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ひとりごと

難聴 Auditory Neuropathy
人工内耳
オカリナ
最近内容が「ひとりごと」から外れてる時多いです〜

難聴者が見た「レインツリーの国」

2015-11-22 12:21:20 | 難聴

レインツリーの国、公開初日に早速観てきました。早いね(笑)

(私の人工内耳での聞き取りは、TVドラマは字幕なしでは不十分でしんどいですが

なぜか映画は割と聞き取れ楽しめます。)

 

ネタバレあります。ご注意を

 

難聴者を主演にした物語がこうやって映画になった事。

これって、画期的ですよね!

ホントにありがとうありがとうって思いながら観ていました。

 

有川浩さんの本を読んだとき

こんなに難聴者の事よくわかってくれるお話があった!!って感動したこと・・

聴覚障害者のお話は、手話を使うものはたまに見ますが

難聴っていうと扱いが難しいのか ホントにありませんでした。

しゃべれるけど、聞こえる音もあるけど、でも聞こえが悪いし手話も知らない・・という難聴者

こんなお話がドラマ化されたらどんなにいいだろうって思ったものでしたが

それがやっと現実になってホント嬉しかったです。

ワクワクしながら劇場に向かいました。

 

 

さて物語は・・・

 

伸とひとみの出会いから

本のイメージ損なうことなく違和感なく進行していきます。

 

難聴者から見た感想です。

 

ひとみは高音が聞こえにくく低音の方が聞こえやすい「感音難聴」だと紹介されて

そのせいでのエピソードに

会社で男の人からの声かけには対応する横で

女性からの声かけには無視してしまうというのがありました。

女性社員からの冷ややかな不満の目。

ひとみは、自分はしゃべれるし、環境(周りの騒音等)が整えば男性の言葉はわかるときもあるけど 女性の声は聞こえにくい。

でも、そういう聞こえ方はなかなか見てるだけでわかってもらえるものではないんですよね。

そんなことがあってから

会社では 誰とでも筆談、自分もしゃべらず筆談、というスタンスになってしまいます。

これはホントに切実にわかります。

私の場合は反対で 女性の声は聞きやすく男性の声が聞きにくい耳です。

一口に難聴といっても

様々に症状が違ってて・・・

それを人に一つずつ説明することの大変さ・・

言ってもわかってもらえない時もある

すぐ忘れられる時もある

だったらすべて筆談で・・という流れはホント理解できます。

 

忙しい時に書いてる時間がまどろこしくてイライラしている健聴の同僚たち。

 

そんなシーンひとつひとつ・・頷きながら観てました。

 

ところで私は 難聴側の立場ながら

この映画を観ながら

なぜか、このひとみの母に感情移入してしまい

母の切なさに胸が熱くなりました。

帰りが遅い娘を心配して玄関の前で待ってるお母さん。

帰ってきたひとみを見て何かあったなと察知したものの

何も言わずに何も聞かずに抱きしめて背中をさする・・・

私の娘は二人とも健聴者だけれども

ちょうどひとみと同年代なので

自分もひとみの母になった気分になってしまっていました。

 

 

ひとみ家族の食事中の会話で

ひとみの聞こえを再現した場面がありました。

お母さんが話しかけても何も聞こえない(口パク状態)

お父さんが話しかけたら小さな声でむにゃむにゃと聞こえました。

こんな何気ないシーンで

難聴者の周波数による聞こえ方の色々が

見た人たちに自然と認識してもらえたら嬉しいな~と思いました。

 

さてさて、本筋の主役二人の恋愛の方ですが

メールのやりとりで意気投合、会いたい・・という流れ。

 

やっと会えた二人のデートシーン。

食事をと店に案内したら超満員のうるさそうな店「私静かな店がいい」

映画を見よう「洋画、吹き替えはだめ字幕がいい」

退屈するイマイチの映画しかないのに「それがいい」

 

伸の「? 」も

ひとみの「心情」もわかりすぎる 

 

そしてあのエレベーター事件

ひとみを引っ張って降ろし怒る伸。

そこで難聴を告げるひとみですが

 

言ってくれなきゃわからない、と訴える伸に

1回くらい耳の事ごまかして普通の女の子になってデートできるかなって、してみたかったひとみ

どっちの言い分もこれまたわかりすぎる・・・

 

・・・・とまあ、書き出したら

ストーリー全部書き連ねてしまいそうだわ・・あかんあかん

 

これから見る人たちの楽しみを奪ってしまっては・・・

 

主演のお二人は爽やかでかわいらしく好演されていました。

 

メインは二人の恋愛。

「難聴」はドンと前にでしゃばる事もなく

お話は進行していきます。

 

最後にね、二人がハッピーエンドで終わるんだけど

髪を切って補聴器も見せて

服も可愛いの買って着替えてね

見違えるように変わったひとみ。

顔もすっごく明るくなって。

そんなひとみを

家に帰ったときお母さんがどんな顔して迎えるんだろう?って

お母さんと一緒に喜びたかったな~と

ひとみのお母さんに感情移入してしまった私の願望でした(笑)

 

