ウルフギャングのディナーを終えてホテルへ向う。左足の痛みはマックスに達していた。嫁さんの肩を借りながら歩くが一度に30cmくらいしか前進出来ない。保父さん夫妻には先にホテルに戻っていてもらいゆっくり歩くことにした。
嫁さんが「これ以上やせ我慢していても結局迷惑をかけることになるので病院に行った方がいい」と言いだした。俺もこの時点で骨折を確信していたので、明日の飛行機に乗るのに応急処置をしてもらおうと宿泊しているホテルにあるドクターオンコール(出張診療所)に行くことにした。
受付の女性は日系の人で日本語が話せた。事情を説明すると車椅子を用意してくれて暫く待合室で待機。名前を呼ばれ中に入ると英語で話しかかられてなんだかよく分からない。どうやらレントゲンを撮るようだがホテルの一角の診療所にそんなものがあるのか?
暫くすると日本語が話せるレントゲン技師がやって来た。レントゲンを撮り終え「どうですか」と聞くと「白い線みたいなものが写っていますよ。詳しいことは先生に聞いて下さい」と応えた。
怪我をした時にこの手の質問を必ずレントゲン技師に質問するのだが、まずい時は必ず「先生に聞いて下さい」と言われる。やっぱり折れていたか。
病室に戻り暫く放置された後、初老のドクターが受付の女性を連れてやって来た。おもむろに説明を始めたが何を行っているのかよく分からない。ただ、You can't return to Japan tomorrow と言っているような...。
通訳の女性は私に向ってこう言った。
「残念ですが、あなたは手術が必要です。明日は日本には帰れません。これから私たちの系列病院に入院します。救急車を呼びましたので暫く待って下さい」
レントゲンを見せてくれと言うと、もうレントゲン技師が帰ってしまったので見せられないと言う。
もう帰ったって、10分前の話じゃん!?
嫁さんが内線で保父さんに状況を説明すると、保父さんが現地ガイドに連絡をしてくれた。この連絡が後々ものすごく助かることになった。保父さんにはお世話になりっぱなしのハワイとなった。
こうなったら病院で交渉しよう。何がなんでも明日の飛行機に乗らなくては!
人生最大のピンチが訪れようとしていた。
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