言があった。 一緒に見ていたelさんに「どういうこと?」と質問された。 上手いこと言えないし、俺も誰かに尋ねたわけではないが、なんとなくそれは感じる。 
放送では内容(物語)の部分に於いての発言だったが、俺は絵(演出)にもそれを感じる。 
大洋作品はたしかに「読みづらい」。 描き込まれた背景などは特にだ。 しかし同じく描き込む荒木作品とは明らかに違う特異性だ。 松本作品は速読を許さない、読み飛ばす(される)ことを許さない。 それは絵の完成度の高さゆえなのだ。 
しかし苦になる「読みにくい」ではなく、心地よさがある。 逆に「ジャンプ」などは一冊15分20分で終わらせるよう、一般のマンガがいかに速読を促すように描かれているかということを教えてもくれる。 それもある意味技術の向上なのだが…。 
ストーリーを追う為だけで知恵を絞って絵を追わない。 質より量は読んでるマンガ読みが多くなる。 こういったのがあの発言を産んだ一因なのだろうか?


まっ、とにかく今回はしいてあげればの「竹光侍」。 連載もだいぶ経ってから知ったぐらいだ。
珍しく女性キャラもいる。 これは原作付きの良い影響。 大洋は女描くの下手で、今までの作品はババアかガキばっか。 初めてじゃなかろうか。 幅を出すにはもってこいである。
映画「青い春」の小泉今日子の役は原作にはいなかったしな。 まあ、長い眼で見守りましょう。


佳作は平田弘史「大地獄城・血だるま力士」

もう、これでもかこれでもかの残酷不幸なドSな内容。 オリジナルよりページ数割かれ、大幅な加筆修正を加えられたとはいえ、ありがたき復刻。 安く読めるのが嬉しい限り。

家に遊びに来たsaskeさんが、たまたま手にとり、やめれなくなり一気読みして、帰りには違う平田作品を借りて帰ったってことで、この作者のすごさを感じて下さい。

もうなんでもありですな

2007-03-18 10:36:25 | マンガ
金曜にコンビニに行ったら、また俺の気になるニュースが飛び込んできた。
ヤンサンで浅野いにお、新連載スタート。 普段はほとんどマンガを雑誌で読まないんであまり関係ない。 しかし、そのタイトルのところに小さく

「ソラニン」映画化決定!! 

だそうだ。 (yuppe、俺のブログ読んでるかな?)
松本次郎同様、今現役バリバリのマンガ家で好きな人は、この浅野いにお。 そんで松本同様、俺が1番そのマンガ家でつまんないと思う作品を映画化するんだから、たまったもんじゃない。
むっつりさんに報告すると「何やっても一緒」と言われたが。 映画化だ、ドラマ化だすると飛びつく輩がいるじゃないですか? その時にやっぱりおもしろい作品を見て欲しいじゃないですか、好きなマンガ家なら。 なんであえてそれ? たしかに他の作品は暗いし重いし難しいのは分かるんだけど。

4月スタートのドラマでは黒田硫黄の「セクシーボイスアンドロボ」が始まるらしい。 これにはむちゃくちゃ驚いた! なんてマイナーな。 このマンガを知ってる人は少ないだろう。 周りで知ってたのは、激やせダイエットに成功して彼女もできたあの人くらい。 昔みんなで集まってる時にこのマンガの話出たんだけど、誰も覚えてないだろうなぁ。

マンガ家なんて原稿料安いから、昔はいかにアニメ化して商品化するかが儲かる道だったのに。 今や映画化、ドラマ化で小銭稼ぐしか無いんだな。 そういうしやすい作品ばかりを編集側も描かせるだろうし。 
しかし黒田硫黄は無いよな。 ジブリもやっちゃうし。 あの人「映画に毛が3本」で映画いろいろ酷評してたけど自分の作品はどうなんだろうね? 