今まで聴覚障害者のドラマ見てると

口が読めるって設定で 横向いた口が読めてたり

接客を一度の聞き返しもなくできてたり

突っ込みたくなることがよくあったけど

 

この映画は自然で気持ちよく観ることが出来ました。

 

「手を口元に持っていってしゃべらないで欲しい。」

「大きすぎる声出さないで欲しい」

って、映画の中でひとみが言ってました。

一般の健聴者の方々に

スーーっと自然に記憶してもらえたら嬉しいな~と思いました。

 

いい映画でした。

 

 2015年12月5日(土)から12月11日(金)までの1週間、公開中の全国すべての劇場で、すべての上映回を日本語字幕付で上映

 

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51 コメント(10/1 コメント投稿終了予定)

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ありがとうございます (まめ太ろう)
2015-11-23 09:57:33
コメント ありがとうございます

玉森くんのファンで レインツリーの国を見
に 行って来ました
いい映画で 感激しています 丁寧に造られ
ていて 原作ではふれられていない所も 何ヵ
所りあり 喜んでいました
気になっていた 難聴者の方からの意見も聞
けて ほっとしています ひとみさんから見た
お父さんお母さんの会話の場面は びっくり
しました 周りに難聴の方がおられたら 真摯
に 向き合って 行きたいと 思います
返信する
まめ太ろうさんへ (ぷーどる)
2015-11-23 11:43:28
初めまして。
ようこそお越しくださいました。

「レインツリーの国」
いい映画ですね。

難聴というものは、パッと見た目わからないし
聞こえ方も人によって違うので
なかなかわかってもらいにくい障害です。

聞こえの低下により対人のコミュニケーションも低下して

だんだん人との付き合いが怖くなったり億劫になったり・・・


そんな中
少しでも難聴というものをわかってほしい、という思いを
この映画が叶えてくれた気がするんですよ

まめ太ろうさんのように思って下さる方が増えると
こんなに嬉しい事はありません。


コメントありがとうございました。

返信する
Unknown (うるる)
2015-11-23 13:22:49
玉森君ファンでレインツリーの国を見に行きました。
健聴者として見てもなんだか考えさせられる事がたくさんありました。また、自分が普段している行動や言動は優しさなのか?同情なのか?自分でもよく分からず、難しいなと感じました。今まで私の中でも耳が聞こえない、難聴というのはひとくくりでした。聞こえないけど話せる、音域等で聞こえが違ったり、対多数の会話での聞き取りの難しさや疎外感等初めての知ることがたくさんありました。
玉森君は演技もうまい方ではないですし、ジャニーズ!という看板がある中での今回の役所、難聴者の方から見てどうなんだろ?と、不安もあったので、こちらのブログと巡り会うことができて良かったです。もちろん映画なのでうまく行き過ぎているところもあるだろうし、人により感じ方も違うとは思います。でも、こんな風に感じてくださった方がいること、有川さんやスタッフ、玉森君やキャストのみなさんに届いてくれるといあなと思います。

私も小学生ですが娘がいます。だからなのか、お母さんのシーンとてもぐっとくるシーンでした。あと、ひとみの聞こえ方で表現した家族のシーンもとても印象的でした。

初めましてで長文すみません。読んで頂きありがとうございました。
返信する
初めまして♪ (けいこ)
2015-11-23 14:28:08
ご縁があり、こちらのブログをみさせて頂きました。目を真っ赤にして読みました。
私も、玉森くんのファンとして初めてこの作品に出逢った1人なので、偉そうなことは言えないですが、少しお話させてもらってもいいですか?
文章力がないので、嫌な思いとかをさせてしまったらごめんなさいっ…>_
返信する
ごめんなさい!↑のコメント消えてしまいました (けいこ)
2015-11-23 15:41:56
再度改めて失礼いたします。
ご縁があり、こちらのブログをみさせて頂きました。目を真っ赤にして読みました。
私も、玉森くんのファンとして初めてこの作品に出逢った1人なので、偉そうなことは言えないですが、少しお話させてもらってもいいですか?
文章力がないので、嫌な思いをさせてしまったらごめんなさいっ。

実は私も、難聴の母がいます。
私は中、高校生のときに、そんな母にキツイことを言ってあたっていました。
恐らく、聞こえないという事実が辛かった。なんで、うちのお母さんだけ?
って思いから、聞こえない母にあたっていました。ひどすぎる娘です。とっても傷付けていたなと。
きっと会社でも、嫌な思いだってたくさんしていたのに…。
今はただ、ただ、後悔しかありません。
思春期であんなに傷付けたのに、よく育ててくれました。やはり母はつよいです。
大人になると気付くものなんですよね。
もっとちゃんとあたたかく守ってあげたかったなって…。私が助けてあげなくてどうするの。って。
ずっと謝れずにいたんですけれど、24歳の結婚式のときにやっと謝れたんです。
そして、その時、これから私がお母さん守っていくって心に誓いました。

こんな事をこちらでお話をするのは、おかしいかな?と思いつつ、娘さんがいらっしゃるとお伺いしたので、もし、万が一、娘さんがキツイことをおっしゃっても、(失礼で申しないです)ちゃんと、お母さんのこと、思っていますからね。


