労働者民衆の「憲法」をつくろう!

現行憲法の思想と決別し、労働者の自立した思想を勝ち取ろう。タイトルを変更しました。

習近平、少数民族への同化政策を指示~中国全人代

2021年03月08日 | 政治社会

2021年3月5日、習近平は全人代の内モンゴル自治区の分科会で、標準中国語(漢語)の普及など「中華民族」の一本化を推進するよう指示、と国営新華社通信が伝えた。

 習は長年「中華民族の共同体意識」の確立をかかげ、全人代で国家戦略としてこの政治スローガンが、民族政策の柱に据えた。
 (中国の公認少数民族の数は55)

<これは明らかに、同化政策で、民族の独自性=歴史、文化、言語などの否定で、民族そのものの否定、抹消を意味する。これは明らかに、共産主義の思想・政策ではない。習は、明白に共産主義を放棄したことを公然化した。この政策が中国共産党全体に受け入れられているのかは不明。この政策は、戦前日本が韓国や台湾を植民地化したときに採用した政策を同じようなものである。この政策が、中国共産党の党内求心力になるのかは不明。だが、国際社会から批判されるこうした政策を習が提起するのは、民族問題就中内モンゴル自治区の宗教問題で、中共が効果的な政策を提起出来ていないことを示している。モンゴル自治区の住民の多くがイスラム教といわれている。彼らは、簡単に宗旨替えはしないし、誇り高い民族であるので、同化政策のも頑強に抵抗するだろう。そして彼らは、中国外のイスラムとも容易につながっているので、外部からの支援も充分期待できる。中共が国境線を封鎖しようとしても、非常に長い国境線を完全に封鎖することは難しいので。
 習・中共の民族同化政策の大義名分を見ると、社会主義・共産主義と無縁である。そこに見えるのはむき出しの民族主義である。これはブルジョアの思想である。ここまで、堕落した中共は、共産党の団結を何を軸に図るのだろうか。思想的結集軸は民族主義で、経済的には国家資本主義となると、共産党の団結は権力の維持、一党独裁体制の維持が目的になる。ジョージ・オーウェルの『1984年』の世界か?この世界は、徹底的な監視社会とならざるを得ない。が、中国以外の社会がこのような中国の有り様を容認しないだろう。また、今はコロナで、規制されているが、収まれば再び諸外国との様々な交流が行われる。中国が鎖国政策をとらない限り。中国の徹底した監視体制もこうした交流によってひびが入る。また、共産党内部に、反習勢力が厳然と存在している。彼らは、習の失政を見逃さない。民族同化政策が中国共産党にとって失政かどうかは分からない。民族問題の行き着く先が同化政策だということは、危機的状況を反映しているともとれる。この政策が旨くいくとは思えない。ウイグル人の抵抗と諸外国からの批判により、共産党内部からも批判が出てくる可能性を否定できないからである。今後の中国情勢から目が離せない。>

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ミャンマーは二重権力状態に 今後どうなるのか

2021年03月06日 | 政治社会

ミャンマーの国民民主連盟(NLD)が、国軍の統治機関=連邦行政評議会に対抗して「連邦議会代表委員会(CRPH)を創設した、と新聞が伝えた。この組織は昨年(2020)11月の総選挙で当選したNLD議員を中心とする380人で結成。CRPHは独自に議会を開き、メンバーが議員に「就任宣誓」した。また「閣僚」を任命、 「選挙で勝利したNLDが政権を担うべきだ」と国内外に訴えている。 さらに、スーチー氏を事実上の国家指導者である国家顧問に「再任」。国軍のクーデターを認めず。

