日溜まりにイヌノフグリが咲いていた。
かわいい花なのに、名前が少し気の毒。
目立たないこの小さな花は、
どこから来て、どこへ行こうとするのだろう。
わたしもどこから来て、どこへ行くのだろう。
わたしの輪廻
私は混沌だったときがある。
言葉も意志もなく、
空間も時間もない。
光も闇もなく、
ただ、私はあっただけ、なのだ。
あるとき、私の秩序を求めた。
私は秩序だったときがある。
秩序は間違いのない法則となり、
空間が生まれ、時が流れ始める。
光は闇を作り出し、
広さは重さを作った。
あるとき、私は自由を求めた。
私は今、自由となった。
秩序の中でもがいたり、あらがったりしながら、
秩序を暴こうとしたり、崇めたりもした。
あるときは鬼のように、またあるときは仏のようになる。
結果、矛盾という言葉も生み出した。
矛盾は大きくなるにつれてぼやけていき、
ついには、愛という自由に反するような言葉も生み出した。
あるとき、私は愛による繋がりを求めた。
この先、私は繋がりになるだろう。
どんなものなのか、それは、秩序の中の言葉では表すことができない。
敢えて言うならば、あたたかく心地の良いものであろう。
幸せという言葉が似合うのかもしれない。
その後、私は何を望むのだろうか。
また、その先はどうなるのだろう。
いずれ、全てに倦んで、また混沌を望むのかもしれない。