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知恵文学│人は必ず苦しみます。

2012年08月08日 18時22分18秒 | 知恵文学

 

マリクロブックス
『たくましく生きる つぶやき』

知恵のつぶやき編


★6月30日~7月6日

6月30日
 自分の生涯を正しく数えられる者はいませんし、どんな終りが待っているのか知ることはできません。

 人の生涯は、過ぎて再び帰らない風のようなものです。

 命は、僅か、手の幅ほどのもの、人生も無に等しいものです。

 日々は影のように、空しく消え去ります。


7月1日
 千年の時も、過ぎ去る一日、夜の一時に過ぎません。

 人生は夢のように過ぎ去ります。
 時間は、人を、洪水のように押し流し、流れが基《もとい》までぬぐい去り、眠りに人は漂わされます。

 人の日はうつろう草に等しく、朝、花のように咲いて、夕べには、しおれて、枯れてしまいます。

 風が吹けば野の花のように消えてしまい、生えていた所を知る者も、いずれいなくなります。


7月2日
 人は必ず苦しみます。火から火花が飛び拡がるように、人生には苦しみが伴います。

 土から、災いは生まれませんし、大地から苦しみは生じません。人は苦しむように生まれてきます。

 人は、労苦によって疲れ果て、人生は骨の折れる仕事によって空費されます。

 苦しみが絶えず、生涯、辛さと悩みによって、人の心はやすまりません。


7月3日
 恐れていたことが起こり、やすらぎを失い、憩うことができません。月日は望みもないまま、過ぎ去ります。

 人間は苦役を強いられ、毎日、金のために働かされて、報いを待ち望みますが、夜ごと憂苦がもたらされます。

 そんな夜が終わるのを願いながら、いつ起き上がれるのかと、何度も寝返りをうちます。

 恐ろしい夢によってぞっとさせられ、幻によって苦しみを与えられます。


7月4日
 人間とは何《なに》なのでしょう。望んでも答えは得られません。

 非難するところのない人も、不正に手を染める者も、同じように苦しみを与えられ、等しく災難に遭い、死を迎えます。

 一生は短く、身体は灰になってしまい、魂も空気のように消えてしまいます。

 時が過ぎれば、忘れられてしまって、私達が行ったことなど記憶のかなたに追いやられてしまいます。


7月5日
 空しくも思える一生ですが、生きている限り、生かされるために人は造られ、世界に造られたものには価値があります。

 自分の手によって滅びを引き寄せないようにします。

 言葉と行為によって、身を滅ぼさないようにしましょう。

 生きながら、こころに死を招かないようにしましょう。

 偏屈にならないようにします。
 道を踏み外したときは、価値ある人生の道に戻りましょう。


7月6日
「雲のように過ぎ去る一生だから、心地よいものを求め、目の前の楽しみをむさぼろう」

「酒を浴びるほど飲んで、花がしおれないうちに、ばか騒ぎをしよう」

「歓楽に身を委ねて、貧しい人のこころを圧迫して、目上の人にも敬意を払わずにおこう」

「力と金がこの世の尺度、弱々しい者など何の役にも立たない」

 そんな愚かな考え、たくましく生きることができない偽りの考えが、こころに住み着かないように努めましょう。



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