私はシャチだ。

私は立派なシャチだ。ヒヨコと暮らしている。このアカウントはフィクションである。なにしろシャチだからな!

108円の真夜中〜サングラス効果〜

2016-06-17 12:24:59 | 日記
私が目を大切にするために、サングラスをかけてテレビを見ていると、ひよこが、私もサングラス欲しいなぁと言い始めた。
お前の目は黒いから、サングラスをかけると何も見えなくなってしまう。と忠言したが、ひよこは聞かない。

われわれは、近所のダイソーへ出かけた。
ダイソーには108円のものがたくさんある。本当は100円なのだが、消費税が8%プラスされている。8と言うのは縁起の良い数字だ。末広がりと言う意味があるらしい。消費税が末広がりに広がっていくように、願いを込めて政治家が8%にしたのだ。
だが108円だと小銭が必要だ。もっとキリのいい数字にしたほうが便利だ。レジで手間取らずに済む。
と考えていたら、ひよこはサングラスとクレジットカードをレジに並べた。1回払いで、と言う。

108円をローンで払うツワモノに会ってみたいぞ。

ダイソーを出て、ひよこは早速サングラスをかけた。
我々はサングラスをかけたヒヨコとサングラスをかけたシャチになった。素晴らしい。
我々はそれからスーパーに寄った。ひよこは自動ドアの前で驚いて立ち止まった。そして言った。
すごいよシャチ!スーパーが真夜中みたい!
もちろんだ。サングラス効果だ。
なんか静かだね!しんとしてる感じがするね!とヒヨコは言う。実際には、大音量で店内放送が流れている。「今日は鯛が大漁です!!」めでたい事だ。静かに感じるのはサングラス効果だ。脳が真夜中だと思い込んでしまうのだ。

スーパーではマルキンの納豆が復活していた!
この春の事だ。マルキンの国では、地震で工場が壊れてしまったのだ。その後ヒヨコは何日も何日もマルキン無しで暮さなければならなかった。マルキンはおいしいのだ。良かった。本当に良かった。

我々はスーパーでおいしいものを買い、店をでた。なんか眠くなってきたよ。とヒヨコは言う。もちろんだ。サングラス効果だ。真夜中だからな。

くっきりと影の落ちる暑い昼間だ。うちわであおぎながら歩いている男がいる。日傘を差して、バスを待っている女がいる。みな眩しそうに目を細める。だが私とヒヨコの周りは真夜中だ。もちろんだ。これが、サングラス効果だ。
信号を渡っても、紫陽花の咲いている角を曲がっても、真夜中は我々を包んでいる。そして当然、家の中にもついてきた。
そういう訳で、われわれは昼寝をすることにした。シエスタだ。真夜中だからな。今日一日が二日間みたくなっちゃうね。とヒヨコは言った。うむ、休日が二倍になるのだ。素晴らしい事だ。それもサングラス効果なのだ。

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