自分は霊だの霊能力だの怪奇現象は信じないほうである。
短期間葬儀屋でバイトし、壇の組付けや遺体の納棺、火葬場で炉に棺おけを押し込むまで(そこは全自動台車炉ではなく、火夫がバーナーを手動で操りデレッキでかき回すロストル炉のため、火葬炉に棺を納めるまでが葬儀屋の役目)を経験したが、これといった現象を見たり感じたりしなかったくらいだ。
だが、ここ2ヶ月あまりの現象と今日の出来事でそれが揺らぎつつある。
ほぼ2ヶ月前から、深夜0時~朝方3時の間にほぼ毎日、階段から「チャッチャッチャッチャッ」という足音っぽい音がする現象が起きている。
それは起きていようが寝ていようが必ず起こり、部屋の前のドアを開けると何もいない、という状況である。
言い忘れたが、我が家は築5年の木造住宅。自分の部屋は2階にある。
最初は聞き違いか部屋の電子機器のノイズだろうと思っていたのだが、毎日続くと気味が悪い。最初は夜玄関に置いたケージで寝ている犬だろうと思い、間欠コマ撮りでビデオカメラをセットし一晩中監視したが違った。
階段の上にビデオカメラを置いても何も映らず、当然音は取れていないのに、自分の耳には「チャッチャッチャッ…」という音が聞こえている。
(音が聞こえたのでドアを開ける自分が映っているが、当然テープに音は入っていなかった。)
だんだんつらくなってきたので、今日会社に出社し、見つからないように祈祷師に電話をいれ、会う予約を取り付けた。会社の連中に見つかれば何を言われるか分かったものじゃない。
定時で仕事を切り上げ、ちょっと離れたところにいる祈祷師を訪れた。ごく普通の家にいるごく普通のおばちゃんという感じだが、家に入るとやっぱり祭壇があったりと普通じゃない。とりあえずおばちゃん祈祷師に現象を説明。
目をつぶって話を聞いていた祈祷師がじーっと自分の顔を見たあと言った一言に驚いた。
「あんた、犬飼ってるでしょ、日本犬。柴か秋田の。だめだよー、ちゃんとかまってやんないとー。」
確かに、ウチでは知らない人が見ると柴犬と思い込んでしまうほど柴犬っぽいミックス犬がいる。正確には純柴の父犬と、柴と秋田のミックスな母犬の間に生まれている犬だが。しかし、おばちゃん祈祷師に犬を飼っている事など一言も話していない。なぜ分かった!?
それらしい呪詞をあげるわけでもなく、犬に対する接し方で30分以上はお説教が続いた。おばちゃん祈祷師によると、我が家の犬の「かまってほしい気持ち」があふれて現象を起こしているという。生霊とはまた違うもので、決して悪いものではないと言われた。
自分は驚いたやら反省するやら。確かにこのBlogがいい加減になりつつあるころから仕事が忙しくて、帰るのは9時だの11時だのが当たり前化している。
家に帰れば眠さとだるさが最優先してしまい、尻尾を振って迎えてくれる犬をあまりかまうことなくすぐに部屋に入ってしまう。
「犬って悲しい生き物だからね、鎖でつながれる生活でどんなに退屈でつらくても主人にほめられて嬉しければそれらを忘れてしまえる、だからこそきちんとなでて、ほめてあげなさいよ」
この一言にほろっときてしまった。確かにずーっと鎖でつながれっぱなしですごし、せっかく尻尾を振って出迎えたのに素通りされてしまえば寂しいだろう。
祈祷というよりは説教会という感じで時間が過ぎ、帰り間際おばちゃん祈祷師になぜ犬を飼っていることが分かるのか聞いてみたところ、
「あたしと話してるあんたの顔の奥に、嬉しそうに尻尾を振る日本犬が見えたからだよ」
不思議なこともあるものだ。
家に帰ると、いつもどおり玄関先で犬が尻尾を振って迎えてくれた。
全身なでてやると、体をくねらせて喜んでくれた。
今度の日曜日には久々にドッグランへ連れて行ってやろうと思う。
