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発泡スチロールを燃料に-鳩間島で「車両移動式油化装置」公開実験

2011-12-27 | その他

発泡スチロールを燃料に-鳩間島で「車両移動式油化装置」公開実験

2010/11/04 12時00分配信 - 社会・一般 - http://www.yaeyamanippo-news.com/news.cgi?no=3924&continue=on

海岸の漂着ゴミが問題になっている中、流れ着いた発泡スチロールを燃料に変えるプロジェクトが昨年から沖縄県竹富町の鳩間島で行われている。そして11月4日、装置をさらに小型化した車両移動式油化装置の公開実験が行われた。
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 「宝の島プロジェクト」と名付けられたこの取り組みは、日本海難防止協会が日本財団の助成を受けて行っている。離島を対象に、回収した海岸漂着ゴミの中の発泡スチロールを油化装置によって可燃性のスチレン油に変換し、離島内でエネルギーとして有効活用させていこうというもの。国内初の試みとして2009年11月、鳩間島に固定式油化装置を設置。島民らによるNPO法人「南の島々(ふるさと)守り隊」も発足し、月1回ペースの稼働で約20リットルのスチレン油を抽出している。
 今回、同じ処理能力を持ちながらさらに小型化し移動可能にした「車両移動式油化装置」がお披露目され、公開実験が行われた。固定式の重さは約5トンなのに対し新装置は約2トンと4トントラックに搭載できる大きさ。1時間当たり10キロの発泡スチロールが処理でき、6リットルのスチレン油が取り出せる。海岸を移動しながらの処理や他の離島での活用も期待できる。
 当日は関係者や島民のほか、西表島でエコ活動に取り組む上原小学校の西表ヤマネコクラブの子どもたちらが参加。お披露目式で竹富町の川満栄長町長は「鳩間での取り組みが発信され全国で取り入れられていくことは素晴らしいこと。竹富町の各島々を美しくする、この町にふさわしいプラントとして生かされること願う」とあいさつ。デモンストレーションでは参加者が発泡スチロールを投入し、抽出したスチレン油を使って動かした発電機で綿あめやかき氷を作ってみんなで食べた。
 普段ビーチクリーンなどを行っている上原小5年の岩本海南斗くんと6年の陶山遙くんは「ゴミが油になってビックリした。いろんなものに使えたらうれしい。飛行機を飛ばせたらいいな」と話していた。
 同協会研究統括本部部長・主席研究員の大貫伸さんは「今後は八重山、対馬・壱岐・隠岐、佐渡島をそれぞれ中心とした3地域でプロジェクトを展開していく予定。その時にはNPOの皆さんにも手伝ってもらいたい」と語り、鳩間島の取り組みに期待した。

□スチレン油の使い道は
 スチレン油は灯油やA重油に近い性状を持ち、有害成分が出にくい可燃性の液体燃料。ボイラーや焼却炉の代替燃料としてそのまま利用できる。だがディーゼルエンジンの燃料としては、そのまま使えず軽油に最大20%程度まで混合して使う。

□用途を広報・普及させ、島の活性化に生かす
 鳩間島は周囲約4キロ、人口約50人の小さな島。そこに大量のゴミが流れ着く。台風の後は特に大変で、海岸にある緑の茂みの中に押し込まれいるので回収作業が難しくなる。
 固定式油化装置が設置されてから、ビーチクリーンで回収したものや対岸にある西表島からも発泡スチロールが運ばれて処理している。島では抽出したスチレン油を風呂のボイラーに使用しているが、寒い地方と違って消費量はごくわずか。「使い道が課題」と話すのは、NPO法人南の島々守り隊の理事長・浦崎金雄さん。島では「年寄りが多いので、用途を理解してもらうのが難しい」と言う。そこで「西表島で回収した分は、西表島のホテルなどで使ってもらうなど、油を回収したところに返すサイクルができれば」と提案する。
 浦崎さんも観光客向けのサービスに生かすなど、島の活性化につなげる「使い道」を思案中。そして多くの人に普及させることが必要だ。さまざまな課題があるものの、鳩間島でプロジェクトが行われる意義について「こんな小さな島でも地球環境のことを重く受け止めていることが伝えられる。同じことが大きな町では大したことがなくても、島で起きれば一大事だから」と語る。
 この日の最後に鳩間小学校4年生の本間康太郎くんが手を上げて話した-「この小さな島の取り組みが日本や世界中に広がってくれたらうれしい」。子どもたちに託せるプロジェクトとしたいと、きっと大人たちも思ったに違いない。

 



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