テヅカイズム

2007-01-21 20:52:13 | マンガ
ビデオに録っといた浦沢のNHKの番組を友人Tと見た。 やはり、この人はそつなく全てをこなせる人で「器用貧乏」というかなんというか、そんな印象を受けた。 

自分の好きな物だけを描く作り手ではない。 『職業マンガ家』のマンガ家なのだ。 
音楽と一緒である。 いや、世の中全ての創作活動と一緒なのかな。 「売れる物」を作らなくちゃいけない。自分の描きたいものと違っても。 浦沢はそれに余りにも忠実で。 
それがプロなのだからしゃあないんだけど。 だからこの「プロフェッショナル」という職業のプロを映す番組に出たのかも。

もはやマンガなんてものは一人で作られてる物じゃない、なんて誰もが知ってること。 アシスタントとかと言う意味じゃなく編集など、この番組ではブレーンと呼ばれてた存在の事である。 浦沢作品にはプロデューサーと毎回紹介があるその人がちゃんと登場したし。 読者の求めるものと違う事で苦悩する浦沢も映っていた。 ひねくれた見方をすると、この番組はその言い訳をするための番組だった気がする。

なかには自分のやりたい事を貫き通してるマンガ家やミュージシャンやらたくさんいるのも事実。 売れた後でも(まっ、余裕があるからなんだけど)その立場に戻って行く人もいる。 
真面目な優等生で、いまだに締切や読者が恐い。 だからこそ、「手塚」があの人にとって神様なのだなぁと思った。 (手塚の作品を見ろ。 多くの作品の巻頭に言い訳や読者の恐怖が描かれている。 マンガを愛してるからこそだが)


友人Tと話てたんだけど、不思議だったのが昔の作品がほとんど紹介される中で「MASTERキートン」や「パイナップル・アーミー」がちらっとも紹介されなかったこと。 この2つって講談社だっけか?だったら小学舘の作品だけ扱えたんだな。

そこから「2007年問題」の話もした。 団塊世代のリタイアはマンガにも影響を及ぼすと言われてて、電車通勤なんかや飲食店への販売が落ちる。 「PLUTO」のやってるビッグコミックなんかは確実に売り上げが落ちる。 やってるのは「釣りバカ」やら「あぶさん」「浮浪雲」などのおっさんマンガ中心。 そこで若者層も取り入れようと「PLUTO」の連載が始まったのだ。 こういうとこも浦沢は真面目なんだよね。

俺は福ちゃん派(褒めてくれないとダメ)

2007-01-14 16:46:34 | マンガ
ちょっと前にshibuさんのブログで『井上雄彦がすごい画力』というのを読んだ。 コメントで書くべきなんだけど、shibuさん以外にも読んでもらおうってのと、長くなるんで俺のブログで書きます。

井上は確かにすごい絵が上手い。 いや上手い。 べらぼうに上手い。 それは紛れも無い事実。 特に少年誌から青年誌に媒体を変え、ペンから筆に変え連載してる「バガボンド」は記号的な絵ではなく、気合い入ってんなぁと唸る。
だけど、これは好みの問題になってくるが俺個人で言うとあまり魅力を感じない。 「画力」はあっても「マン画力」は??である。 「絵が上手い=画力」ではないし「画力=マンガが上手い」ではないから別問題なのだけど。
  
少し前の時代に「1枚絵」としては上手いが、…マンガとしては??という絵を描く人が同人誌などに大量に現れた。 世代の差なのかもしれないが、綺麗な絵・読みやすい絵=上手い、ってなってるのが主流の人達がいて。 その当時は絵の水準が大きく上がり素人でもみんなそこそこの、みんな似たような絵を描くのである。 だけど、それがマンガとなると上手い絵がただ並ぶだけであり、ネーム、コマの流れ・表現、人物の動き、ページの演出etcではお世辞ながら上手いと言えないのがたくさんでた。 

「スラムダンク」のセリフの無いあの有名な試合のシーンをとっても、みんな動きがあると言うが、俺には、…うーん、そうだなぁ例として挙げれば「セスタス」や「エアマス」「NARUTO」なんかの動き?あれに近い気がする。 さすがに「聖矢」ほどではないが。 
逆に「あんな下手な絵」と友人に言われた松本大洋の方が動きを感じる。 「ヘタウマ」って言葉は好きではないが、(いつも大洋出してごめんね)俺には「ウマウマ」である。 「吾」のNo.3との戦いは必見。 大洋は全てが、まんま絵コンテでそのまま映像化できる。 
そう!分かりやすく絵画で言うと、ピカソの絵を上手いと思えるのか?ってことだ。 俺にもまして「マンガ読み」のshibuさんが言うのだから間違いないことなのだが。 もうこの辺りは個人の好みですね。