<ミャンマー情勢は、現在二重権力状態にあるといえる。民衆の支持は圧倒的にNLD=RPHにあるだろう。だから、国軍批判の大規模デモが繰り返し起っている。国軍軍政はそれに対し、発砲し多くの人が殺されている。民衆の怒りは強まり、弾圧は効果を発揮していない。だから、CRPHの登場による二重権力は、反国軍運動の結集軸になり、運動を強化する。しかし、国軍がCRPHの構成メンバー逮捕投獄する可能性は大きい。その場合は、どう対抗するのか?案あるのか?CRPHには、国軍に対抗する武力はない。武力で対抗できないとすると、民衆の大規模デモ、不服従デモ、ゼネスト等で、国軍を追い込むことが出来るか?あと、国際世論の圧力が強ければ、国軍も妥協せざるを得なくなる。
 問題は、国軍が抱えている企業=MEHL(複合企業~金融、農業、鉱山採掘、宝石、ビールなど)で、この企業は国軍最高司令官らの監督下にあり、取締役は全員が軍人・退役軍人。現役兵や退役軍人への福利厚生を目的とした年金基金を運用するファンドでもある。
 なので、国連人権理事会の2019年8月の国軍の経済活動に関する報告書では、外資企業に国軍系企業との関係解消を求めた。ちなみに、2020年12月末時点で、日系企業は433社。
  
国軍を全面的に敗北させることは、圧倒的武力を保持しているので難しい。だとすると、妥協するしかない。ただ、妥協は持続しない。国連人権理事会のような立場は、国軍の権益を弱める物だから、代わりの物を提供しなければ、国軍は振り上げた拳を下ろしにくいだろう。NLD=CRPHは妥協する用意はあるのだろうか。国軍の利権は、時間をかけて削減し、代わりになる物を提供する現実的な対応が出来るか。
 今後の事態を見守ることしか私たちには出来ない。 

