後半戦、二人がツアーを面白くする! 遼、勇太、夏の決意
ゴルフコラム
池田勇太
有言実行の先に目標達成あり!
今季の男子ツアー10戦目となったサン・クロレラクラシック(7月28~31日、北海道・小樽CC)の大会前の練習日。池田勇太は、次のように語っていた。
「この試合のあと、米国で2試合がある(世界ゴルフ選手権のブリヂストンインビテーショナルとメジャー最終戦の全米プロゴルフ選手権)。勢いをつけて米国に行くためにも、小樽で優勝したい」
初日や2日目までの成績を見て、“優勝に向けて頑張る”というコメントはこれまでもあったが、大会前から「優勝する」と目標をここまで力強く宣言したのは、池田のプロ人生の中ではじめてだろう。
実際、初日に66を出して、トップと1打差の2位。絶口調だった。
「成績だけ見ればいいけど、絶好調というわけではないよ。100点満点ではなかったね。でもね、シーズン序盤にあった波が、一時停滞していたけど、二つ目の波が来ているよ」
2日目、パープレーの72で回ったが、順位を落とし首位に7打差の4位タイ。口は閉じられた。
「かみあわなかった」
スコアがよければ絶口調、満足できない成績であれば口を閉じる。ある意味分かりやすく、プロ魂の一つの表れだ。これが池田のプロスタイル。しかし、そこで勝つのは池田の強さ。
3日目に64を出して単独トップで迎えた最終日。4バーディ、4ボギーと苦しい展開となったが、勝負どころでのバーディ奪取で、今季初勝利をもぎとった。
もちろん絶口調だった。
「今季は、早い段階で優勝するというのが一つの目標だったけど、7月の最終週で優勝。すごくうれしいよ。でもね、何ていえばいいのか……。物足りなさがある。(優勝争いをした)平塚(哲二)さんも、自分と同様に後半になってパットが入りだした。だから、もう少し戦いたかった。18番、4日間の72ホール目で終わってしまうのかぁ、という感じでした」
“勝ってうれしい”ではなく、勝ち方にもこだわりを表すのは、これが通算9勝目という、これまでの経験があるからこそ。強い池田だからこそ。そして、目標があるからだ。
「一昨年、昨年と4勝ずつできました。今年の目標も4勝以上。そして最多勝を目指したい。その先には、賞金王を目標にしている。当初の“早期に1勝”より、予定は遅れたけど、これで2勝目、3勝目、4勝目……、そして賞金王の目標に向けてスタートできた。これからですよ」
これで賞金ランキング3位になった。1位は金庚泰、2位は石川遼。金、石川、池田と三つ巴となった昨季終盤戦の様相になってきた。これで面白くならないわけがない。