少女マンガほとんど読まない俺の耳にも入ってきた事件だが、ちょっと前に絵が「スラムダンク」のまるまるパクりというマンガの大問題があったよね。 (作者干されたみたいですが可愛そうです。 今のマンガは作者1人で作ることほぼないでしょ? 編集やらなんやらも関わってるもんな) 簡単に言えば、時間はかかるがある程度の絵が描ければクオリティに差はあれど、あの絵は描けるのである。 逆に崩した絵にはそうとうなセンスがいるのだ。
(別問題で肖像権や著作権のことだけど、この事件の時に誰かが言ってた。 じゃあバスケ雑誌とかで使われた写真とかのまるまるトレースに近い井上の絵は問題じゃないのか?と。 参考で見ながら描いたってんなら一緒じゃんと。)


マンガってのは不思議な物で。 マンガをあまり読まないuedonさんが前にポツリと俺に言ったことがある、すごく共感した言葉
「手塚の描く女性はエロい」
これは「おおっ!」って感じでびっくりでした。 俺もずっとそう思ってた。 むっつりさんは「分からん」と言ってましたが。
手塚自身あんだけ絵が下手で悩んでたのに、すごくキレイに描かれた今の絵の女性よりも、古くさい5頭身に近い、何でもない手塚の絵に魅力を感じるのだ。 線やバランスやしぐさがそうさせるのか下手くそなのに上手いのだ。 

よく言われるのだが「大友以降の世代」。 俺も確実にその「大友以降の世代」の1人だから、手塚が言ってた「キャラは記号」ってのは古い考えだし(これはひがみに拠る発言だと思うが)、そんな絵にはヌルさを感じる。  
だけど不思議だよね、今の上手いと分かってる絵のマンガよりも、古いマンガの下手と分かってるマンガの絵に魅力がある。 そんなのがマンガの魅力の一つなのだ。   

よつばと

2006-12-28 23:39:52 | マンガ
密かに「よつばと」の布教活動を行なっている。 今はuedonさんに5巻まで貸した。 けっこう無理矢理に貸したと思われる。 読んでくれてると良いのだが。 

そんな中、6巻を買った。 今回も笑かしてもらった、それでいて優しい気持ちになれる、ありがたいマンガだ。

俺はおもいっきり虎子派なので、久しぶりの登場は嬉しい。 虎子って言うと嫌なマンガのデブな女を思い出してしまうが。 こちらは痩せてて、いつもパンツスタイルで、ショートカットで、くわえタバコで、冷たくてかっこいい。 いい女の条件をかなり満たしております。 
一時期、uedonさんのお姉さんが乗ってる「古いフイアットパンダが良い」と言ってたのは、この影響がでかい。 一見クールな虎子だけど車の上で子供が花火しても怒らんから、ますます良い。
やっぱ車のなかには折りたたみ自転車だね。 これも良い。 隙あらばニケツプレイができるではないか。
ニコ・ロビンもファルネーゼも喜んでuedonさんに譲る、磯山さやかなんてのし紙付けてむっつりさんにくれてやる。 だけど虎子は譲りません。

まあ、そんな熱くなることじゃないや。 

あと今巻で嬉しかったこと。 とっくに読み終わったむっつりさんは気づいてると思うけど

よつば「ピタゴラスイッチ」見てる!!

地元に友人Jがいるのだが、こいつは俺と違ってオタクじゃなくカタギの人間なのに、たまにすごいことを知ってる奴で。 ワイルドワンズのおっさんがテレビに映った時に「このおっさん知ってる?」と訊いたら「あぁサンダーバードの人でしょ」と周りの連れは誰も知らなかったのに、軽く答えてきて驚かされたりする。
「ピタゴラ」俺は大好きで、elさんとsaskeさんが家に遊びに来た時に話したが知らんと言われた。 その「ピタゴラ」を同じく大好きなのが、このJなのだ。
(前ふり長くてごめん、もうちょっとお付き合いを)
この6巻を買う時、本屋にuedonさんと居たのだが。 たまたま「ピタゴラ」のDVD付きの本を見つけて、Jにプレゼントで買ってやろうか迷ってて。 んで、家帰ってマンガ読んだらよつばが見てるではないですか! すんげー偶然。 やっぱ好きなものはリンクしますね。 こういったのすごい嬉しいんですけど。

あと、あさぎ姉ちゃんはパトリック履いてる。 とか
いつもよつばは適当な歌を唄ってるんですが、今回はちゃんとした歌使ってるのに著作権の断り書きがない。 とか
絵本出したんだ、「ぼのぼの」もマンガ→絵本とやった。 やっぱ似てる。 とか
いろいろ書きたくなるマンガですね。