短期間葬儀屋でバイトし、壇の組付けや遺体の納棺、火葬場で炉に棺おけを押し込むまで(そこは全自動台車炉ではなく、火夫がバーナーを手動で操りデレッキでかき回すロストル炉のため、火葬炉に棺を納めるまでが葬儀屋の役目)を経験したが、これといった現象を見たり感じたりしなかったくらいだ。
だが、ここ2ヶ月あまりの現象と今日の出来事でそれが揺らぎつつある。
ほぼ2ヶ月前から、深夜0時~朝方3時の間にほぼ毎日、階段から「チャッチャッチャッチャッ」という足音っぽい音がする現象が起きている。
それは起きていようが寝ていようが必ず起こり、部屋の前のドアを開けると何もいない、という状況である。
言い忘れたが、我が家は築5年の木造住宅。自分の部屋は2階にある。
最初は聞き違いか部屋の電子機器のノイズだろうと思っていたのだが、毎日続くと気味が悪い。最初は夜玄関に置いたケージで寝ている犬だろうと思い、間欠コマ撮りでビデオカメラをセットし一晩中監視したが違った。
階段の上にビデオカメラを置いても何も映らず、当然音は取れていないのに、自分の耳には「チャッチャッチャッ…」という音が聞こえている。
(音が聞こえたのでドアを開ける自分が映っているが、当然テープに音は入っていなかった。)
だんだんつらくなってきたので、今日会社に出社し、見つからないように祈祷師に電話をいれ、会う予約を取り付けた。会社の連中に見つかれば何を言われるか分かったものじゃない。
定時で仕事を切り上げ、ちょっと離れたところにいる祈祷師を訪れた。ごく普通の家にいるごく普通のおばちゃんという感じだが、家に入るとやっぱり祭壇があったりと普通じゃない。とりあえずおばちゃん祈祷師に現象を説明。
目をつぶって話を聞いていた祈祷師がじーっと自分の顔を見たあと言った一言に驚いた。
「あんた、犬飼ってるでしょ、日本犬。柴か秋田の。だめだよー、ちゃんとかまってやんないとー。」
確かに、ウチでは知らない人が見ると柴犬と思い込んでしまうほど柴犬っぽいミックス犬がいる。正確には純柴の父犬と、柴と秋田のミックスな母犬の間に生まれている犬だが。しかし、おばちゃん祈祷師に犬を飼っている事など一言も話していない。なぜ分かった!?
それらしい呪詞をあげるわけでもなく、犬に対する接し方で30分以上はお説教が続いた。おばちゃん祈祷師によると、我が家の犬の「かまってほしい気持ち」があふれて現象を起こしているという。生霊とはまた違うもので、決して悪いものではないと言われた。
自分は驚いたやら反省するやら。確かにこのBlogがいい加減になりつつあるころから仕事が忙しくて、帰るのは9時だの11時だのが当たり前化している。
家に帰れば眠さとだるさが最優先してしまい、尻尾を振って迎えてくれる犬をあまりかまうことなくすぐに部屋に入ってしまう。
「犬って悲しい生き物だからね、鎖でつながれる生活でどんなに退屈でつらくても主人にほめられて嬉しければそれらを忘れてしまえる、だからこそきちんとなでて、ほめてあげなさいよ」
この一言にほろっときてしまった。確かにずーっと鎖でつながれっぱなしですごし、せっかく尻尾を振って出迎えたのに素通りされてしまえば寂しいだろう。
祈祷というよりは説教会という感じで時間が過ぎ、帰り間際おばちゃん祈祷師になぜ犬を飼っていることが分かるのか聞いてみたところ、
「あたしと話してるあんたの顔の奥に、嬉しそうに尻尾を振る日本犬が見えたからだよ」
不思議なこともあるものだ。
家に帰ると、いつもどおり玄関先で犬が尻尾を振って迎えてくれた。
全身なでてやると、体をくねらせて喜んでくれた。
今度の日曜日には久々にドッグランへ連れて行ってやろうと思う。