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トランプは次期大統領選挙に立候補するつもり

2021年03月05日 | 政治社会
去る2月28日の演説で、トランプは次期大統領選挙に共和党から立候補するつもりであることを表明した。
 そのためには、共和党で多数派にならなければならない。反トランプ的な言動をした共和党議員をトランプは名指しで批判した。批判された議員に対しては、トランプ支持者からも公然と批判されることとなり、次期選挙において不利となり落選の危機に立たされる。ので、トランプにすり寄る言動を取る議員が出てくる。共和党はトランプに対して、妥協的になるか批判する立場を取るかを明確にする事を迫られる。トランプのやり方は、自分を支持するかしないかで区別し、指示しない議員は徹底的に批判排除していく。こうしたやり方は専制政治の手法。それを共和党が受け入れたら、共和党はもはや民主主義の側に立っていないことになる。
 このようなトランプの専制政治的手法に対して、バイデンは対立分断を緩和しようとしている。それは結果として、トランプとその支持者に対する融和的態度となる。この態度は間違いである。なぜなら、トランプは、対立の解消を望んでいないというより、対立を煽ることによって自己の支持を広げ、大統領に復帰しようと考えているからである。だから、トランプとその支持者に対して、対立を恐れず断固たる批判を徹底的に展開する必要がある。が、バイデンにはそのような政策・態度を取ることは出来ない。なぜなら、トランプ登場の本質を理解していないからである。
 トランプが大統領に当選したのは、熱烈な支持者がいたからであるが、なぜ差別的で排外主義的言動をする彼を支持するのだろうか?支持者たちが排外的で差別的な思想を持っているからである。トランプは、その支持者たちの傾向を知りそのに迎合しているのである。支持者たちが喜ぶ言動を意識してやっている。つまり計算している。トランプ支持者の排外主義・差別主義は、アメリカ資本主義の歴史からきている。アメリカの建国は、イギリスからの独立戦争に勝利して実現した。が、このとき、既に二つの差別的要素が存在していた。北米大陸は、ヨーロッパの国々が訪れる前から人々=いわゆる先住民が暮らしていた。国家という制度を持ってはいなかったが、部族毎に地域社会を形成していた。彼らは当然にも豊かな土地に暮らしていた。ヨーロッパ諸国は、これらの土地に後から勝手に入り込み、植民地として住み着いた。アメリカ大陸にやってくる人々は、母国に不満を持ったり迫害されたり、暮らしていけない人々がだった。植民地生活は決して楽なものではなく、先住民の食べ物を奪ったりもした。彼らは、次第に先住民の豊かな土地を侵略していった。抵抗する先住民は弾圧し排除しもした。徐々に支配地域を拡大していった。当初は、農業が中心だった。肥沃な土地は農作物の収穫も豊だったので、労働力としての「黒人」奴隷が必要となり、アフリカから強制的に連れてこられた。だから、独立戦争当時、「黒人」奴隷は存在していた。奴隷制を廃止する地域もあったが、南部は労働力として奴隷制を継続した。
 アメリカの建国時、既に「黒人」奴隷の存在と先住民の土地を侵略し迫害した歴史を持っていた。それ以降も先住民迫害の流れは続くし、奴隷制も存続する。
 南北戦争で北軍が勝利し、奴隷制は廃止され黒人は解放されたが、南部は、「黒人」を事実上奴隷状態に留め置く「黒人」条項と総称される諸法を制定。しかし、1875年、公共の場での人種差別を禁止する公民権法が成立。しかし、実際には人種隔離は存続、特に公立学校。
 1883年、連邦最高裁の公民権法無効判決以降、一斉に南部諸州は、人種隔離を法律化。さらに、1896年、連邦最高裁が「隔離すれども平等」と述べ、積極的に人種隔離を容認すると、人種隔離は原則として全国的に認められた。
 第二次大戦後の公民権運動が起り、1954年連邦最高裁が「隔離すれども平等」の原則を破毀すると、南部各地で、人種隔離制度打破の運動が成功、64年、公民権法によって、法的には人種隔離は禁止となった。しかし、未だ事実上の人種差別は存在している。
 トランプの支持者たちは、こうしたアメリカの人種差別の歴史を肯定ないしは容認しているが故に、トランプの差別的言動を指示する。また、支持者たちは、現在の資本主義システムからこぼれ落ちた人々で、いわば犠牲者である。アメリカ資本主義が、新自由主義のもと、小さな政府・公共の解体によって自己責任論で、弱者切り捨てによって政府支出を減らし、富裕層と企業の税を軽減させることに成功しているその犠牲者である。犠牲者はトランプ支持者だけではない。より広範に存在している。だが、トランプ支持者は、資本主義の有り様を問題しない。自分たちの雇用が保障されれば、それがどんなにゆがんだ物でも、外の誰かの犠牲や差別を伴う物でも構わないのである。
 トランプとその支持者の人種差別排外主義に対し、断固闘うことが必要なのだが、バイデンにはそれが出来ない。かれもまた、アメリカ資本主義の現状を容認しているからである。就任以来、確かに、トランプを否定する政策をいくつか実行している。が、小さな政府論を否定した政策を実行できるか?弱者救済をより強く打ち出すことが出来るとは思われない。かれは、政権発足時に、マイノリティーに属する人物を多く登用し、多様性を演出した。しかし、トランプの差別排外の言動を厳しく批判しない態度は、トランプとその支持者の差別排外の言動を助長することになる。それはアメリカ民主主義の危機である。
 アメリカ民主主義が奴隷制を容認し、また先住民の土地を侵略し、抵抗する先住民は迫害し虐殺した歴史を土台にしているので、理想的なものではない。また、現在でも人種差別の言動をするトランプを容認している、その程度の民主主義である。
 日本もアメリカの民主主義を批判することは出来ない。日本も戦前、沖縄を力ずくで併合し、アイヌ民族を迫害しその土地を奪い漁業権も奪い生活を破壊した。ただそれは、戦前の専制国家の時代であった。問題は戦後、日本の支配階級はそのことを深く反省していないことである。安倍晋三の言動を見ると、明治時代の政治を高く評価し、沖縄やアイヌに対する反省はなかった。戦前の国家社会については、先に文書をアップしているので、ここでは省略。
 アメリカの共和党は、大きな岐路に立たされている。トランプを支持するか、反対していく、分裂するか。基準は民主主義を基準にするかどうかだろう。かつて共和党は、奴隷制反対だった。その面影はない。アメリカ全体が岐路に立たされている。これまでの民主主義・資本主義を基礎にするのか、新たな社会の有り様を求めて、根本的な改革に向っていくのかである。

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