誕生日に
おまえが
大きくなって、
走れるようになったら、
父は
おまえと
広い野原に出かけ、
一緒に、駆けっこをしよう。
精一杯走るおまえを、
父は馬のように抜き去り、
父の速さを見せつける。
おまえが
大きくなって、
力が強くなったら、
父は
おまえと
青い畳の上で、
一緒に、相撲をとろう。
力一杯ぶつかってくるおまえを、
軽く投げ飛ばし、
父の強さを見せつけよう。
おまえが
大きくなって、
酒が飲めるようになったら、
父は
おまえと
いつもの部屋の片隅で、
心ゆくまで酒を飲もう。
青くさく噛みついてくるおまえに、
生きてる辛さを愚痴りながら、
父の弱さを感じさせよう。
おまえが
大きくなって、
家を出るとき、
父は
おまえの
眩しい背中を静かに見送ろう。
小さな声だが、
父の力強いエールを
おまえに贈ろう。
おまえが
大きくなって、
おまえの家族ができたとき、
みんなで集まり、
食事をしよう。
みんなの
明るい声に、
不器用だけど、
精一杯の笑顔を見せて、
父の心からの喜びを
おまえたちに伝えたい。
おまえが
大きくなって...。
おまえは...、
本当に大きくなった...。
誕生日、おめでとう。
父より