G-01殿が動かなくなった。わざと扉に一つの都市核を与えることでそのロックを開放させて解析を進める。確かに出来ないことはないだろう。あの方なら……それを狙うのも確かにいいのかもしれない。
自分なら危険だからとためらうが、あの方が出来るというのならばそれを信じるまで。けど流石にあの方でも世界を解明する――という大命題に挑むのであれば中途半端は許されないのだろう。
それをなしえるまでは戦力として数えられない。でも自分たちがいるからきっと大丈夫なんだろう……そういう風にきっと思ってくれたということだろう。それはなんだか……
「嬉しいな」
自分はそういった。自分の隣の女性に。
「何がですか?」
アイ嬢はそういって首をかしげる。作られたかのような完璧な美貌はある意味で冷たさを醸し出す。彼女をみてそれをしった。いや、実際作られてるんだが……でも、それでも彼女は美しすぎる。冷たさを感じても、きっと男ならその美貌から目を離すなんて事はできないだろう。
そう思えるだけの美しさが彼女にはある。そして彼女は元はG-01殿の為の補助として生まれた存在らしいから、感情というものをいまいち理解してない。それだから感情が薄いように見える。
でも、薄く見えるその奥には確かな感情の変化を自分は感じることができる。それに……だ。それに彼女は素っ気ない態度を取るも、その心は常にG-01殿と共にある。それは間違いない。だから自分は彼女に向けてこういった。
「我々を頼ってくれたことです。我々がいるから、G-01殿は安心してくれてる。それは誇れることでしょう?」
「そうですか? 私は時間外労働には残業代を求めたいところですけど……」
「ううん?」
なんかよくわかんない事を言われた。けどきっと照れ隠しだろう。なにせ、そんな事を言ってもアイ嬢はここから離れるようなことはしない。ここで自分とともに戦う覚悟があるからだ。実際、彼女の体は自分よりも高性能だ。
ただ体のスペックだけで遅れを取る……なんて気はないが、それはただ事実として受け止めてる。
「お二人だけで戦うつもりですか?」
最前線にいる自分たちへと、そんな声が届けられた。そこにはミレナパウスさんがきてた。いや彼女だけじゃない。この戦場で戦ってたこの世界の皆……彼らはまだ戦いが続くことを覚悟してる表情をしてる。
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