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オヤジっちの週末超スローライフ

トニーとサム

現地時間 9月30日 PM 10:00
まずは冷静になろう。明後日はK市役所にトラックで納品がある。その翌日も大学で打ち合わせがある。月曜火曜と2日間も休んでいるし週末は都内に大きな納品もある。

やっぱり明日帰ろう。そうしよう!

ところで、救急車が来ると言っていたような気がするが一向に来る気配がない。結局1時間後に救急隊員ポイ陽気な二人組が現れた。

若い方(仮称サム)は俺を見るなり両手を肩まで上げて笑いながらペラペラしゃべり出した。通訳の話だと「自転車から落ちて重傷だと聞いていたので血だらけだと思っていた」と言っているようだ。続けてサムは「調子はどうだい」と俺に聞いてきたので「問題ない。最高だ」と応えると、両腕を広げて「それはいい」と大笑いしている。

ベテランの(仮称トニー)救急隊員も加わって何か言い出したので通訳に確認すると「救急車を貸すから奥さんに運転してもらえば」と言っている。

この二人は本物の救急隊員なのか?。アメリカの救急車は民間で運営されているのでスキルの差が激しいようだ。トニーは俺に「痛み止めが必要か」と聞いてきたので「モルヒネか」と尋ねるとそうだと言った。チョット抵抗があったが痛みがひどかったので打ってもらうことにした。

俺は今まで一度も救急車に乗ったことがなかった。よってこれが救急車デビューとなる。しかもアメリカで!。あの大きな箱の中には最新救命医療器具が装備されているのか。期待と不安が膨らんだ。

箱の中は酸素マスク以外は何もなかった。ど~なってんだよこの国の救急車は。俺の救急車デビューが台無しジャン(怒)。

ベッドを固定するとモルヒネを投与するためにサムが俺の腕の静脈に注射針を射す。鼻歌交じりで超~ご機嫌なサムだが痛いだけでうまくいかない。トニーに何か指示を仰ぐが運転席にいるトニーは「問題ない」と答えるだけ。

再びトライするが痛いだけでダメ。サムはトニーに何か言うがトニーはやはり「問題ない」の一言。三度トライしてもうまくいかず、堪らず体おおこして文句を言おうとしたらなんと救急車の後ろのドアは開きっぱなし(驚)。むっとした顔でサムを睨むと申し訳なさそうに両腕を肩まで上げた。

練習台にするのもいい加減にしてほしい。結局トニーが処置をしてようやく痛み止めを投与してもらえた。

因みにうちの嫁さんは助手席に座らされていた。日本の救急車だったら患者の横で励ましているのが通例だ。まぁ言われたとおりに助手席に座るうちの嫁さんも嫁さんだか...。

サムの運転で救急車がホテルから出発した。すぐに次の問題が発生した。鼻歌交じりのサムの運転は段差などお構いなし。上下の衝撃が走るたびに左足に激痛が走る。悲鳴を上げる度にトニーがサムに何か言っているがあまり効果がない。

トニーが「もっと痛み止めが必要か」と聞いてきたがきっぱり断った。そんな短時間にモルヒネを何本も打たれたら堪らない。

「病院まで何分かかるか」と聞くとあと5分くらいだとトニーが言った。その後15分ぐらい走ったころで病院へ到着。

何とも不安な救急車だったが、陽気なトニーとサムと過ごした時間はちょっと楽しくも感じられた。

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