春の雨と夜桜

ネットを破損してから３週間が経った。
年度の切り替わりで仕事も忙しく、また家族の用事もあって、渓から遠のく日が続いた。
朝のチョイ釣りだけなら、行けなくもなかったが、なんとなく過ぎてしまった。

不健康な生活が続くと、すぐに体に変調をきたすお年頃。
なぜか、今週に入ってから腰が痛み始めた。
靴下やズボンを履くのに、痛くて痛くて。


職場でも同僚が気遣ってくれる。

「papaさん、山と釣りが足りてないんじゃないですか？」

全くその通りである。



半月ぶりの釣りは、温かい雨の中。
渇水は相変わらずだが、刺すような冷たさはない。
腰を気遣いながら、そーっと歩き、そーっとキャスト。
入渓点でいいサイズをバラしてしまい、がっかり。
その後は、可愛いヤマメたちが適当に遊んでくれた。

釣果は今一つだったが、しっとりとした春の雨に包まれて、匂い立つ大地の力強い香りを深呼吸できた。
芽吹きもちらほら見えているが、まだ早い。
あと少しすれば大好きな萌黄色の季節がやってくる。
そのころには、腰の痛みなんかどこかへ吹き飛んでいることだろう。



この季節のもう一つの我が家の風物詩といえば、夜桜見物だ。
子ども達は、新たな環境に緊張して疲れているのか、部屋で寝ており夜桜はキャンセル。
カミさんと二人で出かけてきた。

昼間に降っていた雨も一時的に止み、通りにはたくさんの人が出ていた。
桜の大木は満開を迎え、今日がベストの状態だったかもしれない。
このあとの雨は、花散らしの雨になってしまうだろう。




必ず立ち寄る中華料理屋さんは、残念ながら満席だった。
お酒を飲んでいるお客ばかりだったので、待っていても空きそうにない。
店員さんも、「すみませんね～」と恐縮していた。

たまたま近くにこじんまりしたcafeを見つけたので、そこに落ち着くことにした。
「こんな店、前からあったかね～？」なんて、カミさんと話しながら美味しい料理を楽しんだ。

帰り際、スタッフさんと会話をしていると、なんとうちの娘が通う大学の先輩だということが判明してびっくり。
春は出会いの季節だが、こんな出会いがあるなんて。
もし、いつもと同じように中華料理屋さんに入っていたら、この出会いは無かったのである。
出会いって、本当に奇妙で面白い。