いろいろお話してしまいましたが、この映画でのひとみの家族、母娘のシーンは、お母さんの葛藤、心配、などが鮮明に伝わってきて涙なしではみれませんでした。

難聴の方を差別しないで、振舞ってほしい、難聴なんだって気付いたら、聞こえやすいように配慮してほしい、配慮しなくてもいいから、理解してほしいと願いを込めて、この作品がいろんな人にみてもらえたらなと思います。

あたたかいひとが増えればいいなって思います。


いきなり、生意気で失礼な事をつらつらと書いてしまって申し訳ありません。

でも、映画を通して、こちらのブログに出逢えてよかったです。

どうしても、お話させてほしかったんです。

こんな私が、私がお母さんに対する思いですが…。



お母さん、がんばってください!

読んで頂きありがとうございました。
返信する
うるるさんへ (ぷーどる)
2015-11-23 21:28:35
初めまして。
ようこそお越しくださいました。

玉森君、私、信長のシェフをいつも楽しみに見ていたんですよ。
だからとても親しみがあって、
伸役 楽しみにしていました。

関西弁、大変だったでしょうね。
すごく頑張られてたの伝わってきました。


うるるさんのおっしゃる、優しさなのか同情なのか・・・
これは 難しいですね。

人によって感じ方が違うし
望んでいることが違うかもしれません。

でも、うるるさんのように そうやって難聴者の事を知ろうとして下さること
理解しようとして下さること
それでけでもとっても嬉しい事なんですよ

ありがとうございます。


小学生のお子さんがいらっしゃるのですね。

子供がいると やはりひとみがわが子と重なり、お母さんの気持ちに心重ねてしまいますね。



コメントありがとうございました。


返信する
けいこさんへ (ぷーどる)
2015-11-23 21:57:52
初めまして。
ようこそお越しくださいました。

コメント途中で切れてしまったようで申し訳なかったです。
このブログはなぜか半角の絵文字を入れると誤作動起こすことがあり
もしかしたらそれが原因かもしれません。ごめんなさいね。

再度書いて下さってありがとうございます。


そして とても心打たれるお話し、ありがとうございます。
胸がキュンとなり涙が出ました。

思春期にお母さんにつらく当たってしまわれたのですね。
お母さん、難聴で お仕事もされてて。
大変なこともたくさんあったと思いますが
頑張って来られたのですね。

そしてけいこさんのこと一生懸命育ててくれたんですね。

結婚式で謝られたとの事。

「これから私がお母さんを守っていく」
なんと心強い言葉でしょう

お母さん、どんなに嬉しかった事でしょうか。


私の娘はひとみと同年代なので
もうすっかり社会人なのですが

まだまだ幼いところもあるので(笑)
もしきつい事言われても
けいこさんのお話し思い出して
気楽に聞き流していきますね~。

貴重なお話し聞かせて頂いて
ホントにホントにありがとうございました。

私も難聴のお母さんとして
これからも頑張りますね


コメントありがとうございました。

返信する
ぷーどる (字幕上映)
2015-11-24 11:05:07
ご存知の方も多いかもしれませんが
この映画の字幕上映の期間をお知らせしますね。


【2015年12月5日(土)から12月11日(金)までの1週間、公開中の全国すべての劇場で、すべての上映回を日本語字幕付で上映いたします】

との事です。

1週間なのであっという間な気もしますが・・・
日程が合えばぜひ。


字幕上映にご助力下さった方々に感謝致します。


返信する
Unknown (りょん)
2015-11-24 13:37:58
こんにちは

早速観に行かれたんですね

原作を読んで この作者 難聴者の事を良く理解していてすごいな~って感動していたのですが
何時もの悪い癖で
どうせ映画は
若い子の恋愛物+難聴(秘密のネタとして)
その程度の映画なのだろうと 勝手に決めつけていました
それに原作でも 映画の字幕の場面があるにも関わらず 
映画上映にあたり 字幕を付ける 付けないで
色々と 問題が有ったようですし
たった一週間だけ~??って不満も有り

DVDがでたら 観ようかな?程度に思ってました

でも、ぷーどるさんの感想を読んで
原作には無い部分も有るようですし
私もきっと
母親の立場で観るんだろうなと思ったり

やはり観たい イヤイヤ 観なければならぬ
そんな
衝動に駆られました

最近 フェイスブックで全邦画やアニメに字幕を付けようと活動しているグループに参加しています
その発起人が この映画の字幕上映に頑張ってくださいました 
それなのに私ったら・・・

そんなことも含めて やはり 観ておかなければ

ぷーどるさん 感想を載せていただき有難うございます
12/5に 是非 夫婦50割で
主人を引き連れて 行ってまいります

以上 りょんのひとりごとでした
返信する
字幕情報ありがとうございます〓 (みーしゃ)
2015-11-24 20:29:54
ぷーどるさん、こんにちは。
字幕情報ありがとうございます。嬉しいです。

気になってたんです。一週間てのが、映画の主旨(笑)とズレを感じますが。全館ということなので、ありがたいですね。
今週末にでも、と思ってたんですが、12月までおとなしく待ちます。

返信する

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