駒子様、ご乱心

2020-07-11 22:37:29 | しあわせの日々
6月、梅雨時真っ盛りのある休日の朝のことでございます。
お休みでいつもよりゆっくり寝ていた私おっとり母のところに、おっとり父(いつも早起き)が駆け込んできて
『ちょっとちょっと!コマちゃん逃げちゃった!!!!!!!!』

へ?
逃げた???
!!!!!!!!!!




早朝6時、居間の窓の雨戸を開けようとしたら、突然コマちゃんがダッシュで外に飛び出してしまったとのこと・・・。
もちろん、いつも細心の注意を払っているのですがこの日は一瞬の隙を突かれたような感じだったようです。
飛び出したコマちゃんはというと、脱走した猫様の飼い主さんは皆ご想像がつくと思いますが、
自分で飛び出しておきながらパニックです。
お前、数ヶ月前までそこにいただろうが・・・。

慌てて飛び起きて、パジャマ姿のまま駒子姫を確保せんと飛び出しましたが、名前を呼べば返事をする割には全然近寄ってこようともせず、近寄れば逃げていってしまいます。
そうこうしているうちに、家の横の竹やぶの中に逃げ込んでしまいました!

逃げた猫は、自分では決して帰ってこないと聞きます・・・。
コマちゃんはつい最近まで生粋の野良猫。
8ヶ月もの間お外で暮らしてきた強者ではありますが、今は完全室内飼いのお姫様です。
万が一、帰れなくなって外で交通事故にでもあったら・・・。他の猫やたぬきやハクビシンなどに襲われたら・・・。
わたくし、わが王  及びお空のもとなり先生に申し訳が立ちません。

ひたすらにコマちゃんの名を連呼し、あわよくば捕まえて家に入れようと、ここからは根比べでした。
幸いにして、コマちゃんは竹やぶの中を移動はしても、遠くまでいく様子はなく、行ったり来たりしています。
多分、家に帰りたいんだろうけど怖くて戻れなかったんですね。
一生懸命目を凝らして、竹やぶの中のかぐや姫ならぬ駒子姫を探すも、まあカモフラージュしやすい毛柄ですっかり藪に同化しており、老眼でど近眼のわたくしには何が何やらわかりません。
声はすれども姿は見えず、ほんにあなたは屁のような。

「コマちゃーん!!!」
「にゃ〜〜〜〜〜〜〜・・・・・」
この攻防がどのくらい続いたことか・・・・。

二人で何度か捕まえられそうなチャンスがあったのですが、いずれも見事に逃げられてしまって、ますます警戒心を増す駒子姫。
しかも、間の悪いことに、向かいに住む大家さんの家に庭師さんが入って、賑やかに庭木の剪定が始まり、近所に引っ越してきたばかりのご家族の子供たちが楽しそうに遊び始めています。
コマちゃん、ますますますます警戒しまくり、近寄ってきてもくれません。

結局、朝の6時から気がついたら昼過ぎまで、こんなやりとりで終始しておりました。
もう、捕獲機でも借りてこなきゃ無理かな・・・。
気がついたら、そろそろ日が暮れてしまっていました。

明日は雨だっていうし、時間がたてばたつほど見つけられなくなる可能性も高くなる。
きっとお腹も空いてて、帰りたいはず・・・。
暗くなってきたから、周りも静かになったし、そろそろ来てくれるかもしれない!
一縷の望みをかけて、玄関先にご飯を持ってゆき、コマちゃんを呼びました。人間語と猫語で。
そうしたら数分後。
「にゃ〜〜〜〜〜〜〜」と返事があって、小走りに車の影からこちらに向かって、コマちゃんが走ってきました!

きたーーーーーー!!!!!!!!!
伝わりますでしょうか、わたくしの喜びが。
叫び出したい気持ちを抑えつつ、何事も無かったようにごはんを差し出し、コマちゃんがそばに寄ってきて食べるのを待ちました。
近づいてきたら・・・・
食べ始めたら・・・・・
そっと後ろから・・・・・
このエプロンで体をくるんで・・・・
くるんで・・・・!!!


捕まえた!!!捕まえたぞ!!!

しかしその時、駒子姫がまたしてもエプロンをすり抜けて、体を捻って逃げ出そうとするではありませんか!
そりゃそうだよね、ビビってるんですもんね。
ですが、こっちももう後が無いと思って必死です。この手を離したら、この子はもう帰ってこないかもしれない!
だめ!逃げないで!お願い!

ガブリ

『クェrちゅいおp@亜sdfghjkl;:zxcvb!!!!!!!!!!
ドアを、ドアを開けてーーーー!』


玄関のドアを開けて、必死にコマちゃんをおっとり父に受け渡し、急いでドアを閉めました。
捕獲、成功・・・・・・。良かった・・・・・。

そういえばなんか手が。ち、血が。痛い。すごく痛い。

右手の小指、コマちゃんにこれでもかというくらいがっぷり咬まれてました・・・。
ちなみに受け取ったおっとり父も、その勢いで玄関でひっくり返り、コマちゃんにひっかかれ散々な目にあっておりました。
肝心の駒子姫は、家に入ってすぐさま2階のいつもの場所に逃げ込んでいったそうです。

わたくしはと言いますと、咬まれた傷をとりあえずひたすら水で洗い、あまりの傷の深さと酷さもあり、そのまま夜間救急病院へ。
猫の咬み傷は侮ってはなりません。猫の口には最近感染をひきおこすパスツレラ菌やら破傷風菌やらその他の菌がいっぱい!
しかも、犬よりも牙が小さく細いので、傷が深くなってしまうので感染症も起こしやすいとのこと。うっかりすると死にます。
ですからみなさま、猫に咬まれたら必ずよく洗って病院へ!
救急病院では応急処置として、傷の洗浄と破傷風ワクチンの注射を打たれ、翌日も通院し抗生物質の点滴と、その後二週間に渡っての抗生物質の内服を続けることになりました・・・。咬まれた当日の夜は指はポンポンに腫れるし痛いの痛くないの、眠れませんでした(泣)
↓こんな感じでした


治療の甲斐あって、やっと傷も塞がり包帯も取れましたが、まだ咬まれた場所に関節も含まれていたため、まだ指は完全には曲げることができません。絶対傷跡残るだろうなあ・・・。
でも、コマちゃんが無事だったから、良かった。
家を飛び出してしまって、きっととても怖かったんだろう。怖い思いをさせてごめんね。

さて、当の本猫コマちゃん。
あんなに怖がって暴れたくらいだから、またしばらくは2階の部屋から出てこなくなってしまうだろうな・・・と覚悟していましたら
帰宅後30分ほどで、何事もなかったようにケロリとした表情で、ごはんの催促に階下に降りてきておりました。



『何?どうちたの?なんで血が出てるの?あなただいじょうぶ?』

ええ・・・・・大丈夫ですよ・・・・。
あなたさまが無事なら、それでいいんですよ・・・・。





いつも平穏な王国には珍しい、とんでもない騒動の一日でございました。
いやはや、駒子姫のお転婆ぶりには毎日驚かされます。
今後はさらに注意して、身辺警護をしなくてはと心に誓うおっとり母でございます。
どうぞ皆様も、すでに細心の注意を払っていらっしゃるとは思いますが、油断めさるな。
あと、巷を悩ます例の菌にも、くれぐれもご注意くだされませ!

皆のもの、じゅうじゅう気をつけてくらすのだぞ。



おっとりとこまこはきょうもしあわせ。

にほんブログ村 猫ブログ 元野良猫・元保護猫へにほんブログ村