▼ 震災半年を超えて、建築家はいま
2011年09月26日03:21
http://blog.livedoor.jp/niigata_sumai/archives/52026716.html
東日本大震災から半年が経過し、ここへきて建築家として被災地に、被災者にたいして何ができたのか、
今後起こりうる災害に対してどう身を処するべきか? そんなテーマのシンポジウムや会議が目白押しである。
屋根の葺替えに、被災した石巻市の雄勝石(天然スレート)を使用するか否かで論議に沸いた東京駅の丸の内中央口先、
丸ビルから皇居の側に伸びる地下道では、日本の近代化遺産としての建築物を集めたDOCOMOMO展が、
また東京国際フォーラムなどでは、建築防災に関するものを含めて、多彩なイベントや、講演会プログラムが用意されている。
UIA2011東京大会 世界建築会議 全体プログラム>>>http://www.uia2011tokyo.com/ja/
災厄の後、住まうことの希望は再生可能か>>>http://www.kenchiku.co.jp/event/detail.php?id=2909
災害における専門家の国際的連携と支援活動>>>http://www.jia.or.jp/resources/news/000/103/0000103/kCMfxhmd.pdf
危機を機会に!災害復興・グローカルデザインを考える>>>http://www.muraji.jp/news/UIAsymposium.pdf
昨日はそんな中の一つ、日仏都市会議2011http://www.sfjti.org/seminaire_Franco_japonais_program.pdfに参加してきた。
基調講演の冒頭、「市民の力で真の震災復興を」と題された森民雄長岡市長の話は非の打ちどころなく、話の後半では東日本大震災の論議の核心ひとつ、
「集団移転」に焦点をあてられ、新潟県中越地震のあとで集団移転でつくられた山古志天空の郷を、
住民が2年半のうちに24回の会議を重ねてつくられたものであると紹介された。
そして緩急・優先順位はあっても、復興を急ぐあまり忘れてはならないことが、自治の原点に返って住民を主役にすべきこと、
それを忘れず支援者それぞれの立場で復興に取り組むことだということを、理想と現実の中で苦悩するう復興の当事者にお示し下さった。
そして、東大生産技術研究所の加藤孝明氏は、少子高齢、低経済成長と財政難という、時代の変局点で起こった巨大地震と大津波、そして原発という複合被害のなかで、
都市計画から災害関連に至る現行法制度自体が対応してるとは言い難い現況で、トップダウンが難渋するのも当然なことで、そこでは政治的なリーダーシップを引き出し、
新たな復興のあり方を模索するうえで、ボトムアップが重要な意味を持つと論じられた。
またその中で新たな社会的な仕組みづくりを萌芽させる意味でも、
①ニーズと技術のマッチング、
②コスト負担の仕組み、
③支援を受ける側の姿勢と体制づくり
の重要性が挙げられた。
そのような中で一方、今後の防災計画においては、リスクゼロはあり得ないことを前提に、
フェイルセーフ(万一の時の二重三重の安全装置)に厚みを持たせ、同時にレジリエンス(危機・困難時における
物理的・心理的対応回復能力)を高めておくことが重要だととらえ、圧倒的な自然の外力=メガハザードの前には、
安全至上主義でヒステリックにリスクの徹底排除に走るのではなく、ある一定程度で壊れることを前提に、
むしろそこからの「対応力」と「回復力」をバランスよく高めていくことが、
これからの都市防災のカギになりうることを訴えられた。 (続く)
【たてもの修復支援ネットワーク】http://shufuku.com/
2011年09月26日03:21
http://blog.livedoor.jp/niigata_sumai/archives/52026716.html
東日本大震災から半年が経過し、ここへきて建築家として被災地に、被災者にたいして何ができたのか、
今後起こりうる災害に対してどう身を処するべきか? そんなテーマのシンポジウムや会議が目白押しである。
屋根の葺替えに、被災した石巻市の雄勝石(天然スレート)を使用するか否かで論議に沸いた東京駅の丸の内中央口先、
丸ビルから皇居の側に伸びる地下道では、日本の近代化遺産としての建築物を集めたDOCOMOMO展が、
また東京国際フォーラムなどでは、建築防災に関するものを含めて、多彩なイベントや、講演会プログラムが用意されている。
UIA2011東京大会 世界建築会議 全体プログラム>>>http://www.uia2011tokyo.com/ja/
災厄の後、住まうことの希望は再生可能か>>>http://www.kenchiku.co.jp/event/detail.php?id=2909
災害における専門家の国際的連携と支援活動>>>http://www.jia.or.jp/resources/news/000/103/0000103/kCMfxhmd.pdf
危機を機会に!災害復興・グローカルデザインを考える>>>http://www.muraji.jp/news/UIAsymposium.pdf
昨日はそんな中の一つ、日仏都市会議2011http://www.sfjti.org/seminaire_Franco_japonais_program.pdfに参加してきた。
基調講演の冒頭、「市民の力で真の震災復興を」と題された森民雄長岡市長の話は非の打ちどころなく、話の後半では東日本大震災の論議の核心ひとつ、
「集団移転」に焦点をあてられ、新潟県中越地震のあとで集団移転でつくられた山古志天空の郷を、
住民が2年半のうちに24回の会議を重ねてつくられたものであると紹介された。
そして緩急・優先順位はあっても、復興を急ぐあまり忘れてはならないことが、自治の原点に返って住民を主役にすべきこと、
それを忘れず支援者それぞれの立場で復興に取り組むことだということを、理想と現実の中で苦悩するう復興の当事者にお示し下さった。
そして、東大生産技術研究所の加藤孝明氏は、少子高齢、低経済成長と財政難という、時代の変局点で起こった巨大地震と大津波、そして原発という複合被害のなかで、
都市計画から災害関連に至る現行法制度自体が対応してるとは言い難い現況で、トップダウンが難渋するのも当然なことで、そこでは政治的なリーダーシップを引き出し、
新たな復興のあり方を模索するうえで、ボトムアップが重要な意味を持つと論じられた。
またその中で新たな社会的な仕組みづくりを萌芽させる意味でも、
①ニーズと技術のマッチング、
②コスト負担の仕組み、
③支援を受ける側の姿勢と体制づくり
の重要性が挙げられた。
そのような中で一方、今後の防災計画においては、リスクゼロはあり得ないことを前提に、
フェイルセーフ(万一の時の二重三重の安全装置)に厚みを持たせ、同時にレジリエンス(危機・困難時における
物理的・心理的対応回復能力)を高めておくことが重要だととらえ、圧倒的な自然の外力=メガハザードの前には、
安全至上主義でヒステリックにリスクの徹底排除に走るのではなく、ある一定程度で壊れることを前提に、
むしろそこからの「対応力」と「回復力」をバランスよく高めていくことが、
これからの都市防災のカギになりうることを訴えられた。 (続く)
【たてもの修復支援ネットワーク】http://shufuku.com/